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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

21.04.19

ポイント経済圏

nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日のニュースワードは「ポイント経済圏」


ユージ:今週はスペシャル企画です。コロナやオリンピック関連のニュースが連日流れるなか、“いま気にかけておきたい”“いま、押さえておきたい”ニュースワードを生活者目線でピックアップ!「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんに、毎日ワンワードずつ解説して頂きます。


吉田:月曜日のニュースワードは「ポイント経済圏」。Tポイント、楽天ポイント、イオン、ナナコ、ポンタ、などなど「ポイントサービス」を通じ、顧客のサービス利用や回遊性を促進するビジネスモデル「ポイント経済圏」が広がりを見せています。そこで今日は「ポイント経済圏」について、そして、今注目を集めている「ポイント投資」について神庭さんに伺っていきます。


ユージ:神庭さん、聞くところによると、かなり“ポイ活”されているそうですね。


神庭さん:はい。“ポイ活”というのは「ポイントを貯める活動」のことでして、僕はいかにポイントを貯めるか、ということを頑張っているんですけれど、例えばクレジットカードから電子マネーなどキャッシュレスサービスへのチャージをすると、そこで一度(カードを利用したことによる)ポイントが付与され、チャージをした電子マネーで決済を行うと、さらに電子マネーのポイントが付与される…とか、キャンペーン中だとポイントがさらに加算されたりといったウラ技が色々あって、僕もそうなんですが、結構夢中になってやっている人も多いと思います。実は、ポイントの歴史というのは意外に古くて、日本インターネットポイント協議会のサイトによると、諸説あるんですが、1916年に北九州市の呉服店が始めたのが最初と言われています。


ユージ:えっ、100年以上も前?すごっ!


神庭さん:その後、1989年にはヨドバシカメラが日本で初めてバーコードを用いたポイントカードを導入しまして、そこからポイントサービスは進化を続けています。当初は各店舗が導入する単純なスタンプカードのようなものが多かったんですが、いまはそれがプラットフォームになってきているんですね。まさに「ポイント経済圏」ということなんですけれど、例えば楽天会員は1億人以上、Pontaは9,283万人、Tカードは7千万人…と非常に大きな数、ここにいろんなサービスやお店がぶら下がっているわけですよね。で、野村総研によりますと、ポイント・マイレージの年間発行額は、1兆円を突破しているということです。そして、少し古いデータなんですけれど、年間500億円分ものポイントが、使われずに失効しているという推計もあるんです。


吉田:うわぁ、もったいない!


ユージ:これが僕の気になっていた数字なんですよ。僕自身も何ポイント失くしたか分からないんですけれど、みんなのが集まると、こんな数字になるんですね!


神庭さん:気づかずに失効していることもありますよね。で、僕みたいにポイ活をしている人も多いんですが、この「経済圏」の狙いは「囲い込み」と「リピーターの確保」なんです。楽天カードを使って、楽天で通販して、コンビニの買い物はEdyで払う…といった購買行動を通じて、消費者のブランドに対するロイヤルティ(=忠誠度)が高まっていく…というのがありますし、サービスを提供する側からすると、加盟サービスや店舗同士で相互にお客さんを送り合って、ビッグデータをマーケティングに活かしていく、といった形で使われているんですね。


ユージ:なるほど。そんな中、最近はポイントを「貯める」のではなく「増やす」ポイント投資が注目されているそうですが、これはどういったものなんでしょうか?


神庭さん:まさに「貯める」から「増やす」へ…ということなんですけれど、大きく分けて2タイプあります。まず、ポイントのまま運用する「ポイント運用型」の投資というのがありまして、これはポイントをお金に換えず、ポイントのまま増やしていくんですね。


ユージ:じゃあそれは、増えた分はポイントで還って来るんですね。


神庭さん:もうひとつは、ポイントを現金化して運用する「ポイント投資型」もしくは「厳禁投資型」と言うんですけれど、こちらはお金に換えて投資信託などで運用する、というものです。


ユージ:では、こちらはお金に換えるので普通の投資に近い、ということですね?


神庭さん:そうですね。増えた分もお金で還ってきます。で、これらのメリットとしましては、元手がポイントなので気軽に始められるということと、ポイント運用型の場合はポイントを運用しているだけなので、証券口座の開設が必要ない、ということ。こういう金融リテラシーをアップして、投資に親しむ入り口になっていく…というのがメリットです。で、デメリットとしましては、当然元本割れもありますし、少額の取引を繰り返すことで、手数料がかさむ可能性もあります。あるいは、運用する投資商品があまり充実していない、というケースもありますので注意が必要ですね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。




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