PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2021年6月5日放送

Passenger

パンク町田

本日のお客様は、パンク町田様。
1968年、東京生まれ。アルティメット・アニマル・シティ代表のほか、NPO法人生物行動進化研究センター理事長、アジア動物医療研究センター(日本ペット診療所)センター長も務める。鷹狩りの世界に造詣が深く、鷹匠文化の知識や鷹を扱う技術は群を抜き、ハヤブサや鷹を飛ばすトライアルで3年連続優勝するという偉業を成し遂げる。日本鷹匠協会鷹匠、日本鷹狩協会鷹師、翼司流鷹司、鷹道考究会理事、日本流鷹匠術鷹匠頭を兼任。また、オールラウンドな犬種を扱うことができる犬の訓練士でもあり、愛玩犬のしつけから、猟犬、バンドッグの訓練も行う。特定非営利活動法人日本福祉愛犬協会顧問も務める。動物の接し方においては動物の心理を見抜き行動学・心理学に則った繊細で理にかなった考えを持ち、独特の容姿と愉快なキャラクターでテレビ出演もされています。肩書きが凄すぎる!動物のスペシャリストです!

 

 

〜パンク町田とは〜

テレビで観るパンク町田さんは“上半身裸の動物に詳しい人”という印象ですが、服を着ないのは理由があります。動物は裸で行動するため、同じ容姿の生物を認識・記憶します。なので、町田さんは色や形の違う服を着ることで動物が“新しい人が来た!”と警戒しないようにしているのです。最近は、従業員が増え、不快な思いをさせないために服を着ることが増えたそうですが、昔はコンビニまで上半身裸で行っていたそうです。笑

2011年に、ムツゴロウさんこと畑正憲さんに“第二のムツゴロウ”として名乗ることを許されました。ただし1つ条件があり、犬好きのムツゴロウさんから、“犬をもっと発展させていきたい。第二のムツゴロウとして犬をもっと勉強して下さい”と言われました。こうして、憧れのムツゴロウさんから後継者として任命されたのでした。

アルティメット・アニマル・シティの代表を務める町田さん。
主な活動内容は、海外から送られて来た動物を人間に慣らすこと。野生の動物をいきなり動物園で飼育すると動物同士で衝突を起こしたり、環境の変化に対応出来ず餌を食べ無くなってしまうそうです。そのため、人間と仲良くなってもらうことを第一に飼育をされているそうです。また、動物の行動も研究されており、何故このような動きをしたのか?何を必要としているのか?など、動物の行動パターンから様々な情報を収集されています。


(ドゴ・アルヘンティーノと訓練をする町田さん)

子供の頃から動物が大好きだった町田さん。人間の友達よりも動物の方が面白かったと言います。同じ人間である友達よりも、自分と異なる感性を持っている動物のほうが面白いと、当たり前のように語ってくれました。笑

また、チューリップの球根も生き物を好きになるきっかけだったそうです。幼少期にお母様とお花屋さんへ行った時に、赤いチューリップの球根が欲しくて買ってもらった町田さん。しかし、蕾が出てくると何故か黄色っぽい、、その後の成長過程も黄色っぽく、、いつかは赤色になると信じていた町田さんでしたが、やはり黄色い花が咲きました。普通の子供なら、赤じゃなかった・・とがっかりするところですが、町田さんは“赤い花が咲くと思って球根から、黄色い花が咲いた”という、予測できない植物(生き物)の生態に関心を持ったそうです。


(ドゴ・アルヘンティーノと訓練をする町田さん)

町田さんが特に思い出に残っている動物は”ドゴ・アルヘンティーノ”という猟犬(大型犬)。この犬を知るきっかけは、幼少期にテレビで見たムツゴロウさん(畑正憲さん)でした。ムツゴロウさんがロケ中に、ドゴ・アルヘンティーノに噛まれているシーンを観ました。痛がる畑さんに対して、周りのスッタフは騒然!しかしムツゴロウさんは「この犬は私に噛みましたね〜凄いですね〜」と犬を褒めたそうです!町田さんの記憶には、“噛んでも褒められる犬がいるんだ!”と、ずっと印象に残っていたそうです。そして20歳の頃、ドゴ・アルヘンティーノを飼い始めます。以前にボクサー犬を飼っていた町田さんは、犬と仲良くなるトレーニング方法を会得しておりましたが、ドゴ・アルヘンティーノには、その知識が全く通用しませんでした。この時、動物への過度な教育は人間の“エゴ”だと考える町田さんにとって、痛みに強く・鈍感なドゴ・アルヘンティーノは共存していくうえで教育する必要がないと感じたそうです。猟犬として優れた能力を持っている(ピューマを咬み殺せるほど!)ドゴ・アルヘンティーノを、教育せずに日本で飼育するのは危ないのではないか?という川島さんの質問には「強い=危険ではない。人間に寄り添う愛情がある犬もいるが、ドゴは”何かあったら守るよ”という愛情がある。だから、自分が何かあった時に守ってくれるパートナー(犬)だと初めて思った。」と答えてくれました。
規格外のドゴ・アルヘンティーノとの出会いが、動物関連の仕事を始めるきっかけになったそうです。

実は、町田さんが特に造詣が深い動物は“鷹”。
本来鷹匠とは、雇い主の鷹を調教して、狩場を案内した上で雇い主に獲物をとらせる仕事。つまり、鷹に関する全てのことを行うコーディネーター的な役割だそうです。近年では害鳥駆除の依頼を受けることも多いそうですが、今でも鷹で獲物をとりたいという方からの依頼もあるそうです。さらに、鷹匠として文化を正しく広めることも役割の1つだと考えておられます。

 

 

〜思い出の場所① 東南アジア・ボルネオ島〜人間と動物〜

オランウータンの密猟現場の実態を調査する取材に同行し、ボルネオ島のダヤク族の村を訪れた町田さん。しかし、オランウータンは数が少なく遭遇する確率が低いため、実際に案内されたのは、テナガザルの密猟でした。テナガザルは木か木へと素早く移動するため、追いかけるのに、3日もかかったそうです。
また、九官鳥狩りにも同行。ダヤク族の人は、夜、真っ暗な山へ裸足で出かけ、ポイントの木を見つけると命綱も付けずに登り、連れてきた九官鳥を木の高い部分に括り付けます。そして、“とりもち”を付けた竹ひごのような棒を、木の枝に見せかけ、その九官鳥の周りに仕掛けます。翌朝、ダヤク族が九官鳥の鳴き真似をすると、それに反応して括り付けた九官鳥が鳴き出します。それを聞いた野生の九官鳥が、“自分たちの縄張りに侵入して来た九官鳥がいる!” と飛んでやってきます。すると、罠の棒に羽が引っ付き、上手く羽を動かせなくなり、地面に落下。こうして九官鳥を狩るそうです。
話だけを聞くと少し残酷に感じてしまいますが、実際、ダヤク族の方々は密猟を行なっているという感覚はないそうです。生きるために、先祖代々受け継がれてきた方法で狩りを行なっているだけで、彼らにとってはこれが日常生活。この経験を通して町田さんは、動物との付き合いには、色々な形があると学びます。日本人は、動物との付き合いというと、まずペットを思い浮かべ、仲良くするだけが動物との付き合いと思ってしまう。しかし、ダヤク族のように生きる糧として付き合う方々もいる。普段、我々は普通にお肉を食べていますが、それは家畜を屠殺する方のお陰。それは悪いことではなく、誰かが行わなければ食べることは出来ないことなのです。ボルネオ島で、“動物と人間” “命と食料” について改めて考えさせられたのでした。


(ボルネオ島でのお写真)

 

 

〜思い出の場所② インドネシア・セレベス島〜命の危機〜

セレベス島へは、野生のアミメニシキヘビを探しに行きました。最初は山を探しましたが見つけることができず、街で聞き込みを始めました。すると、ご飯屋さんで出会った現地のおじさんから「家の裏にいる、子供もいるから心配なんだ」と相談を受けます。そこで町田さんはニシキヘビを退治すると約束をして場所を教えてもらいます。民家の近くの横穴に案内された町田さんは5m程あるニシキヘビを発見!なかなか出てこないニシキヘビを素手で引っ張り出しましたが、出てきたニシキヘビは町田さんに襲いかかります!体に巻きつかれて、身動きの取れない町田さんは倒れ込みました。胸を締め付けられたら命が危ないため必死に抵抗!(蛇は耳が無いため、腹部で振動を感じる生き物。胸に巻き付くことで人間の呼吸音を腹部で聞き、息を吐くタイミングに合わせて締め付けてくるため、徐々に息ができなくなるそうです・・・)
体感で、30分間ほど巻きつかれ続けた町田さんは、さすがに死を感じたと言います。しかし、町田さんの帰りが遅いと心配になった案内人が地元民を連れて助けに来てくれました!4人掛かりでヘビを引き離し一命を取り留めた町田さん。人助けでヘビを捕まえにいったはずが、自分が助けられてしまったとオチをつけて下さいましたが、、、無事で何よりです!


(海外での町田さんのお写真)

 

 

〜思い出の場所③オセアニア・ニューギニア島〜オオトカゲを求めて〜

ニューギニア島へはハナブトオオトカゲを捕まえに向かいました。インドネシアに着き、さらに小型飛行機を使って様々な島へ探しに行きましたが、なかなか見つからず、最終的に見つかったのはインドネシアで一番大きな街・イリアンジャラの近くの森。ハナブトオオトカゲは世界で2番目に大きいと言われるオオトカゲで、全長3m程。コモドオオトカゲより性格が臆病なため、攻撃的ですぐに噛んでくるそうです。町田さんはもっと容易に捕まえられると思っていました。何故なら、当時日本では1匹10万円程で入手可能だったため、あまり高くない動物の狩りはそこまで難しいと想像していなかったそうです。実際には、40度を超える灼熱の地で1日中走り回ってようやく1匹捕まえられました。この時ばかりはヘトヘトになり、日本で購入すれば良かったと思ったそうです。笑
しかし、実際に捕獲の経験をすることで、特性や希少性を学ぶ事が出来ました。
今の時代、調べれば何でもネットや本から情報を得られますが、先人の方々の命懸けの経験があってこそという点を忘れてはいけませんね!


(過去の町田さんのお写真)

 

 

〜人類と動物の平和的共存〜

人と動物の平和的共存を目指している町田さん。以前から、動物との付き合い方を研究してきましたが、最近はより動物が楽しめる道具、より動物と仲良くなれる道具を開発しています。犬でいうと、人間から見て可愛い犬小屋より、犬が求めている快適な小屋作りなどを研究中。また、環境エンリッチメント(飼育動物の福祉と健康を改善するために飼育環境に対する工夫)を考え飼育している動物園も多いが、人に慣れている動物園の動物が本当に欲しいのは自然環境とは限らず、人間からの愛情ではないか?と考えています。日本で飼育された最高齢のゾウは、井の頭自然文化園で飼育されていた“はな子さん“。決して広くはない環境で69歳まで生きました。「狭くて可哀想」という声もありましたが、ゾウは頭の良い動物でストレスも感じます。環境が悪いと感じていたら、あんなに長生きは出来ていない。“野生の動物らしく”という考えも人間のエゴで、イメージが先行しているだけではないか?“はな子さん”は、狭くても愛情を受け取れるあの環境に満足していた、と町田さんは考えます。 人間と動物が歩み寄ることが必要と考える町田さん。現在日本には、「特定危険動物」(人に危害を加える恐れのある動物)という法律がありますが、町田さんは「特定危険人間」という法律も制定して欲しいと願います。内容は、危険動物に該当する動物を飼育する場合は、しっかりとした知識を身に付けた人のみにすること。動物は人間に飼育されているという点では、人間より危険な立場にある。だからこそ、「特定危険人間」という法律も作らないと、人間と動物が平等にならないと力強く語ってくださいました。
人と動物の平和的共存を町田さんはずっと追い求めているのです。

 

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PLAYLIST
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