PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2023年1月14日放送

Passenger

岩崎う大

本日のお客様は、岩崎う大様。
1978年、東京出身。
早稲田大学在学中、コントサークル『WAGE』に加入し、その後、5人組でプロデビュー。2007年に槙尾ユウスケさんと“かもめんたる”を結成し、2013年には『キングオブコント』で優勝!昨年末に開催された『M-1グランプリ』では準決勝に進出。また近年は、脚本家、役者、漫画家など幅広い分野でご活躍。2015年から旗揚げした“劇団かもめんたる”は、お2人以外にも劇団員を迎え、精力的に公演を行い、2020年・2021年に岸田國士戯曲賞候補に選ばれています。そんな、多彩なう大さんの脳内を巡るドライブに出発しました!

 

 

〜マイデリケートゾーン〜

う大さんと川島さんは、年齢は同学年。芸歴は川島さんの方が先輩ですが、川島さんにとって、う大さんは“先生”という印象が強いそうです。特にその世界観に驚かされたのが、2018年にう大さんが出版された漫画『マイデリケートゾーン』!こちらは、漫画好きの川島さんでも読んだことないほどの衝撃作で、“本当に気持ち悪くて、本当に面白い作品”と称します。そして川島さんは以前、この作品を『王様のブランチ』で“今一番面白い漫画”として紹介! 影響力の高い番組ということで、“これは売れるわ!”と、う大さんも期待していた通り、放送後すぐに売り切れ!しかし、在庫を補充するのに時間が掛かってしまい・・・しばらく経って販売を再開した頃には、視聴者も漫画の存在を忘れてしまったのか(!?)、思うように売れなかったのだとか・・・。この状況を知り、川島さんも「まだ読んでない人には、是非読んでいただきたい!」と改めて太鼓判を押していました!

 

 

〜劇団かもめんたる〜

う大さんが作・演出を手掛ける“劇団かもめんたる”は、年2回程度のペースで公演を開催されています。過去の公演では、川島さんを含め、品川庄司の品川祐さんや八嶋智人さん、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんなど、様々な著名人の方が観に来られている、業界内でも人気の劇団!さらに、俳優界でも“う大さんの脚本で演じたい!”という方が多くいらっしゃるそうで、最近ではドラマの脚本も手掛けるほか、昨年夏には吉岡里帆さん主演の舞台『パルコ・プロデュース 2022「スルメが丘は花の匂い」』の作・演出も務められています!


(劇団かもめんたる・第11回公演のお写真)

 

 

〜漫才〜

キングオブコント王者として、コント師のイメージが強い“かもめんたる”ですが、2021年から『M-1グランプリ』にも出場されており(結成当初の2008年・2009年にも出場)、昨年は準決勝まで駒を進めました!しかし、う大さんは漫才に対して長い間、苦手意識を抱いていたと言います。芸人を始めた頃は漫才にも挑戦していましたが、周りの漫才師と肩を並べた時に“太刀打ちできない”と感じ、コント師の道へ。そんなう大さんにとって転機となったのが、とあるテレビの深夜番組。“コント師に漫才をやらせる”という企画で、漫才に挑戦してみたところ、高評価を頂きました。またその時のスタッフから「かもめんたるの説明書にもなるから続けてやってみたら。」と声を掛けられたことで、再び漫才に挑戦することにしました。
そして、漫才では新たな発見も!2人で悪口の“言い合い”をするパターンで構成する漫才はありますが、コントでは出来ません。何故ならコントは、“なんでこの登場人物はこんな嫌なやつの隣にずっといるの?”“2人で喋り続ける理由がない。”という疑問が生じるから。それを解消するために様々な設定やシチュエーションを加えますが、漫才だと“相方だから”という理由だけでこの構成が成立します。そして、“相方だから”という点で、好き放題に言いたいことが言える構成は、う大さんがやりたい漫才にマッチしていたのです。コントや演劇など様々な経験を経たからこそ見つけた新たな発見で、かもめんたるは、コントのような設定(漫才コント)を入れない、王道の“しゃべくり漫才”で『M-1グランプリ』に挑むことにしたのです。

 

 

〜M-1グランプリ〜

M-1グランプリの出場資格は“結成15年以内であること”。う大さんはもともと、現在の相方の槙尾さんや小島よしおさんらとコントグループ“WAGE”で5年ほど活動されていたことがあり、キャリアが長い割には かもめんたるの結成は2007年と比較的遅く、2022年までM-1の出場資格がありました。そこで、2021年、22年と2年計画でM-1に挑戦することを決意します。う大さんの中では、“2021年に準決勝進出。2022年は決勝にストレートで上がる。”という目標がありました。しかし、2021年は目標の1つ手前の準々決勝で敗退。「(来年のためにも)準決勝の空気を知っておきたかった。だから初年度に進出したかった。」と、振り返りました。また、昨年も準決勝敗退と、2年連続で目標の1つ下のステージで敗退したことは、本気で取り組んだ分、悔しさは残ったそうですが、昨年末のM-1ではお気に入りのネタを2本揃えられ、その点は満足しているそうです!

 

 

〜かもめんたる結成秘話〜

う大さんは1998年、早稲田大学に入学。大学ではコントサークル「WAGE」に加入。「WAGE」は“Waseda Academic Gag Essence”の略で、当時は創立5年程度の比較的新しいサークルでした。う大さんはここで、現在の相方の槙尾ユウスケさんや、小島よしおさんと出会います。当時の小島さんのことを、「“うぇ〜い”(ピン芸人になってからの掴み文句)という感じではなく、なんかセンス出そうとして、ちょっと斜めなこと言ってくるみたいな感じ。笑」と振り返り、“絶対つまんねえこいつ・・”と思ったそうですが、WAGEとして共にお笑いを極めていくことに。


(大学時代のう大さん)

サークルを経て5人組のコントグループとして活動していたWAGEでしたが、5人が他のコンビと同じネタ時間でそれぞれの良さを出すのは難しかったそうです。活動に限界を感じ、う大さんから言い出す形でWAGEは2006年に活動を休止します。
その1年後にう大さんは槙尾さんを誘ってかもめんたるを結成するのですが、その経緯を伺うと、「もともとは槙尾と小島を誘おうと思っていた」という答えが!というのも、WAGE時代にう大さんは、槙尾さんと小島さんの3人でグループ内ユニットを組んでおり、そのコントに手応えを感じていたのだとか。このユニットコントは、う大さんと槙尾さんが気持ち悪いキャラクターを演じ、小島さんがそれに巻き込まれるリアクターという役割で、う大さん曰く“かもめんたるの世界観の原点“だったそうです。ただ、WAGEを活動休止していきなり3人になるというのは気が引けたため、1年くらいの期間を空けてから2人を誘おうと考えていたと言います。しかし、この期間に小島さんがピン芸人として大ブレイク!これにはう大さんも驚いたそうですが、それにより、槙尾さんのみを誘って、2007年にかもめんたるが結成されました。

 

 

〜ネタの作り方〜

こうして、コントや劇団、漫才など様々な作品を作られているう大さんに、ネタの作り方についても伺いました。 劇団に関しては、“人を見る”とう大さんは言います。集めた役者さん達が“こう交わっていたら面白そう”などと想像を膨らませ、人を見ながら当て書きをしているのだそう。
一方で、面白そうなワンフレーズを思いついて、そこから広げていくことも。先日のM-1グランプリ敗者復活戦では、う大さんがいきなり「おい、全国の猿!もっと上がってこいよ!」と言い始めるネタを披露!出てきていきなりこれを言ったら面白いだろうと思ったそうです。笑 また、このネタはもともと、“人間のペットとして定着するのは、犬や猫ではなく猿であるべきだ!”という、う大さんの考えが土台にありました。
なので、第一声の「猿、もっと上がってこいよ!」は、“ペットになれるレベルまで上がってこいよ!”と、猿を煽っており、この持論を延々とステージ上で唱え続けたう大さん。笑
「M-1ラストイヤーで、それを伝えたいという想いが凄い!」と、独特な着眼点を持っているう大さんに川島さんも驚いていました!

 

 

〜劇団かもめんたる第12回公演『奇事故』〜

う大さんが作・演出を手掛ける劇団かもめんたる第12回公演『奇事故』が、1月25日(水)~29日(日)、東京池袋の劇場、あうるすぽっとで上演されます。
『奇事故』は、催眠術ショーの途中で、その催眠術師が殺されたせいで、催眠術にかかったまま暮らすことになった少女のその後の人生が描かれるストーリー。「ただただ“おもしろおかしく”ではなく、割とノンフィクション。コメディの話だけど、シリアスな部分も多々ある」と教えてくださいました!

現在、各プレイガイドでチケット発売中。ぜひ、足を運んでみてください!

劇団かもめんたる第12回公演『奇事故』
1月25日(水)〜29日(日) 池袋・あうるすぽっとで上演!
https://gekikamogekikamo.wixsite.com/gekikamo/featured-project


(劇団かもめんたる)

 

 

〜岩崎う大さんのエウレカ!(発見・気付き)〜

う大さんのエウレカは、“結局すべて通過点” ということ。
2013年にキングオブコントで優勝したものの、バラエティ番組にはハマらず、演劇活動に流れつき、再びキングオブコントに挑戦し決勝に上がっても優勝はできず、そこから漫才をやったり…と、いろんな経験してきたう大さん。自分の中では“不合格”だったこともあるかもしれないけれど、“不合格じゃないと歩めない道筋が発生する”と感じており、“常に新しいことへのスタートが始まっている”と捉えています。普段、ネガティブに見られがちなう大さんですが、芯の部分はとてもポジティブだそうです!
また、そんなう大さんに今後の目標を伺うと…
「40代のうちに漫画“マイデリケートゾーン”をブレイクさせたい」とお答えが。
漫画が売れるということは、その他の全てが上手くいっている状態だと、未来を読み解くう大さん。笑
そんな“マイデリケートゾーン”を、今週はう大さんのサイン入りで1名様にプレゼント!

 

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PLAYLIST
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