山形

“世界一のクラゲ水族館”から山形の食の魅力を発信する魚レストラン

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Rhythm Station
岩崎敬さん

人の横顔の形をした県として知られる山形県。鳥海山、月山など日本百名山に数えられる秀麗な山々に囲まれ、南から連なる盆地と庄内平野を「母なる川」、最上川が流れる美しい自然に恵まれた地域です。「さくらんぼ」や「ラ・フランス」などのフルーツ、「米沢牛」や「平牧三元豚」などのブランド肉の産地でもあり、新鮮な食材が豊富で秋に行われる「芋煮会」は毎年、ニュースでも取り上げられていますね。
 エフエム山形は県庁所在地の山形市にあり、愛称は“Rhythm Station”。名前の通り、音楽番組を中心とする番組構成で県民から愛されています。今回、山形観光のおすすめスポットを紹介してくれるのは、エフエム山形所属アナウンサーの岩崎敬さん。カセットテープ全盛期の70年代後半から 90年代前半のヒット曲を、県内の著名人のメモリーと共に紹介する番組「マイ・カセットテープナンバー」を担当しています。

魚匠ダイニング『沖海月』

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今回、岩崎さんにご紹介いただいたのは庄内地方の鶴岡市にある「加茂水族館」に併設されている「魚匠ダイニング『沖海月』」です。

「加茂水族館といえば、クラゲ展示種類数で世界一を誇る、“クラゲの水族館”として世界的にも有名です。直径5mの水槽に約1万匹のミズクラゲが漂う「クラゲドリームシアター」は、キラキラと輝いてゆらめくクラゲの様子が幻想的で、時間を忘れて見入ってしまいます。クラゲ鑑賞を堪能したあとは2階にある「沖海月」に寄ってみてください。水族館にも展示されている、地元、庄内の魚を中心に、本格和食からクラゲのお刺身やクラゲアイスなども食べられる魚レストランです」(岩崎さん)

早速、立ち寄ってみましょう。入り口には、庄内藩の城下町、鶴岡において「北前船」の寄港地として栄えた「加茂港」の歴史を説明する大看板があります。のれんをくぐると店内は開放的でシンプルな内装。窓側にはガラス張りのカウンター席が続き、すぐ目の前には岩肌から海に続く庄内浜の景色がパノラマ状に広がって、食事中の景観もバッチリ楽しめるようになっていますね。またお店の中心には赤い番傘がたてられ調理スペースが設けられています。

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和食の料理人でふぐ職人としてのキャリアも積んでいる、「沖海月」料理長の須田剛史さんにお話を伺いました。
「水族館で魚を見てから、その魚を食べてもらうというコンセプトで、地魚中心のメニューを出しています。また、ただ食べるだけではなく、料理を通して山形県の食文化を知ってもらいたいですね。一押しメニューのひとつ「庄内北前膳」は、加茂港を栄えさせた北前船の文化を料理で体験してもらおうと、北前船の航路の北海道から大阪までの土地の食材を少しづつ入れています。9月の後半から12月は「黒鯛御膳」がおすすめですね。これは江戸時代から庄内藩の武士の鍛錬法として50cm以上もの黒鯛を一本竿で釣り上げていたという歴史からで、魚釣りの時の「魚拓」の発祥も実は庄内藩なんです」(須田さん)

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黒鯛御膳

“鶴岡の台所”と言われていた加茂港周辺には神社、仏閣も多く5月〜7月に空気もさわやかで観光にもってこいな季節だそうです。近隣には3つの温泉地があり、日本海沿岸をドライブしながら立ち寄るのも楽しそうですね。それにしても、とれたてで新鮮そのもののお魚の美味しそうなこと!

「日本海の寒流と暖流がぶつかりあう庄内地域の魚は身が締まっていて、歯ごたえも旨味もひと味違いますよ。また温暖化の影響で、昔にはなかったキジハタやサワラもとれるようになって、脂ののったお刺身が食べられます。鱧の収穫量も増えて「鶴岡天神鱧(6月〜9月)」 や、天然の庄内ふぐもおすすめ。日本食に慣れた海外の方でも、ふぐは初体験なことが多くてすごく喜ばれますね。特に彼岸のふぐは縁起がいいとされているので、ぜひ召し上がってみてください」(須田さん)

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庄内北前膳

魚料理だけでなく、クラゲが丸ごと入っているクラゲーラーメンや、果物王国、山形名産の季節のフルーツを使ったパフェなどもあり、目にも楽しくバラエティに富んだメニュー構成は水族館同様、エンターテイメントな魅力にあふれています。

海外の観光客や修学旅行生が訪れることも多い、加茂水族館ですが、須田さんが料理だけでなく情熱を注いでいるのが山形の食文化を通じての“食育”活動です。
「番傘のところの調理スペースを使って、イベントやワークショップを開いています。お客さまと一緒に包丁を使って魚をさばいたり、お寿司を握ったり、“同じ思いで料理を作って食べて、一生の思い出を作りましょう”という試みです。あと、魚の紹介や日本料理の作り方を世界に向けてライブ配信もしています。食材や美味しい料理を通じて、山形県の歴史や魅力を知ってもらって“この場所に行ってみたい”と思っていただければとても嬉しいです。ぜひ、お待ちしております」(須田さん)

魚匠ダイニング 『沖海月』
住所
山形県鶴岡市今泉字大久保657番地1
電話番号
0235-64-8356
営業時間
OPEN 11:00 CLOSE 15:00
定休日
無休
アクセス
山形自動車道 鶴岡ICより約15分
日本海東北自動車道 鶴岡西ICより約25分
JR鶴岡駅より ・庄内交通路線バス 湯野浜温泉行き(加茂経由):JR鶴岡駅より約39分「加茂水族館」下車すぐ → 湯野浜温泉行 時刻表
※「善宝寺経由」の路線では加茂水族館に停車しません。ご注意ください。
※道路状況によっては所要時間が延びることもあります。
ウェブサイト
https://kamo-kurage.jp/restaurant/
facebook
https://www.facebook.com/Tsuruoka.OKIMIZUKI/

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