PASSENGER DIARIES

EDC 営業日誌(過去のお客様)

2023年9月9日放送

Passenger

神谷明

本日のお客様は、声優の神谷明様。
1946年、神奈川県横浜市出身。
高校時代、演劇部に所属。一度は就職するも、1970年に『劇団テアトル・エコー』に入団。その後、声優として『バビル二世』でアニメ初主演を務め、『ゲッターロボ』『キン肉マン』『北斗の拳』『シティーハンター』など数々の人気アニメで主演を担当!主人公・冴羽獠役を務める『シティーハンター』シリーズは、9月8日(金)から最新作『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が全国ロードショー!本日は、様々なキャラクターも一緒に車に乗っているような、贅沢なドライブに出発です!

 

 

~川島さんとの関係~

お二人が会うのは、川島さんの結婚式以来!実は神谷さん、川島さんの結婚披露宴に出席し、スピーチも行ったそうです!ご自身が演じている『シティーハンター』の冴羽獠やキン肉マンといったキャラクターが何人も入れ代わり立ち代わり登場する豪華なスピーチで、披露宴は大盛り上がり!川島さんにとって忘れられない思い出となっています。

そもそも、お二人が知り合ったのは、麒麟の二人がエキストラとしてTVアニメ『名探偵コナン』に声優として出演した時のこと。当時、神谷さんは『名探偵コナン』の毛利小五郎役を演じており、ゲスト声優が来ると、神谷さんが“接待係”として、声優の楽しさを伝えながら、マイクとの距離の取り方や演技指導など、声優のいろはを教えていたそうです。そして本番後、神谷さんが麒麟の楽屋に来て「よかったら電話番号交換しない?」と声を掛け、交流が生まれました。川島さんは、この時の神谷さんの対応・優しさに感激したそうです。

ここで、神谷さんが演じる豪華キャラクターの声を実演してもらえることに…!キン肉マン、『北斗の拳』のケンシロウ、冴羽獠が次々に登場!川島さんからの『うる星やつら』の面堂終太郎のリクエストにも即座に応えてくださいました!
気になる方は、是非radikoでチェックしてみてくださいね♪

 

 

~声優になるまで~

高校時代は演劇部に所属していた神谷さん。卒業後は演劇を離れ、就職しますが、半年ほど経って“芝居やりたいな…”という思いが再燃し、アマチュア劇団に入ることに。すると、さらに演劇にのめり込んでいき、プロを目指すようになります。アマチュア劇団の主宰の方に「プロになりたいので、辞めさせてください。」と伝えたところ、「お前は体が小さい、舞台というのはやっぱりそれも(目立つ体格も)大事な要素だし、苦労するからやめた方が良い。」と真剣に引き止められたそうです。でも、神谷さんはその言葉を“ハンデを乗り越えて頑張れ!”というメッセージだと受け取り、プロの道へ。「超ポジティブだった。」と当時を振り返ります。笑
こうして、いくつか行きたい劇団を探し、その中で最も優しそうな劇団を選びます。その劇団というのが、当時、喜劇で大ブレイクしていた『劇団テアトル・エコー』。他の劇団は、入団1年後に審査があり、それに通らないと劇団に残れないシステムでしたが、テアトル・エコーはすぐに劇団研究生になれたそうで、そこも大きな魅力の一つだったとか。
当時、テアトル・エコーは小劇場を作り、そのこけら落とし公演として『表裏源内蛙合戦』という舞台を上演されます。その舞台には、声優としても活躍されていた熊倉一雄さん(『ひょっこりひょうたん島』のトラヒゲ)や、山田康雄さん(ルパン三世)、納谷悟朗さん(銭形警部)などなど、錚々たる方が出演していました。舞台を中心に活動しながら人気作品の声優もやっていた先輩方がいたことで、テアトル・エコーは声優業界とも繋がりがあり、神谷さんも舞台を学びながら、次第に声優の仕事もするようになります。当時は今ほど声優という職業があまりメジャーではなく、“俳優業の副業”のような位置付けでしたが、神谷さんは持ち前の声質と関東出身で訛りがなかったので、声優として評価されていきます。
一方で、もともと目指していた俳優業については、テアトル・エコーの地方公演などになかなかキャスティングされない日々が続きます。“(俳優としては)ダメなんじゃないか…”と思うようになり、声優業は順調に仕事が増えていたこともあり、俳優から声優一本にしぼることを決断。TVアニメ『ゲッターロボ』でお世話になった先輩の富田耕生さんの紹介で、テアトル・エコーから声優事務所・青二プロダクションに移籍しました。ただ、のちにテアトル・エコーの方々にこのことを伝えたところ、「(声優業で)忙しくて、稽古にも出られないのにキャスティングされるわけが無いだろう…」と言われたそうで、俳優としての実力ではなく、声優として忙しすぎたためにキャスティングされてなかったことを知った神谷さんは、“だったら、テアトル・エコーに居たのになぁ…”と、後悔したともあったそうです。「テアトル・エコーに入団していなかったら、30歳まで持たなかったと思います。」と、声優業へ進むきっかけを作ってくれた劇団に感謝していました。こうして、当時としては異例の、声優を本業にするという決断をされた神谷さんは、人気声優への階段を駆け上がっていくことになるのです。


(テアトル・エコー時代の神谷さん!)

その後、1970年代後半になるとアニメブームが到来!声優というお仕事にも注目が集まるようになります。神谷さんも『宇宙戦艦ヤマト』『ゲッターロボ』『勇者ライディーン』『ドカベン』、そして1981年には『うる星やつら』などなど、次々と人気作に出演!また、『宇宙戦艦ヤマト』の人気で、主題歌を歌うアニメ歌手にも注目が!親交のある歌手の方のライブを見に行くと、舞台上に呼び出されることがあり、キャラクター声優である神谷さんがステージに立つと「キャーッ!」と黄色い歓声を浴びたそうです!あまりの熱量・人気ぶりに、ご自身でも後ずさりしてしまう程だったとか!

 

 

~キン肉マン~

今回、神谷さんに“思い出深いオーディション”を伺いました。
1つ目に挙げていただいたのは『キン肉マン』!
『キン肉マン』のオーディションには、原作を読まずに臨んだ神谷さん。通常、オーディションの際には『キャラクター表』と呼ばれる、そのキャラクターの普段の表情や笑った表情、怒った表情などが描かれた資料をヒントにイメージして演じるのですが、この時はキャラクター表がなく、セリフからイメージを膨らませたのだそう。喜劇俳優出身ということで、特にギャグの部分の演技に手応えがあり、その結果、合格!アニメ初期はギャグが多かったこともあり、テアトル・エコー時代に熊倉一雄さんをはじめとする先輩方から学んだことを、演技に反映していったと言います。

 

 

~北斗の拳~

続いて挙げていただいた思い出のオーディションは『北斗の拳』!
『北斗の拳』も原作を読んでいなかった神谷さん。実は作品のタイトルも“北斗の剣”だと思っていたとか!司馬遼太郎さんの小説『北斗の人』(近代的剣術を創始した千葉周作を描いた作品)と関連していると勘違いしていたそうです。笑
ただ、この時はキャラクター表をしっかりと見てからオーディションに臨み、無機質なキャラクターを演じて合格されます。川島さんも「ケンシロウは神谷さんが演じたキャラの中でもかなりシリアスな男」と言いますが、当時の神谷さんはシリアスな役をやりたかったそう。というのも、元々地声が高く、この頃にようやく低い声を出せるようになったからだそうです。
ここで、川島さんからケンシロウのおなじみのセリフ「アタタタタタタタタ!!」の話題が。この部分は神谷さんがアドリブで演じたそうで、ブルース・リーをイメージしつつ、ケンシロウは体格が良いから少し太く強い声で演じてみたところ、一発OKが出たとか。最初は普通の音域で言うパターンもあったそうですが、しっくり来なくて、ケンシロウの(通常の)低い声ではなく、裏声が定着したのだそう。作中では「アタタ」の部分が長くなることがあり、装甲車の装甲板を足でぶち破ろうとする時は、1分ほど「アタタ」が続くシーンが…。この時はさすがに20秒ほど「アタタ」を言い続けて、それをループしてもらったそうです。

 

 

~シティーハンター~

“思い出深いオーディション”の3つ目は、『シティーハンター』!
この時は事前に原作を読み、“うわぁ、やりたい!”と思ったそうです。オーディションを受けた後、待てど暮らせど連絡は来ず…。そんな中、原作を出版している集英社の近くでたまたま仕事があり、仲の良い編集部の方に会いに行こうと会社を訪れた神谷さん。すると、『シティーハンター』の編集担当と編集長に声を掛けられ、「神谷さん、シティーハンターだけど、やりたい?」と聞かれます。「やりたいですよ!!」と答えると、“じゃあ、神谷さんでいいか…”という雰囲気に。その日の夕方、神谷さんを推薦していたこだま兼嗣監督から編集部に電話があり、編集部と最終確認して、神谷さんが冴羽獠役に決まったそうです。実は、編集部の中では、同時に連載されている『キン肉マン』『北斗の拳』でも主演を務めていたので、当初は“(神谷さんは)もういいだろう”という空気が流れていたそうですが、神谷さんが偶然集英社を訪れたことで、その空気は一気に覆されたのです。
「キン肉マン、ケンシロウ、獠ちゃんっていうのは、別々のキャラクターなんだけど、僕にとって、シティーハンターはそれまでの集大成だと思っていた。」と話す神谷さん。それまで培ってきた全てを冴羽獠に注ぎ込み、「今でも冴羽獠を超えるキャラクターはいない」とまでおっしゃっていました。

 

 

~劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)~

9月8日(金)からシリーズ最新作『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が公開!


(『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』のロゴ!)

アニメ放送開始から30年以上経ち、長年続く作品では声優さんが交代するケースが多くある中で、今も現役で冴羽獠の声を演じていることが嬉しいと話す神谷さん。他の作品だと、共演していたキャストがお亡くなりになられているケースもあり、昨年『キン肉マン』でアレキサンドリア・ミート(ミート君)を演じていた松島みのりさんが亡くなられた際には、それまで抱いていた“『キン肉マン』もまたやりたい!”という気持ちが、悲しみからしぼんでしまったと言います。
そうした中で、シティーハンターはレギュラーのキャストが全員現役でいることが奇跡だと話す神谷さん。収録で会った際には、「元気で良かったね!」と無事を喜び合ったそうです。作中のキャラクターが歳をとったと感じさせないよう、4年前の前作の収録時は各々のキャストが当時に近づける努力をしていたそうですが、今作では他のキャスト全員が、さらにパワーアップしていて驚いたと言います。


(『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』のメインビジュアル!)

事前に今回の映画を観た川島さんからは「スタートからとんでもないですね!」「劇場に行く人は絶対に遅刻しちゃダメですね。」と、冒頭から撃ち抜かれること必至の作品だとか!神谷さんも「ちゃんと覚えておかないと、伏線も張られていますんで。」と言い、作品を何度も見返していても見逃しているところがあるほど、細部まで楽しめるポイントがたくさんあるそうです。カーチェイスのシーンでは、神谷さんも試写会まで知らなかったと言うサプライズもあるそうですよ!


(こちらも、『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』のメインビジュアル!)

『シティーハンター』ファンはもちろん、初めて観る方にもオススメだと言うシリーズ最新作『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』は、9月8日(金)より全国ロードショー!川島さんの後輩、南海キャンディーズの山里亮太さんもゲスト声優として出演しています。


(『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』のポスター!)

 

 

~中江真司さん~

神谷さんがこれまで人に言われた言葉の中で一番印象深いものは、劇団テアトル・エコーの先輩・中江真司さん(『仮面ライダー』のオープニングナレーションや、『トリビアの泉』のナレーションなどをご担当)の言葉。
劇団テアトル・エコーの研究生時代、劇団の本公演を裏方スタッフとして手伝っていた神谷さん。その時、チーフを務めていたのが中江さんでした。稽古の後、中江さんに連れられて飲みに行った際、先輩の顔をじっくり見ていると、「神谷、お前今こう思っているだろう。“自分が一人前になって先輩にご馳走できるようになったら、絶対恩返しする”って。」と言われたことがあるそう。その言葉は神谷さんにとって図星でした。中江さんは続けて「それは後輩に返せ。俺も先輩にそうされてきたから」とおっしゃいました。神谷さんはこの言葉が忘れられず、“いつかは…”と思い続け、30代後半頃になってようやく後輩をご飯に連れて行くことができるようになったとか。林原めぐみさんを食事に連れて行った際、「神谷さん、どうして私たちをこうやって食事に連れて行ってくれるんですか?」と尋ねられて、神谷さんは満を持して、中江さんから頂いた言葉を伝えました。声優界に受け継がれている、素晴らしい伝統ですね!

 

 

~今の声優業界~

今や大人気の職業となった声優のお仕事。神谷さんも「憧れていただけていることは大変嬉しいです。」と言いつつ、「現実は厳しい」とも。あまりに声優や声優に憧れる人が多すぎて、神谷さんの時代に比べて、お仕事の量が人数に比べて少なくなっていると言います。また、人気声優に仕事が集中して、仕事をもらえない声優はさらに仕事が少なくなってしまうとも。どんな作品でも呼ばれれば行き、色々な役を演じ、経験を数多く積むことで成長してきた神谷さんは“経験が役者を作る”と考えており、そういった経験ができないことは可哀想だというお話も。
加えて、「キャリアのあまり無い人がトップにいる」という指摘も。このために先輩たちの素晴らしい演技に触れるチャンスが無いことを心配されています。神谷さん自身も先輩の背中から学んだことは多く、例えば小原乃梨子さんからは“キスシーンの演技は親指と人差し指の間を舐めるようにすると良い”ということを教えてもらったり、中尾隆聖さんからは「食べるシーンでは、舌を口の内側の壁につけて喋るといいよ。」とアドバイスをもらったと言います。現在の若手人気声優の実力に感心しつつも、先輩方のこのような“細かいけれど重要なテクニック”に直接触れることの大切さを訴える神谷さんでした。

 

 

~今後の夢~

最後に、神谷さんの今後の夢を伺うと、「できれば、冴羽獠がちょっと年をとったような役とか、無理なくできるギャグキャラをやりたい!」とお答えに。元々、喜劇がやりたくてこの業界に飛び込んできたこともあり、やはりギャグキャラはやりたいそうです。
一方、「冴羽獠がちょっと年をとったようなキャラ」については川島さんからも見てみたいという声が。公開中の『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』は“『シティーハンター』シリーズの最終章の幕開け”という位置づけ。神谷さんは、もうすぐ9月18日に77歳のお誕生日を迎えますが、もし次回作が4年後だとすると神谷さんは80代に!「信じられないです。でも挑戦はしたいですよね。」と力強くおっしゃいます。『シティーハンター』のレギュラーの皆さんとも同じ喜びを一緒に分かち合いたいと言い、このような“ライフワーク”とも言える作品に出会えたことが嬉しいとしみじみ語る神谷さん。これからも、冴羽獠はもちろんのこと、様々なキャラクターの声で我々を楽しませてほしいですね!


(神谷さん、ご出演ありがとうございました!)

 

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PLAYLIST
  • 「Get Wild(2023 remaster)」
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  • 「ラムのラブソング」
    松谷祐子
  • 「宇宙戦艦ヤマト」
    ささきいさお
  • 「愛をとりもどせ!!」
    クリスタルキング
  • 「Whatever Comes」
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