ニッポンの未来を元気にする「農業応援プログラム」 あぐりずむ WEEKEND

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今日は三重県大台町からお届け!
三重県が誇るブランド牛の松阪牛の肥育農家、西村直人さんにお話を伺いました。

そもそも、肥育農家ってなんでしょう?
肥育とは、「200〜300kgの子牛を藁や草、とうもろこしや麦などの農耕飼料を、月齢に応じて中身や量を調整して与えて、目標として700kgくらいにして出荷します。

1日のスケジュールはなかなかに過酷で、時間がきっちりしていないと牛の状態もわかりません。なので、だいたい朝の8時には牛舎に行って、状態の変な牛がいないかを見回り、夕方の餌の時間は16時くらい。その間の作業は日によって違ってきますが、一頭一頭顔色を伺って、牛を見て行きます。西村さん曰く「目が一番わかる」んだそうです。
まさにプロの目利き、ですね。

西村さんがこの仕事を始めたきっかけはお父さんにあるのだそう。
2〜3歳の頃に父親が牛飼いを始め、小さい頃から常に牛が近くにいた西村さん。おとなしくて、牛の目が好きだった少年時代をへて、仕事を継ごうと思いたち、大学で畜産を学んでからこの仕事につきました。

松阪牛というのは、「三重県松阪市を中心とした限られた地域で最も長く肥育された、黒毛和種の子どもを産んでいない雌牛」のことを言います。
特に兵庫県産の子牛を900日以上飼って肥育した特産松阪牛があり、一般の和牛は約2年の肥育します、それに比べると1年長くて、常温でも脂が溶け、鼻に抜ける肉の甘い香りが強いのが特徴です。

松阪牛を育てる上で、一番大事にしていることはなんでしょうか、西村さんに聞いて見ますと、「最初が肝心。日本中の牛の中で、どの血統がいいか、どのくらいの牛をどのくらいの値段で買えばいいか、といった元牛の導入に気を使っている。」のだそう。
あとは牛に少しでも気持ちよく、食べて飲んでもらう。「食っちゃ寝を気持ちよくしてもらう。」というのも同じく肝心出そう。楽しそうに聞こえますが、これ意外と難しいんです。

西村さん曰く一緒の商品が出てこないのがやりがい。
一頭一頭個体差があって思うようにいかないところが、またやれる。
キリもないけど、飽きもないのが西村さんにとっては良いのだそう。

松阪牛の農家さんは、自身が育てた牛が加工されたところを食べたりするんでしょうか?
西村さんは年に数回は焼肉屋さんで自分の肉を食べたりするのだそう。

食べてくれる人の顔を見るのが大好きで、「俺が買った牛、こんな人が嬉しそうに食っとるわ!」と思うのがとても好きなのだそう。

「決して安くないお肉を嬉しそうにワイワイ、家族で食べてくれるのは本当に嬉しい。」と喜んで語ってくれました。

育てる上でプレッシャーもやはりあるのが松阪牛農家さん。
松阪牛の農家はこんなん買うのかと言われないようにしっかりとした目利きが必要ですし、「これが松阪や、見てみよ!」というようなものを作っていかないといけないのはプレッシャーだと言っていました。

そんな松阪牛の肥育ですが、特に今年の猛暑は大変だったのだそう。
普段は直下型の直径1メートルの扇風機で対処しているそうですが、置き型の扇風機も何台か買って、とりあえずしのいだと西村さん。
「牛は暑かったら立って、体を揺すって、息も荒くなる。それを見ているのが辛いので、何頭かは水を体にかけた。」と夏を振り返っていました。

そんな西村さん、今後挑戦したいこと、夢を聞くと「子牛から育てる」ことに挑戦したいのだそう。
まさに「ゆりかごから墓場まで」ですね。

そして夢は今、専門の高校に通っているお子さんが、何年かしたあとは、仕事を引き継いでくれることを楽しみにしているのだとか。自分と同じように受け継いでくれたら、やっぱり嬉しいんですね。

細やかで柔らかい肉質、甘みのある脂、甘く深みのある上品な香りの松阪牛です。
ぜひとも一度食べて見たいですね〜。

西村さん、ありがとうございました!