PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2021年9月11日放送

Passenger

コロッケ

本日のお客様は、コロッケ様。
1960年、熊本県出身。1980年にNTV『お笑いスター誕生!!』でテレビデビュー。1987年、フジテレビ『ものまね王座決定戦』で優勝後、清水アキラさん・栗田貫一さん・ビジーフォーさんとともに「ものまね四天王」の1人として、ものまねブームの中心的存在となります。現在の、ものまねレパートリーは300種類以上!ロボットバージョンやヒップホップダンスとの融合、落語を取り入れた「ものまね楽語」、さらにはオペラやオーケストラとのコラボなど、エンターテイナーとして常に新境地を開拓しておられます。2014年に文化庁長官表彰を受賞。さらに、2016年には「ものまねタレントの代名詞的な存在になり、唯一の特徴をデフォルメする独特のパフォーマンスはピカソの領域にまで達した」として日本芸能大賞を受賞された、ものまね界のレジェンドです!

 

 

〜コロッケ専門店「コロッケのころっ家」〜

コロッケさんは、今年2月にコロッケ専門店「コロッケのころっ家」を東京・新小岩にオープンされました。芸名からすると以前からやっていらっしゃいそうですが、コロッケ屋さんを始めたのは意外にも今年から!
後輩の方がものまねを披露する場所として「CROKET MIMIC TOKYO」というエンターテインメントハウスを運営されていますが、コロナ禍で普段通りに営業が出来ないこともあり、新たな試みとして始められたそうです。8月末には2号店となる板橋区の大山駅前店もオープン!お近くの方は是非テイクアウトしてみてくださいね!


(「コロッケのころっ家」 店頭にはインパクトのある目印が!)

コロナ禍でのコロッケさんの近況も伺いました。お仕事の9割は地方でのコンサートや舞台だったため、200本以上がキャンセルに・・・。それまでは、老若男女、家族全員でいらっしゃるお客さんが多かったコロッケさんのステージ。2時間ほどの公演の中で、50人ほどのレパートリーを披露されるそうです。テレビに出演するより、地方営業の方がお金も良いと、思わず笑いながら答えてくださいましたが・・・コロッケさんのものまね、生で早く観に行きたいですね!

 

 

〜ものまね界のレジェンドへ〜

コロッケさんは、地元・熊本県の夜の街で、「瀧ちゃん」(本名:瀧川広志)と言えば、知らない人がいないほどの有名人でした。当時のものまね界は、ご本人とそっくりな芸が求められる時代でしたが、コロッケさんはすでに熊本で誇張ものまねを得意とされていました。
影響を受けたのは、「な〜んでかフラメンコ」で有名な堺すすむさん。堺さんは「こんばんは、森進一です。」という今では大定番のものまねを作った方で、誇張ものまねの生みの親となりました。コロッケさん曰く、“ふざけたものまね“をしている人は堺さんの影響を受けているそうです。
そんな誇張ものまねを武器に憧れだった東京へ進出したコロッケさん。初めて出演したテレビ番組は『お笑いスター誕生!!』。同時期に、とんねるずさん(当時は、貴明&憲武)やイッセー尾形さんも出演されていました。
当時、カーリーヘアーで化粧をしていたコロッケさん。特徴的な姿だったこともあり、楽屋でちょっと浮いていたそうですが・・・とんねるずの石橋さんだけが近寄ってきました。顔をジーッと見ながら「オカマ?」と声を掛けてきたそうです。笑


(デビュー当時のコロッケさん)

『お笑いスター誕生!!』出演後、とんねるずさんやイッセー尾形さんが売れ始めたことで、コロッケさんは焦りを感じ、どうすれば良いのか悩んでいたそうですが、夜の店で働きながら、コツコツとものまねの練習を続けました。その後、『ものまね王座決定戦』に出演。しかし最初は1回戦で脱落。披露したのは、田原俊彦さんの「騎士道」を、“顔・ちあきなおみ 声・小林旭 フリ・田原俊彦”で行うネタ。笑
まだ、ものまねがテレビで流行っていない時代、斬新すぎた為か、プロデューサーからは「分からねーよ!」と言われてしまったそうです・・・。コロッケさんが、ものまねの1回戦で落ちたことがあったとは驚きですね!


(デビュー当時、ネタを披露されているコロッケさん)

その後、ものまね界はやりすぎる程(本人を超えていく!?)の、誇張ものまねが受け入れられ始めます。それを牽引されたのがコロッケさんと清水アキラさん。“松山千春さんの頭がパカパカ開く“など、怒られてしまうような芸を連発されていたのでした。笑
ちなみにコロッケさんは、後輩の方々に「似ているのは3割でいい。7割は別の生き物にしようよ」とアドバイスされているそうです。

 

 

〜ものまね四天王〜

苦労も経験したコロッケさんですが、1987年 『ものまね王座決定戦』で優勝後、一躍人気者に!清水アキラさん・栗田貫一さん・ビジーフォーさん(グッチ裕三・モト冬樹)とともに“ものまね四天王”として活躍されます。当時の番組視聴率は30%を超えていました!そんな人気絶頂期の最中、1992年にコロッケさんは自ら番組を降板されます。
理由は、「やりたいことが出来なくなったから。」
番組から求められたネタの時間は1分。しかし、ご自身が納得するネタをするためには、3〜5分が必要でした。また、当時を振り返り、「ぬるま湯だなと感じた。ものまね四天王として良い扱いを受けてはいるが、このままでは2〜3年後にはブームも無くなると思った。」と語られます。
この時、32歳のコロッケさんがこのように冷静な分析が出来たのには、常日頃から持っていたある考えが関係していました。それは、“仕事が多い時はヤバいと思うこと。そして、ブームを終わらせないために次に何が出来るか考えること。” コロッケさん曰く、ものまねは飽きられるのが早い芸であり、3回同じものまねをすると、「次はないの?」と言われてしまうことが多いそうです。芸能界の中で一番消費が早い芸と考えているため、常に先を見据えていました。
コロッケさんが降板を口にした時、“ものまね四天王”の皆さん含め、周りの人からは、考え直すよう説得されました。最後まで引き留めてくださったのはグッチ裕三さん。今では笑い話になっているそうですが、説得するグッチ裕三さんに対してコロッケさんは、「もう船は出たのよ」と告げました。荒波にあえて自分から漁に出る船はもう出た(=すでに決意は固まっている)という、この言葉を聞いたグッチ裕三さんは、もう何を言っても無駄だなと思い、説得を諦めたそうです。コロッケさんが辞めたことで、当時世間からは“ものまね四天王”の不仲説が囁かれましたが、共に戦った戦友として、何でも言い合える関係であり、今でも電話で話すことがあるそうです!


(五木ひろしさんのものまね)

その後、納得のいく環境でものまねをさせてくれる場を探したコロッケさん。舞台をやりながら、最終的には日本テレビで『史上最高そっくり大賞』(後の『ものまねバトル』)を立ち上げました。そして、そこで生まれたのが「五木ロボット」(五木ひろしさんがロボットだったらというネタ)。思いついたキッカケは、映画『ロボコップ』。ロボコップの中身が知っている有名人だったら面白いな〜と思っていた時、コロッケさんの頭の中に突然浮かんだのが五木ひろしさんでした!笑 その後、ロボコップの続編を見るたびに、五木さんが悪者を成敗していく姿にしか見えなかったそうです。笑
とにかく一度思いついたら止められないコロッケさん。美川憲一さんについては、「あ〜ん」と言ったり、マイクを舐めたりと、勝手に美川さん像を作り上げました。ものまねされた当時の心境を、美川さんに直接確認したところ、「チャンスだと思ったのよ〜」と言われたそうです。その言葉通り、美川さんはコロッケさんのネタをきっかけに再ブレイクを果たします。今ではよく見る光景ですが、ものまね番組で、ご本人登場というパターンが初めて行われたのは、コロッケさんと美川さん。ものまねをするコロッケさんの後ろから美川さんが登場し、登場後はアドリブでの掛け合い。美川さんはあえてご自身の顔のコロッケさんの顔マネに寄せたり、コロッケさんをお尻で突き飛ばすなど、バラエティへの対応力も凄かったそうです。川島さんも視聴者として当時を振り返り、「コロッケさんがものまねするまで美川さんの唇はあんなに曲がってなかった!」「喋り方も少し変わった気がする!」 と指摘されていました。笑


(美川憲一さんのものまね)

 

 

〜ご本人との関係〜

コロッケさんが思い出に残っているのは、演歌界の大御所・北島三郎さんに言われた言葉。北島さんの座長公演の舞台を観覧後、楽屋挨拶に行ったコロッケさん。「勉強させて頂きました。」と伝えたところ、「コロッケちゃんは、俺のものまねとかやって良いんだよ。」って言われたそうです。怒られるのが怖かったコロッケさんは、なるべく北島さんにバレないように(笑)行動していたため、その言葉を聞いて驚いたそうです。北島さんは続けて、「俺たちは歌手だけど、コロッケちゃんはものまねを仕事にしているんだから、やって良いんだよ。そのお陰で俺のことを知ってくれる人もいるから」とおっしゃってくださいました。北島さんの懐の深さに感銘を受けたコロッケさん。怒られてもおかしくないものまねをしていたのに受け入れてくれた北島さんに対して、“絶対に変なものまねをしない”と心に誓いました。ですが、次の日にはいつもと変わらない芸を披露されていたそうです。笑
北島さんのように上手く歌うことは不可能であり、他の歌手の方々も含め、ご本人みたいに上手く歌おうと思ったことは一度もないそうです。“オリジナルと違うからこそオリジナルになる“と語られるコロッケさん。コピーではなく、1つの芸としてオリジナルを極めるコロッケさんだからこそ、真似された方々も笑って観ていられるのですね。
ただ、やりすぎてファンの方に怒られたことはあるそうで・・・当時、トップアイドルとして人気絶頂だった頃の田原俊彦さんのものまねをされていたコロッケさん。“ヘラヘラしながらスケボーに乗り、壁にぶつかって倒れる”“歌をズラして歌う”などしていたら、ファンの方から、「トシちゃん、そんなマヌケじゃないもん!」と泣きながら怒られたことがあったそうです。


(長渕剛さんのものまね)

なかでも怖かったのは、長渕剛さんのファン。“名曲「とんぼ」をステージで歌っている最中に友達を見つけた長渕さん”というネタを、以前テレビで披露されたそうです。すると後日、街中でファンの方に声を掛けられます。「最近、剛のマネされてますよね?」
この「剛」と呼んでいることに対して、熱烈なファンだと気付いたコロッケさんは、ヤバい!と思い、軽く流して逃げようと思いましたが、次の瞬間に顔を近づけられ、「やる必要あるんですかね?」と問い詰められたそうです。笑 ですが、コロッケさんも長渕さんの大ファンの1人。その後、30分ほど2人で長渕さんの話や、隠れた名曲について語ると、相手の方もコロッケさんが長渕さんのファンだということが分かり、少し空気は穏やかに。ですが、「とんぼ」で人生を変えることが出来たと語るファンにコロッケさんは謝ることしかできませんでした・・・。また最近では、コロッケさんのものまねで長渕さんを知った若い世代も増えてきたそうで・・・“責任は感じるが、責任の取りようがない・・・”とコロッケさんも悩んでいました。笑
さらにもう1組、最近ファンの方から「やる必要あるんですか?」とツッコまれたものまねが、BTSのテテさん!しかし、大ヒット曲「Dynamite」を「サムゲタン」という替え歌で披露したところ大ウケだったそうです。

 

 

〜今後の夢〜

コロッケさんは最近、プロデュース業にも力を入れていて、地元・熊本県の良さを日本と世界に広めるPR動画の演出プロデュースをされているそうです!もちろん、プレイヤーとしての活動も行なっており、今年10月に明治座で行われる『令和千本桜〜義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ 2021』では、座長としてご出演されます。

芸能生活40周年を迎えたコロッケさんと、元宝塚歌劇団星組スター・七海ひろきさんがお贈りする究極のエンターテインメントです。もちろん、ものまねショーもあります!舞台とものまねの二部公演!
詳しくはHPをご確認ください!
令和千本桜〜義経と弁慶

旅も終盤。コロッケさんがこれまで大事にされてきたことについてもお伺いしました。
コロッケさんが大事にしていることは、“持続・継続”。ご自身のなかで3原則があるそうで、『気付くか、気付かないか。やるか、やらないか。出来るか、出来ないか。』 営業マンが多い講演会でお話する際には、このように伝えているそうです。
「挨拶の時は、頭を90度までしっかり下げましょう。まず、これをする意図を、“気付くか、気付かないか” 最初はかしこまりすぎた印象になりますが、1年続けることが大事。それが“やるか、やらないか” 1年続けると、この人はいつも綺麗な挨拶をしてくださるという印象に変わる。そして、これを当たり前の習慣として“出来るか、出来ないか” 癖づくほどに続けることが出来ると、自分の見られ方が変わってくる」
まず始まりは、“気付くか、気付かないか” さまざまなことにアンテナを伸ばすことが一番大事。気付かないと何も始まらない、と教えてくださいました。 そんなコロッケさんが最近発見した気付きは、武田鉄矢さんに次ぐ、ものまねの“ソフト”は、えなりかずきさんだということ!笑
老若男女、誰もが声と顔を知っている人であり、かつ、ものまねをしても誰からも怒られない人だそうです。笑
現在、ご自身のYouTubeチャンネル『コロコロコロッケTV』では様々なシチュエーションのえなりさんを見ることが出来ます!
また、エヴァンゲリオンとトトロの発声が一緒ということにも気付いたコロッケさん。音の高さが違うだけで、発声は一緒だそうです!ちなみに、コロッケさんの公演では、森進一さんでエヴァンゲリオンを行う、“モリゲリオン”やっているそうです。笑
昨今のものまね業界は、ご本人そっくりに歌う、上手いものまねが主流となりつつある時代。そんな中、コロッケイズムを継承しているのはハリウッドザコシショウさん?という川島さんからの問いかけに、コロッケさんはご自身や、清水アキラさんと同じ匂いを感じていると回答されました。誇張するからには、面白くないとダメ!と最後に語ってくださったコロッケさん。芸人としての心構えも、やはりレジェンドですね!

 

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PLAYLIST
  • 「シンデレラ・ハネムーン」
    岩崎宏美
  • 「騎士道」
    田原俊彦
  • 「さそり座の女」
    美川憲一
  • 「Dynamite」
    BTS
  • 「襟裳岬」
    森進一
  • 「Butterfly」
    倖田來未