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EDC 営業日誌(過去のお客様)

2021年7月3日放送

Passenger

梶裕貴

本日のお客様は、梶裕貴様。
1985年東京生まれ、埼玉育ち。2004年に声優デビューされて以降、『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役、『七つの大罪』のメリオダス役、『僕のヒーローアカデミア』の轟焦凍役など人気作品のキャラクターを数多く演じられています。2013年度には史上初となる『声優アワード』主演男優賞を2年連続で受賞!本日は、人気・実力ともに日本トップ声優の梶裕貴さんと、最近共演を果たした川島ドライバーが旅に出ました。


(梶さんのTwitterより)

 

 

〜川島ドライバーと梶さん〜

お二人は、7月2日公開の『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』で共演!梶さんは、主人公のメリオダス役、弟・ゼルドリス役の二役を担当されており、川島さんはゼルドリスに仕える魔神A役を担当しています。もともと原作漫画・アニメのファンだった川島さんは出演オファーを頂いた際、“自分が参加することで作品を汚してしまうのではないか?” と悩んだそうです。ですが、漫画に出てくるキャラではない魔神A役だったこと、後輩のNON STYLE井上さんが魔神B役だったこともあり、作品との距離感(作品を邪魔しない)が丁度良いと感じ、有り難くオファーを受けたそうです。
本作では、梶さん演じるゼルドリスと川島さん演じる魔神Aのやり取りはありますが、実際の収録現場ではコロナ禍の影響で、スタジオ内に人数制限があり、別日での収録でした。そのため、事前に収録されていた梶さんのセリフを聴きながら収録を行なった川島さん。最初は梶さんの声に聞き惚れてしまい固まってしまいました。改めて自分が出演して良いのかと悩み、1行のセリフで7回もNGを出してしまいました。そんな川島さんを見て、声優さんと共演経験の多いNON STYLE井上さんは鼻で笑っていたそうですが、井上さんは10回、NGを出されたそうです。笑
そんな川島ドライバーも出演している『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』。梶さんはお一人で、共闘する二役(メリオダス役、弟・ゼルドリス役)を演じています。今作は、原作者の鈴木央さんが、アニメ『七つの大罪』のシリーズ最終章の“その先”を描き下ろした完全新作オリジナルストーリーとなっています。原作ファンの方も、初めて観る方も楽しめる作品となっていますので、皆さんも是非チェックして見てくださいね!

 

 

〜声優を目指したきっかけ〜

梶さんは夢を持つと、目標に向かって一直線に突き進む少年でした。サッカー選手に憧れた時は、学校の授業中やご自宅でも足元にサッカーボールを置いていいかお母様に尋ねたり、アニメの影響を受けた時は、コナンを観て「名探偵になる!」、るろうに剣心を観て「侍になる!」、勉強が楽しい時は、「ノーベル賞を取る!」、読書にハマった時は、「作家さんになる!」と宣言されていたそうです。目標が決まると、常にトップを見据え全力で努力を積み重ねる性格でしたが、幼さもあり2〜3日で夢が変わってしまうこともあったそうです。このままでは、何かのプロになることは出来ないだろうと考え始めた14の時、梶さんは人生を大きく変える言葉に出会います。「声優という職業は何を頑張っても、全部自分の力になって還ってくる職業だよ。」 声優の大先輩のこの言葉を知った梶さんは、様々なことに興味を持ち、全力で取り組んでいたそれまでの自分を肯定された気持ちになったと言います。


(声優を志し始めた14歳頃の梶さん)

声優を目指し始めてからは、夢が変わることは無くなったと語る梶さん。しかし、当時はまだインターネットも充実しておらず、本や雑誌などで声優への道を調べる日々でした。アニメ・声優雑誌も数えるほどしか無く、情報を得るのに苦労されたそうです。そんな中、梶さんは雑誌から声優専門の養成所があることを知ります。現在は、小学生からレッスンを受けられる養成所もありますが、当時は高校生以上が対象の養成所が多く、中学生の梶さんには通うことが出来ませんでした。その代わりに、貯めていたお小遣いやお年玉を全額使い、養成所が出しているレッスンビデオを購入。レッスンビデオで基本の発声練習や、早口言葉を練習すると同時に、ご自身で吹き替え映画のセリフを書き起こし、テレビの音声を消して、無音の映像に声を当てることで、独自のアフレコ練習をされるなど努力を重ねたそうです。目標が定まると突き進む性格の梶さんは、努力を積み重ねてトップ声優になられたのですね!

 

 

〜進撃の巨人〜

2013年、梶さんはアニメ『進撃の巨人』の主人公エレン・イェーガー役を担当されることになります。もともと原作漫画のファンだった梶さん。エレン役のオーディションのお話を聞いた際は少し驚かれたそうです。なぜなら、声を張り上げて血気盛んに戦うキャラクターを、それまであまり演じた経験が無かったため。今では、エレン・イェーガーは梶さんの声でしか考えられませんが、梶さんは当初、自分が演じられるチャンスがあるとすれば、エレンの親友・アルミン役かもしれないなと思っていたそうです。(※様々なパターンはありますが、声優さんのオーディションは、先方から指定された役のオーディションを受けることが多いそうです。) また、『進撃の巨人』の監督は、その数年前にも『ギルティクラウン』という作品で梶さんを主役に抜擢。2作連続で同じチームと同じ主役が制作することは、業界のルールや世間の印象的に、難しいのかな?もし良い芝居だったとしても選ばれづらいかな?と、梶さんは少し不安を抱いていたそうです。そんな時、たまたま違う現場で、その監督さんとトイレでばったり会います。梶さんは、「今度のオーディション、2作連続になると選びづらい部分もあるかもしれませんが、とにかく全力で参加させて頂きます。」とお伝えしたところ、監督から「本当に良かったならば、世間の印象やつまらないルールで、その役者を選ばないなんてことは無いです。梶さんがエレンに相応しい演技をした際には選ばせて頂きます。」と梶さんの不安を一蹴する返事をくださいました。その後、実力で主役を勝ち取った梶さん。自分を選んでくれた監督を後悔させない為にも、より良い演技をしようと心がけました。しかし、エレン・イェーガーは叫んで戦うことが多い役。それまで、このようなキャラクターをあまり演じてこなかった梶さんにとっては喉への負担も大きい役でした。声優さんの1日の基本スケジュールは、10〜15時で1作品、16〜21時で別の作品、空いている時間でラジオやナレーションのお仕事。『進撃の巨人』は朝からの収録が多く、エレンを全力で演じた後、午後には幼く可愛らしい声のキャラを演じることもあり、喉を枯らして次の現場に支障をきたさないために、収録の合間に喉のケアの病院を予約されていたそうです!ただならぬ努力とプロ意識を持つ梶さん。トップ声優の凄さが分かるこのエピソードには、川島ドライバーも感嘆されていました。梶さんは、近年では喉を壊すことも少なくなり、役の幅も広がったそうです。

 

 


(梶さんが撮影されたアンコール・ワット)

〜思い出の場所〜カンボジア〜

国内・国外問わず旅行が大好きな梶さん。
声優として多忙な日々を過ごされていましたが、2014〜15年頃、運良く4連休を取ることができました。貴重な4連休、職業柄、周りの方と休みが合わないため1人で海外に!選んだ場所は、学生の頃に教科書や資料集で見た“世界遺産アンコール・ワット”があるカンボジアでした。現地では、ガイドさんと共に早朝からアンコール・ワットへ向かい、日の出とともにアンコール・ワットを見たり、山の上の寺院を訪れたり、現地の料理を食べたり、カンボジアを満喫していた梶さん。すると仲良くなったガイドさんから「クラブに行ってみませんか?」とお誘いを受けます。梶さんは、日本でもクラブで踊るという経験が無かったそうですが、こういう機会がないと一生行くことも無いかなと思い、行ってみることに!人生初のクラブがカンボジア!ガイドさんに勧められて、お立ち台で踊ってみることにした梶さんでしたが、踊っている最中に体の大きなお客さんにぶつかられ、飲み物をこぼされ大変なことに。その場では「大丈夫だよ!」とクールに対応したそうですが、色々なショックで直ぐにその場を立ち去ったそうです。笑

 

 

〜梶裕貴さんのエウレカ〜

梶さんの人生で見つけたエウレカ(発見)は、“経験って大事だな”ということ。「身をもって経験しないと、難しさや楽しさは見つからない。やらないで後悔するのは嫌だから、得意・不得意はあるけど、挑戦して感じることが大事」と語ってくださいました。
そして今後挑戦したいことは、年相応の役を幅広く演じること。また、吹き替え映画で、 “エディー・マーフィーといえば山寺宏一さん!”というように、“この俳優の吹き替えは梶裕貴!” と認知されるような役を演じること。梶さんなら近い将来、叶えてくれそうな夢ですね!

 

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PLAYLIST
  • 「紅蓮の弓矢」
    Linked Horizon
  • 「その先の光へ」
    岡野昭仁
  • 「sense of wonder」
    梶裕貴
  • 「フィクション」
    sumika
  • 「永遠のAria」
    雨宮天