PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2021年8月14日放送

Passenger

Bose

本日のお客様は、スチャダラパーのBose様。 1969年、岡山県出身のヒップホップMC。1988年にANIさん、SHINCOさんと『スチャダラパー』を結成され、1990年デビュー。1994年には、小沢健二さんとのコラボ曲『今夜はブギー・バック』が大ヒット!昨年デビュー30周年を迎えた、日本ヒップホップ界のパイオニアです。そして、お笑いも大好きなBoseさんは、川島ドライバーとも10年以上の付き合いがあるそうです!

 

 

〜Boseさんと川島さんの関係〜

Boseさんと川島さんの初めての出会いは2008年。小籔千豊さんが主催の、音楽とお笑いの融合フェス「コヤブソニック」で共演したのがきっかけでした。Boseさんは小籔さんから、麒麟の二人がスチャダラパーのファンであることを聞いており、またBoseさんも麒麟の活躍をテレビで見ていました。M-1で麒麟を初めて観た時は、“グループとして属するなら僕ら側の人間。太陽では なく月だな”と、川島さんに対して親近感を持っていたそうです。その後、ゲームが趣味など、共通点の多かったお二人は、ご飯に行くなどして仲を深めていきました。もともとスチャダラパーの大ファンだった川島さんにとっては、Boseさんに会う事自体が夢のような出来事でしたが、さらに思い出深いのは、Boseさんが家に遊びに来たこと!当時はまだBoseさんも川島さんも独身時代。川島さんが自宅でネゴシックスさんなど後輩数人とゲームをしていると、Boseさんから連絡があり、急遽、家に来る流れに!“一緒にゲームしようよ!”という軽いノリのBoseさんに対し、憧れの人が家に来るという展開に戸惑いが隠せない川島さん!そして、インターホンが鳴り、マンションのモニターにBoseさんが映ると、「Boseや!本当にBoseさん来てる!」と改めて驚いたそうです。ちなみにその日にやったゲームは「リズム天国」(音楽のリズムに合わせてボタンを押すゲーム)。本職のラッパーの方と一緒にリズムゲームなんて失礼に当たらないか?と川島さんは不安だったそうですが、Boseさんは率先してプレイ!意外と苦戦されたそうです。笑


(川島さん宅で「リズム天国」に苦戦するBoseさん)

また、Boseさんの懐の広さを感じるエピソードも。自宅を訪れた際、川島さんが飼っているボストンテリアの「松風」と初対面したBoseさん。遊んでいる流れで、松風に顔を2分間ほど舐められ続けたそうですが、Boseさんは嫌がるどころか一度も避けず口で受け止め続けたそうです。笑 実はBoseさんは以前にフレンチブルドックを飼っていたこともあり、鼻の高くない犬種には無類の愛を注ぐことが出来るそうです。


(川島さんの愛犬「松風」に顔を舐められるBoseさん)

昨年、デビュー30周年を迎えた「スチャダラパー」さん。結成時は、“メイン路線よりもおもしろ路線“で活動しようと思っていたそうです。今のお笑いで例えると、“王道の漫才のレールとは違う、レイザーラモンRGさんのようなトリッキーなネタの面白さ”という感覚で活動されていました。しかし、日本のヒップホップシーンはまだ黎明期。王道のレールを走っている人がそもそもおらず、スチャダラパーの活動=ヒップホップの王道という認識が世間では拡まっていき、図らずも日本のヒップホップ界の中心に位置する形になっていきました。また、世代としては吉本印天然素材の方々と同世代で、大阪でライブをする時には「ナインティナイン」さんや「バッファロー吾郎」さんなどとコラボするなど、昔からお笑い芸人の方々との親交もあったそうです。その繋がりはスチャダラパーさんの活動の幅を広げるきっかけにもなりました。

 

 

〜名曲誕生〜

1994年に小沢健二さんとの共作で「今夜はブギー・バック」をリリースされます。この名曲が誕生した経緯は、レコード会社から誰かと共作で曲を作ってみないか?と打診されたことがきっかけ。知り合いのミュージシャン以外と共作するのは難しいと考えていたBoseさん。その当時、音楽業界の友達と言えば、「東京スカパラダイスオーケストラ」さんか「小沢健二」さんくらいしかいなかったそうです。そこでフリッパーズ・ギターを解散したタイミングだった小沢さんに声を掛け、コラボ企画が進み始めました。小沢さんとは昔から一緒にレコードを買いに行ったり、家でダラダラしながらレコードを聴き、曲の感想を言い合ったりしていたそうです。元々遊びでやっていたことの延長のような形で、曲は仕上がっていき、試行錯誤はありつつも「今夜はブギー・バック」が誕生したのでした。発表後、爆発的にヒットしますが、ご本人達にとっては、ヒットを狙って作った曲では無かったそうです。コンセプトは、「なんか変なコラボ曲あったよね〜」と言われるような、記録に残らなくても記憶に残るような曲。「ラッパーがラッパーの歌いそうなことを“なんちゃってね”という感覚で歌う」、つまり、面白おかしい曲として作った曲でした。しかし、ご本人達の意図とは裏腹に、世間からは“これが日本のヒップホップだ!これが東京のクラブシーンだ!” と真っ正面から受け止められたのでした。大ヒット後に地方に遊びに行くと、周りの人が自然とこの曲を歌っている姿を見て、反響の大きさに改めて驚いたそうです。


(活動初期のスチャダラパーさん。中央:Boseさん)

 

 

〜スチャダラパーの仲の良さ〜

長年活動を共にするスチャダラパー3人の仲の良さの秘訣もお聞きしました。
第一に、ANIさんとSHINCOさんが実の兄弟であること。Boseさんは、松本ブラザーズ(ANIさんとSHINCOさん)+Boseという感覚で、家族に入れてもらっているという気持ちがあるから、良い関係が続く1つの要因ではないかと捉えています。また、常に若々しい御三方に対して、ファンである川島さんは、「良い意味で、歳を重ねているが老けない。僕が歳をとってもBoseさんはBoseさんのままでずっといる。まるでサンリオキャラクターのよう!“ゴロピカドン”みたい」と語りました。Boseさんが、3人組という点で意識しているのは、大竹まことさん・きたろうさん・斉木しげるさんによるコントユニット「シティボーイズ」さん。元々、シティボーイズさんのお笑いが大好きで、ずっと変わらない姿を魅せる点においても憧れがあるそうです。そしてもう1組、歳を重ねてから、改めてすごいと感じた3人組が「THE ALFEE」さん!実際、坂崎さんに会ったときにお話を聞いたところ、3人の役割分担がスチャダラパーと一緒だったそうです。THE ALFEEさんの役割分担は、おもに曲を作るのが高見沢さん。ラジオやテレビ番組で喋る広報担当が坂崎さん。そして桜井さんに関しては、普段は休んでいて良いそうで、「ライブがある日は来てね」と伝えているそうです。笑
この関係性はスチャダラパーさんにも当てはまり、良い曲を作り上げるSHINCOさん。広報として喋るBoseさん。そしてANIさんはライブにさえ来てくれればよく、普段は自由にやりたいことをやっていてOKという役回り。そんな、ANIさんが現在ハマっていることはスタンプ集め!スタンプ用のノートも持っており、全国の観光地や商店街、駅などにあるスタンプ(ジャンルは問わず)を全て集めたいと意気込んでいるそうです!笑
それぞれのグループになくてはならない存在のANIさんと桜井さん。長年活動をされている3人組アーティスト同士には意外な共通点がありました。


(左から:SHINCOさん、Boseさん、ANIさん)

 

 

〜思い出の場所-代々木上原-〜

Boseさんの思い出の場所は、代々木上原にあった「TOKYO NO.1 SOULSET」の川辺ヒロシさんの家。若い頃、クラブで遊んだ後に川辺さんの家でビデオを見たり、最近買ったレコードの話、当時放送していた「ダウンタウンのごっつええ感じ」の話などをされていた青春の場所。スチャダラパーは、今でもその遊びの延長上にいる感覚があるそうで、やりたいこと・楽しいことを仕事にするスタンスは、川辺さん家での経験が礎にあったのでした。川島さんにとってBoseさんは、近所のいいお兄ちゃん的な存在で、キャリアを重ねても偉そうな態度を取らない人。ラッパーは“怖い”というイメージもありますが、それを覆してくれた人。Boseさんは年下の人でも、ご自分と似たような雰囲気をまとう人には常に興味があるそうで、今年は、若手ロックバンド「never young beach」とコラボ曲を発表されました。キャリアもジャンルも違う二組。だけどなぜか似たもの同士!スチャダラパーさんらしいコラボとなっています。皆さん是非チェックしてみてくださいね!

 

 

〜田村問題=ANI問題!?〜

今回のドライブで、Boseさんは是非とも川島さんと話したいテーマがありました。それは川島さんの相方・田村裕さんの今後の扱い方・付き合い方について・・・Boseさん曰く、「田村問題」!NBAがお好きなBoseさんは、バスケットボール大好き芸人として活動している田村さんとお仕事で一緒になる機会も多く、その都度、田村さんに「最近どうしているの?」と聞くと、「バスケしてます!」としか答えが返ってこないそうです・・・。この田村問題について、川島さんはどう思っているか、Boseさんは気になっていました。この経緯について川島さんは、「麒麟」の過去を踏まえて説明。かつて麒麟は田村さんの小説「ホームレス中学生」が大ヒットして、田村さんがピンで売れます。その後、川島さんは深夜番組や「R-1」に出て、ピンの仕事が増えていきます。徐々にコンビ格差が逆転したことで、次はコンビとして売れることを考え始めた川島さん。先輩芸人の「メッセンシャー」黒田さんに相談したところ、「俺らも同じ時期があった。相方に直接“売れろよ!”と言っても喧嘩になるだけ。だからこそ自分がトップになるまでピンで売れ切ることが大事。そしたら相方に火が付いて、気付いたら舞台の隣に居た。」という経験談を交えたアドバイスを頂きました。このカッコいいエピソードを聞いた川島さんは、どんな仕事も断らずにピンで頑張り続けたそうです。そしてTBSの朝の顔にまでなった川島さんは黒田さんの話を思い出し、パッと横を見たら・・・田村さんは体育館でドリブルをしていたそうです。笑 聞いていた話と違う・・・と思った川島さんですが、BoseさんとANIさんの関係のように、呼んだら来てくれるくらいの関係で良いと、考えるようになったのでした。ちなみに田村さんは、Boseさんも認めるほど、バスケットボールのリバウンドがどんどん上手くなっているそうです。笑


(スチャダラパーさんと川島さん、中央上:ネゴシックスさん、左上:サルゴリラの赤羽さん)

 

 

〜Boseさんのエウレカ!(気付き)〜

Boseさんが長年の音楽キャリアの中で気づいたことは、「すごく楽しんでいるつもりでも、すごくストレスを感じている」ということ。一切ストレスがなく、リラックスし過ぎた状態でのステージは、あまり良いパフォーマンスが出ないそうで、楽しい気持ちとストレスが共存しているギリギリの状態の方が良いパフォーマンスに繋がることが多いそうです。ただ気を付けないといけない事は、ストレスの度合いを見失うと体を壊してしまう危険があること。自分にストレスがかかっていることを把握しながら、物事に取り組むことが大事だそうです。Boseさんほどのキャリアであれば、楽しいことだけをやっていても良いと思われそうですが、苦労して生み出したものでなければ、お客さんの心に刺さるものは残せない、というプロ意識がそこにはありました。 今後も、誰かに「やめて下さい!」と言われない限り、スチャダラパーをやめることはないと宣言してくださったBoseさん。笑 デビュー30年を超えたスチャダラパーさんの活躍に、さらに期待してしまいますね!

 

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PLAYLIST
  • 「サマージャム'95」
    スチャダラパー
  • 「ミクロボーイとマクロガール」
    スチャダラパーとEGO-WRAPPIN'
  • 「今夜はブギー・バック (smooth rap)」
    スチャダラパー feat. 小沢健二
  • 「ネバやんとスチャやん」
    スチャとネバヤン
  • 「Hey! Hey! Alright」
    スチャダラパー+木村カエラ
  • 「サマージャム2020」
    スチャダラパー