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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.05.11

緊急事態宣言が延長する中、オリンピック開催の是非について

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


【緊急事態宣言が延長する中、オリンピック開催の是非について」】


吉田:菅総理は昨日の衆議院予算委員会の集中審議で、緊急事態宣言の延長と対象拡大について「専門家の理解を得て、政府として判断する。最終判断の責任は全て私にある」と語り、理解を求めました。立憲民主党の枝野代表が、感染を抑え込めない政府対応に関し、菅総理の姿勢は専門家への責任転嫁だと非難したうえで、東京オリンピック・パラリンピックの開催と感染症対策の両立は「不可能と言ってもいい」と指摘したのに対し、菅総理は「選手が安心して参加できるようにし、同時に国民の命と健康を守っていく。これが基本的な考え方だ」と説明しました。


ユージ:神庭さん、先の見えづらい状況が続いていますが、まず、ここまでの政府のコロナ対策、どうみていますか?


神庭さん:日本が全然ダメだったか?というと、そんなことは全くなくて、第2波のあたりまで、よく頑張って踏みとどまっていたと思うんですよね。クラスター対策も上手くいっていましたし。1日あたり何万人、何十万人という感染者数を出していた欧米諸国に対して、日本は最悪期1桁・2桁少ない人数に抑えていたと思うんです。アメリカやイギリスは果敢に「決断」して、日本よりも厳格なロックダウン(都市封鎖)に踏み切りましたが、日本よりずっと多くの感染者数を出しています。「東京は2週間後にニューヨークのようになる」などと盛んに言われていましたが、幸いそういうことにはならず、「予言」は当たらなかった。
ということは、決断や強いリーダーシップが常にいい方向に働くとは限らない、ということは言えると思います。ある種、日本方式の政府が命令するわけじゃないけれど「世間の目」や「自粛警察」、その相互監視によって皆が何となく我慢するというやり方が第一回の緊急事態宣言の時はそれはそれで上手くいってしまった、機能してしまったというのがあるのではと思いますね。


吉田:そんな中、オリンピックの開会式は、7月23日金曜日なので3か月を切っていますが、17日から予定されていた、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長の来日は、緊急事態宣言の延長が決定したことで、見送られました。開幕まで80日を切った段階でIOCのトップが、開催国の訪問を断念する異例の事態で、開催に懐疑的な声が大きくなりつつあります。


神庭さん:そうですね、やっぱり状況が変わってきていますし、バッハさん一人が来日できない状況で果たしてオリンピック本番できるのか、という声もありますよね。
背景には、去年末の第3波あたりから見え始めた、コロナ対策の綻びもあって、先程言った国民がコロナに慣れて「世間の目」がだんだん機能しなくなってきてきつつあるっていうのと、オリンピックはやる、でも飲食店や商業施設は休業要請、という矛盾が徐々に露わになって、政府や自治体の呼びかけも人々に届きづらくなってきているのはあると思います。
そこにきて変異株を流行していますし、去年までの決断しないまま「なんとかなってしまった」というプチ成功体験が、ますます先延ばしのズルズル体質に拍車をかけているという状況。感染者数が低く抑えられていたため、欧米のように強い危機感を持って、ワクチン確保・接種に取り組むのも遅れてしまったというのもあると思うんですよね。
小さな決断は失敗してもいいし、未曾有の事態ですから、失敗したら次々軌道修正すればいいと思いますし、誰も経験したことのない厳しい局面で、日本の政治家に対してだけノーミスを求めることは無理だと思います。ただ、国全体を左右するような大きな問題では決断を間違えてはいけないと思いますね。


ユージ:これは重要な決断になりそうですね。
今朝の【オーディー・ジャッジ】は「オリンピック開催の是非、開催すべき・中止すべき」、皆さんから意見をいただいています。


吉田:ここまでの途中経過は「開催すべき」が21%、「中止すべき」が79%です。


ユージ:いずれにしても8割近い方が「中止すべき」という意見ですね。政府としては開催を推し進めている感じがまだするんですけど決断しないでズルズルやってしまっているんじゃないかな?と感じている方もいらっしゃると思います。


神庭さん:ここで漫画から、決断についての名言を紹介したいと思います。
岡崎京子さんの『リバーズ・エッジ』という漫画なんですが、

あたし達は
何かをかくすために
お喋りをしてた
ずっと
何かを言わないで
すますために
えんえんと放課後
お喋りをしていたのだ

という台詞があって、つまり漫画の中では大事なことと向き合わずにやり過ごして、なんとなくで進んでいくうちに最終的に破滅的な事態が訪れてしまうんですけど。オリンピックを最優先して聖域に置くことで、それについては語らずに、いろんな対策をやっているんだけど、決断を先延ばし先延ばしにしている弊害が出てきてしまっています。先月には尾身会長が「そろそろ議論をしっかりやるべき時期に来ている」という言葉もありましたので、今こそ「決断」が求められているといるのかなと思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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