PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2022年4月30日放送

Passenger

カジヒデキ

本日のお客様は、カジヒデキ様。
1967年、千葉県出身。1986年、ゴスバンド、Neurotic Dollにベーシストとして加入し、本格的に音楽活動をスタート。1989年、ネオアコースティック・バンド、BRIDGEを結成。バンド解散後、1996年に“カジヒデキ”名義でソロデビューし、「ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~」など数々の名曲を生み出し、90年代の“渋谷系”を牽引。2008年には映画「デトロイト・メタル・シティ」の音楽を担当し、主題歌「甘い恋人」がスマッシュヒット。現在、ソロデビュー25周年イヤー中!4月13日に、新曲「APRIL FOOL」を配信リリースされました。

 

 

〜川島さんとの関係〜

ソロ活動25周年を迎えたカジヒデキさん。中学・高校時代に“渋谷系”の音楽にどハマりしていた川島さんにとって、カジさんは憧れのミュージシャン。シングルからアルバムまで全て購入し、ヘビーローテションしていたそうです。
小籔千豊さんが主催するフェス『コヤブソニック』で度々共演しているお二人。小藪さんも含め、聴いてきた音楽は三人とも一緒で、フリッパーズ・ギター、小沢健二、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ、オリジナル・ラヴ、カヒミ・カリィさんなどの“渋谷系”。カジさんも“BRIDGE”というバンド時代から、ソロ名義“カジヒデキ”としても渋谷系シーンを沸かせてきました。
現在、ピチカート・ファイヴの野宮真貴さんとはラジオ番組『渋谷のラジオの渋谷系』で共演。実は過去に、この番組で、川島さんが渋谷系のファンだということにも触れてくださっていました。この放送を聞いていた川島さんは、「盗聴しているのがバレた気になり・・・眠れなかったですよ!笑」と、憧れの野宮さんとカジさんにご自身の存在を認められたことがとても嬉しかったと言います。これに対してカジさんは、「僕らにとって川島さんは、“渋谷系の人”っていう認識があるので、みんな応援しています!」と改めてエールを送りました。
また、カジさんに90年代の渋谷について改めて伺うと、「渋谷のレコード屋でバイトをしていた時期でもあり、エネルギーを直接肌で感じていた。レコード屋も多く、ライブイベントもたくさんあり、毎日ワクワクすることが溢れていた。」と当時を回想。音楽以外にも、90年代の渋谷は、女子高生を中心にブームを起こしたコギャル文化など、様々な若者カルチャーが混ざり合い、盛り上がりをみせていました。

 

 


(ポジティブパンク(ゴス)青年だったカジさん!)

〜音楽の道へ〜

カジさんは、中学時代は、イエロー・マジック・オーケストラや大滝詠一さんなど、ポップスやニューウェーブの音楽を好んで聴いていたそうですが、高校時代からポジティブパンク(ゴス)に目覚めます。顔を白塗りにされ、ダークな見た目に!(※上の写真)19歳の頃、憧れのゴスバンド・Neurotic Doll(ニウロティック・ドール)にベーシストとして加入されます。
しかし、加入直後に心境の変化が・・・・・なんと、いきなりパンクへの気持ちが冷めてしまったのです!「一番辿り着きたい世界に入ってみたら、意外と普通の世界だった・・・!笑 “もっとポップな感じの方が良いんじゃないか?”と、思い始めてしまった。」と振り返ります。そこからはすぐに白塗りを落とし、ポップ路線へ!ですが、音楽としてパンクを否定している訳ではなく、むしろ根底にある想いは変わらないと言います。“ネオアコースティック”に分類される、カジさんやフリッパーズ・ギターが奏でるサウンドはポップで爽やかですが、もともとパンクの影響を受けて生まれた音楽。表現方法に違いはありますが、反骨精神を持っているという、根っこの部分は共通しているそうです。


(BRIDGE時代)

1989年にネオアコースティック・バンド『BRIDGE』を結成。2枚のアルバムをリリースされますが、1995年に解散。その後、ソロ活動をスタートされますが、バンドからいきなりソロになった当時は、楽曲制作に苦戦されていたそうです。
そんな時、あるCM音楽の依頼が舞い込みます。それは、広末涼子さんがブレイクするキッカケとなった“NTTドコモのポケベル”のCMでした!この音楽が評判となり、カジさんはソロデビュー前からCM音楽の依頼をいくつも受けることになります。その後、「MUSCAT E.P.」で満を持してソロデビューを果たします。


(ソロデビューされた頃のカジさん)

 

 

〜ハマっていること〜

最近、持ち運び可能なCDラジカセを購入されたというカジさん。近年は、レコードブームに続きカセットテープブームも起こっており、最新の機器も発売されているそうです。所有されている昔のテープには、ご自身で収録された過去のデモ音源などもあり、今、聴き返すととても新鮮に感じるそうです。デモ音源には、風の音や犬の鳴き声なども入っていて、その時の空気を感じられるのが良いポイントだと語られます。
川島さんもカセットテープを聴いていた時代も思い出し、「良いですね。自分で選曲して、それこそ渋谷系のカセットテープ作ったな〜!渋谷系はハイポジとかメタルとか良いカセットで録音していました。嘉門達夫さんの“替え歌メドレー”はノーマルで録っていました。笑」と、懐かしそうに話していました。


(幼少期のカジさん。この時から短パンスタイル!)

 

 

〜思い出の場所〜

カジさんの思い出の地は、スウェーデン。過去に、何十回も訪れているそうですが、特に思い出深いのがマルメ市にある「タンバリンスタジオ」。タンバリンスタジオは、スウェーデンの人気バンド“Eggstone”や“The Cardigans”がレコーディングを行なっていた、スウェディッシュ・ポップの聖地。
カジさんが初めて訪れたのは、ソロデビュー前の1995年。『米国音楽』という雑誌が企画した『カジくんと行くスウェディッシュ・ポップ・ブリーズ・ツアー』という、タンバリンスタジオを見学するツアーがありました。ツアー参加者は20人ほどでしたが、スタジオに到着すると、バンドメンバーや音楽関係者が200人ほど集まり、歓迎パーティーを開いてくれたそうです!さらには、“Eggstone”と“The Cardigans”が生演奏を披露してくれたのだとか!その時の温かい雰囲気と、スウェーデンの方々の優しさに一瞬で心を奪われたカジさん。その後、毎年のようにスウェーデンに訪れるようになり、ソロの1ST〜3rd アルバム「MINI SKIRT」「TEA」「15 ANGRY MEN」は、主にタンバリンスタジオで収録を行いました。
また、スウェーデンには、アートや家具、雑貨で可愛らしいものがたくさんあります。代表的なブランドで言えば「IKEA」。カジさんがスウェーデンに通い始めた頃はまだ日本に進出していなかったため、レコーディングの合間にIKEAに駆け込み、買い物を楽しんだそうです。あまりにも楽しみすぎて、帰りの飛行機では荷物が40kg以上になり、超過料金を払うこともあったのだとか・・・!笑


(タンバリンスタジオでのお写真)

スウェーデン特有の“フィーカ”という文化についても教えてくださいました。フィーカとは、集中して仕事を行うために、こまめに休憩時間を取り、コーヒーを飲みながら甘いパンを食べ、無駄話をして気分をリセットさせる習慣。レコーディングに行かれた際、この文化に初めて触れたカジさんは、当初、“スタッフがやたら休憩するな・・・”と困惑!声や演奏の調子も上がり始め、“良い収録が出来る!”と思った矢先に、スタッフが休憩に入ってしまうことも・・・笑 「結果的に、いい収録が出来たので良かった。」と語るカジさんは、このようなスウェーデンの文化が自分自身に大きな影響を与えているとおっしゃいます。
1995年に初めて訪れたスウェーデンの初夏は、全てが新鮮で、エウレカ(発見・気付き)の連続だったと振り返りました。ちなみに「フィーカ」というこまめに休みを取る文化は、現在日本でも注目され始めているのだとか!
また、今回のドライブの最後に川島さんから「お互いに好きな曲をかけ合って、途中でコーヒーと甘いパンで休憩しながら進行する『フィーカ』というラジオ特番を2人でやりたいですね!」と提案!お二人のラジオ特番、是非実現させたいですね!
※今回のドライブではお二人が選曲した曲もたっぷりオンエア。詳しくは最後に記載します!

 

 

 

〜新曲「APRIL FOOL」〜

カジさんは、今月13日に新曲「APRIL FOOL」を配信リリースされました。「エイプリルフールは1日しかないが、楽しい日だと思う。みんなが楽しもうという感じが可愛い。また、優しい嘘は、人生を幸せにしてくれることもある。」と、曲に込めた想いを解説してくださいました。また、6月5日(日)には、『新代田FEVER』でワンマンライブを開催。こちらは、5月18日(水)に発売される、カジさんの2ndアルバム「TEA」のアナログ版リリース記念ライブ。「TEA」の楽曲をメインに、バンドセットで行われる貴重なライブとなっています!こちらも併せてチェックしてみてくださいね。
詳しくはカジヒデキさんの公式HPをご覧ください!
https://hidekikaji.net

 

 

〜今回の渋谷系選曲〜

今回はドライブの途中で、カジさんと川島さんにテーマに沿って渋谷系の音楽を3曲選んで頂きました。

Q:川島さんが好きなカジヒデキさんの曲は?
A:恋人が待っている / カジヒデキ
<理由>
川島さんが奥様とお付き合いしている時に、初めてカラオケに行った時に歌った曲。
渋谷系を知らなかった奥様も、「すごく良い曲だね!」と言ってくれて、さらに仲を深めたのだとか!

Q:カジヒデキさんが今聞きたい渋谷系の曲は?
A:ベイビィ・ポータブル・ロック / ピチカート・ファイヴ
<理由>
川島さんも好きなピチカート・ファイヴで、春にピッタリな1曲を!

Q:お二人が大好きなフリッパーズ・ギターで、今一番聞きたい曲は?
A:フレンズ・アゲイン / フリッパーズ・ギター
<理由>
川島さんは、中学3年間、毎朝7時にこの曲をアラーム設定していたそうです!また、カジさんはこの曲を、「メンバーが2人になって、初めてのシングル。2人だからこそ出せた音だと思う。フレンチブームを起こした曲になった気がする。」と解説してくださいました。

お二人が選んだ曲を是非、radikoタイムフリーでチェックしてみてください!
また、みなさんも好きな曲をかけながら、ゴールデンウィーク中にドライブしてみてはいかがでしょうか? ワンダフルでエウレカのある連休をお過ごし下さい!

 

radikoのタイムフリーで聴く
PLAYLIST
  • 「甘い恋人」
    根岸崇一 SONG BY カジヒデキ
  • 「恋人が待っている」
    カジヒデキ
  • 「ベイビィ・ポータブル・ロック」
    ピチカート・ファイヴ
  • 「フレンズ・アゲイン」
    フリッパーズ・ギター
  • 「APRIL FOOL」
    カジヒデキ
  • 「SUDDENLY. SIBYLLA シヴィラはある日突然に」
    カジヒデキ