PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2023年6月24日放送

Passenger

安部勇磨

本日のお客様は、安部勇磨様。
1990年生まれ、東京都出身。
2014年、バンド『never young beach』を結成すると、翌年には『FUJI ROCK FESTIVAL’15』に初出演!2017年にはSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビューを果たします。
近年は、日本のみならずアジア各地でも精力的にライブを行うnever young beachは、今週、6月21日(水)に約4年ぶりのNEWアルバム『ありがとう』をリリース!
そんな人気3ピースバンドのボーカル・ギター安部さんの、音楽ルーツを巡るドライブに出発です!

 

 

〜フジロック〜

安部さんと川島さんは今回が初対面。ですが、安部さんの音楽からも漂うレトロな雰囲気からなのか、初めてとは思えないほどリラックスした雰囲気の川島さん。安部さんの穏やかな人柄もあるのかもしれません!
安部さんがボーカル・ギターを務めるバンド『never young beach』は各地の夏フェスで大活躍!この『never young beach』というバンド名について伺うと、「適当に好きな言葉を3つぐらい並べて、一番カッコいいのこれかな…くらいのノリで付けました。」という意外なお話が!好きなものを詰め込んだお子様ランチのような名前になったとか。
2014年に結成されたnever young beachは、早くも翌年『FUJI ROCK FESTIVAL』にご出演!この早さにはご自身でも驚いたそうで、「すぐ出られるとは思わなかった。」と当時を振り返ります。
それ以降、度々出演されている『FUJI ROCK FESTIVAL』には音楽好きな人が日本中、世界中から集まってくるため、安部さんにとって刺激的な場所なのだとか。“こんなに音楽を楽しむ人がいるんだな…”と毎回感じるそうで、すごくフレッシュな気持ちでライブに臨むことができると言います。今年もnever young beachは『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演が決まっているので、どんなステージを見せてくれるのか…期待が高まります! (never young beachは7/30、GREEN STAGEに出演します!)


(今年行われた、never young beachのライブの模様!来月に迫った『FUJI ROCK FESTIVAL』のステージも楽しみですね!)

 

 

~音楽の道へ~

安部さんが音楽活動を始めたのは、18歳の頃。初めてギターを買い、自分でオリジナルの楽曲を作り始めようと思い立ちます。まずは好きなアーティストのカバーなど、趣味レベルから始めるケースも多いですが…安部さんは“カバーだと勝てない。自分のやり方でやらないと、対等になれない。”と思っていたそう。
当時は海外のガレージロックなどをよく聴いており、不平不満を叫ぶような激しめの音楽をやっていましたが、客観的に見て“自分がやっても無理しているようにしか見えない…”と感じるように。“そこまで世の中に不満も無いし、イギリスやアメリカと違って日本はそういった文化圏ではないし…”と、音楽の方向性を転換します。ちなみに、安部さんの初めて買ったCDは、記憶が正しければ、“イマクニ?”の『ポケモン言えるかな?』か、“ブラックビスケッツ”の『Timing~タイミング~』のどちらかだそうです!これを聞いた川島さん、「この世に不満は無い、平和なチョイス。」と話していました。笑

 

 

~never young beach~

never young beachが結成されるまでの経緯についてもたっぷりとお話を。
もともと個人でデモテープを作っていた安部さん。ある時、急遽ライブへの出演が決まりますが、当時はまだ人との関わりがあまり無かったこともあり、急いでメンバーを揃えなければならない状況に。
そこで、Twitterでメンバーを募集し、集まったのがnever young beach結成のきっかけなのだとか!
ここで、川島さんが「SNSを通じて募集すると、結構な数の応募が来ちゃうのでは?」と質問。しかし、安部さん曰く、ご友人が数人リツイートしてくれた程度だったそうで、結果的に「やりたい!」と声を上げてくれた希望者は全員メンバーになったと言います。こうして、never young beachの現在のメンバーである、安部さんとドラムの鈴木健人さん、ベースの巽啓伍さんが出会います。ただ、ベースの巽さんはもともとギタリスト。
この募集ツイートに、「ベーシストを探しているそうです!」とリツイートで拡散してくれた巽さんに「ギター弾けるんだからベースも弾けるでしょ!」と安部さんが誘ったことで、never young beachのベースを担当することになったのだとか。
こうしてバンドが結成されますが、Twitterで急いで集めたメンバーだったこともあり、最初はぶつかってしまうこともあったそう。大学に行っていない安部さんが、大学に行っていたメンバーに向かって「サークルじゃないんだよ、ここは!」と強く言ってしまったこともあったとか。しかし、never young beachとして初めてのライブを観に来ていた今のレーベルの方に「良いね!一緒にやらない?」と言ってもらったことで、バンドの活動はトントン拍子に進んでいきます。


(2015年には1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』をリリース!こちらはそのジャケット写真!)

2017年1月にはSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビュー!当時、インディーズで活動していたnever young beachは、LAのバンド・GROWLERSの来日公演で前座を務めたことも。そのため、ライブでは少しヤンチャな雰囲気の観客が多かったそうですが、その中に年配のお客様がいて、物販コーナーにやって来ました。“なんで、おじいちゃんがいるんだろう…?”と思っていたところ、その方がレコード会社の偉い方だったとか!「ウチでやりませんか?」と声を掛けられ、「どうする?どうする!?」と大騒ぎに!川島さんも「釣りバカ日誌みたいな展開!」と言っていましたが、安部さんにとってもまさかの出来事だったそう。


(こちらは、never young beachの最新のアーティスト写真!)

 

 

~Boseさん~

2021年には、川島さんと親交があるBoseさんの所属するグループ・スチャダラパーとのコラボも実現!『スチャとネバヤン』名義による楽曲『ネバやんとスチャやん』『スチャやんとネバやん』の2曲が配信リリースされました。
Boseさんとゲーム友達でもある安部さんは“Boseさんってすげぇな…”と感じた出来事が最近あったそう。それは、安部さんが好きなサッカーゲームをプレイしていたときのこと。ログイン履歴を見ると、Boseさんが朝の4時にログインしているとの表示があったのだとか!
アラフィフの大先輩にも関わらず、早朝までサッカーゲームをしているBoseさんについて、「本当に年齢がわからなくなる瞬間がある。」と話します。ちなみにBoseさん、早朝までプレイしている割にはゲームの腕は“いまひとつ”らしく・・・安部さんと対戦すると、7-0など圧倒的なスコアでだいたい安部さんが勝つのだとか。笑
忖度の無い点差ですが…それを許してくれるところにBoseさんの穏やかな人柄が表れていますね!過去には、川島さんの家で『リズム天国』をクリアするまで遊んだこともあるそうです。


(実は、ゲーム仲間の安部さんとBoseさん!)

その一方で、コラボ楽曲のレコーディングではピリッとする緊張感があったと言う安部さん。Boseさんのラップと言えば、優しく親しみやすい、リラックスした雰囲気がありますが、レコーディングの現場に立ち会って、“そのリラックスの中にある、歌の抑揚はやっぱりすごく計算されているんだな…”と感じたそう。ANIさんが歌詞を覚えていなかったり、ピッチが合わなかったりするとBoseさんがしっかりと怒ることもあるそうで、レジェンドならではのバランスの良さを目の当たりにしたと言います。


(『スチャとネバヤン』としてコラボされた2組!2曲のうち、今回のドライブでは『ネバやんとスチャやん』をお送りしました!)

 

 

~はっぴいえんど~

今回、番組の事前アンケートで“キャリアにおけるマイ大事件”を伺ったところ…「高校生の頃に、キセルの『しんしんしん』(はっぴいえんどの曲のカヴァー)を聴いたこと。」とお答えに。最初ははっぴいえんど(細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂によって結成された伝説のバンド)の楽曲のカバーとは知らず、キセルのオリジナル楽曲だと思って聴いていたという安部さん。それまではバンドサウンドにハマっていましたが、この曲に出会って“音が綺麗で、質が違う。”と感じ、“こんな音楽があるんだ…”と感銘を受けたとか。さらに、はっぴいえんどの歌詞の世界にものめり込んでいき、この曲の街や情景に関する表現に惹かれたと言います。
そのため、never young beachの楽曲に漂うレトロな雰囲気の源流の一つには、はっぴいえんどがあるそう。音楽を始めた頃、海外の人に憧れていろんな音楽にチャレンジしてみたものの無理だと気付き、“自分が育った日本の文化圏でどのようにカッコよくやっていったらいいんだ…”と悩んでいた際に、“はっぴいえんどは、1960〜70年代にこんなことやってたんだ…”と気付き、驚いたとか。なかでも、日本語の使い方には大きく影響を受けた安部さんは、“そこに、自分が好きな他のアーティストのエッセンスを混ぜることができないか…”というところからnever young beachの活動をスタートさせたのだとか!

 

 

~細野晴臣さん~

安部さんにはもう一つ、マイ大事件として「細野晴臣さんのアルバム『泰安洋行』に出会ったこと」を挙げていただきました。最初、“こんなチョビ髭の怪しい人が、何だこれ…”と思いながら聴いたところ、それまで聞いたことのない無い、マリンバや管楽器、パーカッションなど様々な音が入った音楽に驚いたそう。“どこの国かわからない音楽だけど、日本人がやっている…”と衝撃を受けたと言います。
大きく影響を受けた細野さんと、最近では数ヶ月に一度のペースで対談をしている安部さん。6年ほど前、初めて会った際は、かなり緊張したのだそう。それは、フェスの打ち上げで出演者が一堂に会した時のこと。安部さんと細野さんは隣のテーブルになったのですが、細野さんへのリスペクトが深い安部さんからは気軽に話しかけられるわけもなく…横のテーブルで細野さんを意識しながらご飯を食べていたところ、細野さんの方から安部さんの前の席にやってきて、「来ないから来ちゃった」と話しかけて頂いたのだとか!そこから「はっぴいえんどのどこが好きなの?」と質問されて、いろいろとお話をしたそうです。安部さんにとって大先輩で、神様のような存在の細野さんですが、フレッシュな感覚を持っていると感じることも多く、安部さんの相談にも「僕も同じことで悩むなあ。」「わかるよ、僕も今でもそうだもん。」などと親身に乗ってくれるとか。川島さんも「一番モテる人ですね!」と話していましたが…改めてレジェンドのすごさを体感し、安部さんの細野さんへの愛は深まるばかりです!

 

 

~NEWアルバム『ありがとう』~

never young beachとして、およそ4年ぶりとなるNEWアルバム『ありがとう』が6月21日(水)に発売されました!
前作からの4年間の中で起こったコロナ禍では、色々な人がそれぞれの正解を持つ世の中で、良かれと思って言ったことが実は誰かを傷つけてしまったり…ということも多く、曲を書くことができなくなったと言う安部さん。しかし、状況の変化やレコーディングメンバーの力もあり、今回の制作活動の中で制作意欲が加速していったのだそう。その中で感じた周りの方々への感謝の気持ちから、『ありがとう』というアルバムタイトルが付けられたのだとか!

アルバムの詳しい情報は、never young beachオフィシャルサイトをチェック!
みなさんもぜひ、聴いてみてくださいね◎


(never young beachのNEWアルバム『ありがとう』のジャケット写真!)

 

 

~安部さんのエウレカ!(発見・気付き)~

安部さんのエウレカは「古いものが好き!」というもの。
音楽に限らず、新しい技術や文明が急速に発展していく今の時代。その中で大切にすべきこのは“自分の中で新しいこと”なのでは…と安部さんは話します。例えば、過去に生まれた音楽も、初めて聞けば、それは自分にとって新しいもの。また、今は使われなくなった、木でできた昔のギターを弾いていると、“やっぱ、これじゃないと出ない音があるな…”と感じることもあるそうで、「過去の中にも自分にとって新しくて面白いものはいくらでもある。」とお話しに。近年はAI技術の発展も急速に進んでいますが、AIに作曲させる動きについては危機感を抱いているそう。「音楽をやっている自分は作品で抗いたい。」と、その想いをお話しいただきました。
最後に、事前アンケートで川島さんが気になった項目のお話に。
それは、『最近の個人的なトピックス』という欄の「きのこってすごいなぁ。」という回答。最近、映像配信サービスできのこに関するドキュメンタリー作品をご覧になった安部さん。木の根っこの先にはきのこの菌類が人間の血管のように広がっていて、それが地下でいろんな木同士と繋がっており、木同士でコミュニケーションをとっている…というドキュメンタリーの内容に好奇心をくすぐられて、ドキドキしたのだそう。きのこについて熱く語る安部さんを見て、川島さんは「きのこの歌は(あるんですか)?」と質問。「まだないんですよ〜」と答えていましたが…今のこの熱量があれば、きのこソングを作ることも夢じゃない…!?(その場合はソロで?)
安部さんによる“きのこソング”が発表される日も近いかもしれません!!


(安部さんとのドライブはここまで!ご出演、ありがとうございました!)

 

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PLAYLIST
  • 「気持ちいい風が吹いたんです」
    never young beach
  • 「夏のドキドキ」
    never young beach
  • 「あまり行かない喫茶店で」
    never young beach
  • 「ネバやんとスチャやん」
    スチャとネバヤン
  • 「らりらりらん」
    never young beach
  • 「帰ろう」
    never young beach