樫立酒造
樫立酒造[八丈島八丈町]

麦の香が高く香る
八丈島の華やかな焼酎・島の華
東京都八丈島。都心からは南へ約280キロの距離にあり、面積は約69.5キロ平方メートルです。東京でいうと山手線の内側と同じくらいの大きさとなっています。
ここで作られているのが八丈島の麦焼酎「島の華」です。実際に製造している樫立酒造・笹本庄司さんに焼酎と島の魅力をうかがいました。
「樫立酒造の創業は大正14年、私で4代目となります。島の華を作り、名付けたのは2代目である私の祖父です。
華とは、工場の周りに椿がたくさん植えられていたところからきています。今もレッテルにイラストが入っています」

そのときにも香りがそばに付き添ってくれています。たまたまあったマグロの刺身と合わせてみましたが、絶妙の相性でした。
ラベルの華やかさも彩りを与えます。水割りにするとどんどんと飲みたくなる焼酎といえます。秘密はあるのでしょうか?
「昔ながらの作り方である常圧蒸留なので、原料の香りが残りやすいんです。最初は芋焼酎を作っていたんですが、1980年代ぐらいに島外での需要や酎ハイブームの影響もあり、名前はそのまま麦焼酎に変えました。
飲み方のオススメは水割り、お湯割り、若い方はソーダ割りにすることもあるようです。八丈島では、地元名産のあしたばの粉末を混ぜることもありますね。
苦味はありますが、血圧を下げたり、健康にいいんですよ」キレがある麦焼酎は和食にも合わせやすいのです。このお酒に合う料理を聞いてみました。

話を聞いているだけで、食欲がわいてきます。島寿司を口に含んで、味が残っているうちに焼酎をぐいっと流し込む、なんて想像が膨らむほどです。
笹本さんには島の案内もしてもらいました。
「八丈島の中でもウチの酒蔵がある樫立地区は山の方です。現地ではロベといいますが、フェニックスロベレニーというヤシ科の植物が生え、あしたばの畑もあります。観葉植物を育てている農家もありますね。
観光客には大浴場に露天風呂もあるふれあいの湯という温泉が人気です。観光施設では、八丈服部屋敷も面白いです。幕府御船預かり役が使用していた屋敷跡では、八丈太鼓、樫立踊りという伝統芸能を見ることもできます。ほかに乙千代ヶ浜(おっちょがはま)には、夏限定で海を望めるプールがあって、子供連れでも楽しめますね」
最後に生産者の笹本さんからメッセージをいただきました。
「八丈島の住人はとにかく飲みます。田舎の島なのに夜中まで開けているお店もあるんです。東京から来るとびっくりしちゃうかもしれないですね。
そんな島の人たち相手に私は本当においしい焼酎を作っているので、ぜひ味わってみてください」

八丈島の樫立酒造で作る麦焼酎。刺身の相棒に最適な香りと優しい口当たり