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「パパ・クオータ制」導入検討 男性の育休取得率は増加するか(2016/11/1)

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いま押さえておきたい最新の話題にフォーカス。火曜日は「ビジネストレンド」です。


今回注目するのは、日本でも導入が検討され始めた「パパ・クオータ制」。職場の育児休暇の一部をパパにも割り当てるというこの制度には、父親の子育て参加を促そうという狙いがあります。


この制度について、街の人たちはどのように考えているのでしょうか。



◆街の声−−パパ・クオータ制、どう思いますか?

「好ましいことだと思います。世界的にも日本のお父さんは子育てに参加していないので、もっと積極的に育児に参加するべきだと思います」(女性)


「制度は必要。女性だけに任せるわけにはいかない。みんなが社会的にできればいいけど、現実問題、子どものために休むのか!?となる。国がリードするというよりは、社会の成熟がなきゃだめ」(男性)


「いいと思います。手伝ってくれたら嬉しいけれども、母親としても任せられるか心配。特に子どもが小さい頃は。あまり役に立たなかったという気もするが、(手伝おうとする)気持ちが嬉しいというのもある」(女性)


「すごくいいと思う。子どもと接する時間も増えるので。聞くと育休を取りづらいという会社も聞くが、自分の場合はそうではなかった。昔から分担してやっていたいし、法律があとから追いついてきた感じ」(男性)



そして、今回ご紹介するランキングは


『国別 父親の家事・育児参加時間ランキング』


こちらは、内閣府の「少子化社会対策白書」に掲載されている、先進国で6歳未満の子どもを持つ夫の1日あたりの家事・育児時間を比較したランキングです。



第3位【 ドイツ 】 3時間

ドイツでは近年、少子化対策のやり方を経済的な支援から「育児休業」や「保育所の充実」に切り替え、効果を見せているようです。



第2位【 ノルウェー 】 3時間12分

93年に世界で初めてパパ・クオータ制を導入したノルウェー。59週間の育休が取得可能で、そのうちの10週間は配偶者と交代して取得しないと育休の権利が失われるそうです。この結果、父親の育児参加も増えています。



第1位【 スウェーデン 】 3時間21分

世界でもっとも子育てがしやすい国とも言われているスウェーデン。父親の家事・育児参加時間も当然多くなっています。



◆パパ・クオータ制を導入した北欧諸国

スウェーデン、ノルウェーのほか、フィンランド、デンマークなど北欧諸国でも、男性の育児取得率、家事・育児への参加時間が多い傾向があります。


ランキングで1位となったスウェーデンもいち早くパパ・クオータ制を導入。さらに今年は父親が取得できる育児休暇が90日に増やされています。
また、スウェーデンでは育児休暇期間にも給料の大半が支払われるようになっているため、父親の育休取得率はおよそ9割に及んでいます。


一方、日本での父親の家事育児参加時間は1日あたり1時間7分。ランキング上位の国と比べるとおよそ3分の1ととても少ないのが現状です。



◆制度導入で同時に解決すべき問題

今回、パパ・クオータ制について、ファザーリング・ジャパン理事の徳倉康之さんに伺ったところ、パパ・クオータ制を日本で導入する場合、「保育所の待機児童問題」や「労働時間」の改善も必要となってくるそうです。


育休期間のあと、父親と母親がともに職場復帰するときには保育所がどうしても必要となってきます。この問題を解決しないと、少子化という根本的な問題の解決にはなりません。


そして、労働時間の改善についても、父親・母親が残業せずに定時に帰ることが、保育士の残業時間の減少にもつながります。保育士の労働環境が改善されれば、現在の保育士不足も解消されていく可能性があります。



「パパ・クオータ制」は今後日本でどのように受け入れられていくのでしょうか。