PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2021年2月13日放送

Passenger

清野とおる

本日のお客様は、清野とおる様。

1980年生まれ、東京都北区赤羽在住。赤羽の街に住む、強烈な個性を持つ人たちを描いた漫画『東京都北区赤羽』は大きな話題となり、のちに『山田孝之の東京都北区赤羽』としてテレビドラマにもなりました。さらに、清野さん原作の『東京怪奇酒』もドラマ化が決まり、2021年2月20日(19日深夜)からテレビ東京で放映されます。
コロナ禍の前から、人前に出る時はマスク姿。プライベートでは、2019年にタレントの壇蜜さんとご結婚。川島ドライバーともかねてから親交があるそうです。

 

 

〜赤羽〜


※清野さんに提供いただいた赤羽の写真 その1

漫画のお仕事をされていた伯父様の影響で、清野さんは絵を描く事が好きになり、漫画家の道へ進むことになります。実は伯父様は、トキワ荘(手塚治虫・藤子不二雄・赤塚不二夫・石ノ森章太郎など、昭和を代表するマンガ家たちが同居していたアパート)のメンバーと同世代で、「テラさん」こと寺田ヒロオさんとは、文通するほど仲が良かったそうです。
清野さんの漫画家デビューは17〜18歳の頃。初連載は、ヤングジャンプに連載した不条理ギャグ漫画でした。漫画家として順調に進むかと思われましたが、2作目の連載作品が直ぐに打切りに・・・。そこで、漫画だけに集中する環境を整えたいと、人生初の一人暮らしをはじめた場所が、実家の隣町の赤羽でした。その後も不条理ギャグ漫画を描き続けていましたが、ヒット作は生み出せず、漫画家廃業まで考えるほど悩んでいた頃、ふとあることを思い付きます。自分が創作するより、赤羽での生活で目の当たりにした物事をそのまま漫画にした方が面白いのではないか?・・・それが『東京都北区赤羽』を描くきっかけでした。
赤羽で一番最初に衝撃を受けた人物は全身赤いコーディネートのおじいさん(ベレー帽・アウター・インナー・ズボン・バックまで全てが赤!)。実はこの方は2代目で、その前から赤羽には赤いコーディネートおじいさんが存在していたそうです(ちなみに、初代と2代目は全く面識が無い…)。名は体を表すがごとく、赤羽には、また別に2〜3人ほど全身赤いコーディネートの人がいるとの噂です・・・。不思議な魅力を持つ街・
赤羽は、清野さんの漫画家人生を大きく飛躍させる地となりました。


※清野さんに提供いただいた赤羽の写真 その2


※清野さんに提供いただいた赤羽の写真 その3

 

 

〜川島明との出会い〜

「共感百景」という、決められたテーマのあるあるを川柳形式で発表するイベントで共演した、清野さんと川島さん。仲良くなったきっかけは、その打ち上げでした。清野さんの少し離れた席で、銭湯・サウナの話を熱く語っていた川島さん(基礎体温を上げる事で、ネガティブな発想が生まれにくくなる、などの持論を展開)。当時、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』という漫画の連載中だった清野さんは、川島さんのこだわり話に興味を持ちました。川島さんは東京に進出した後、芸人として辛かった時期に銭湯と出会い、そのお陰で精神的に救われました。(詳しくは、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』 3巻をご覧ください!)
後日、取材を兼ねて一緒に銭湯に行き、川島流のサウナの入り方をひと通り体験した清野さんでしたが、その最中は、あまり効果は実感できませんでした。銭湯を出て2人で歩いていると、50代ぐらいの胸元が少しはだけた女性とすれ違いました。その時、清野さんが川島さんに一言・・・「むなもとの頼朝ですね。」
普段であれば絶対に言わない言葉が、ポロッとこぼれ落ちました。基礎体温が上がっていた2人はこの何気ない一言で爆笑し合い、清野さんは、これが「ととのう」という状態なのか!と実感するのでした。この日から、清野さんは一気にサウナにハマり、川島さんとの親交もさらに深まるのでした。


※清野さんと川島さん(『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』 3巻より)

 

 

〜結婚〜

2019年、タレントの壇蜜さんと結婚された清野さん。出会いのきっかけはテレビでの共演で、壇さんに赤羽の街を案内するというロケでした。元々、壇蜜さんは清野さんの漫画のファンでしたが、結婚にまで至った理由は、清野さん自身も未だに分からず、壇さんに「何で結婚してくれたの?」と問い掛けてみても、納得のいく返事はないそうです。別居婚のため、久しぶりに奥さんに会うと、「あ!壇蜜がいる!」と一般人のような反応をしまうことも・・・。清野さん曰く、「壇蜜は慣れない」そうです。
実体験を漫画にされることが多い清野さんが、漫画を描く時に気をつけていることは、面白いネタを見つけてもすぐには描かず、しばらく寝かせること。実は今後、壇蜜さんをテーマにした漫画も描くつもりで、交際当初から壇蜜さんを観察してきたネタのストックがだいぶ溜まってきているようです。

 

 

〜漫画家としてのエウレカ(発見)〜

「漫画家は普通の人が使わない脳の部位を使っていると感じる。」

清野さんは、喫茶店などで漫画の構想を練っている時、集中し過ぎて作品の世界に入り込んでしまい、喫茶店にいることすら忘れてしまうほど。ふと気づいたら1〜2時間経過していて、この現実に戻ってくる時に感じる脳への負荷は、深海からものすごい勢いで水面に上がるイメージだと言います。さらに、構想している時にこんなことが起きると面白いな、と思っていたことが、その後、実際に現実世界で起きた経験が多々あるそうで、それはこの負荷のお陰ではないか、と清野さんは考えます。
もしかしたら脳内と現実世界は繋がっているのかも・・・そう思い始めると、もっとリアルにいろんなことを想像しよう!と、清野さんの漫画への意欲はますます湧いてきます。


※清野さんに提供いただいた赤羽の写真 その4

 

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PLAYLIST
  • 「感電」
    米津玄師
  • 「中庸平凡パンチ」
    スチャダラパー
  • 「ロマンティック街道 (ALBUM VERSION)」
    キリンジ
  • 「今宵の月のように」
    エレファントカシマシ
  • 「明日も」
    SHISHAMO