語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2024年03月24日(日)

桜の小枝

ボクの宿主は19歳、パティシエを目指している、希ちゃんです。

修行の毎日は単調で、今日は気分転換。
草木染めの体験バスツアーに参加しているよ。

職人さん「ようこそ、いらっしゃいました」

山あいにある草木染め工房の職人さん。

職人さん「今日はみなさんに、“桜染め”を体験してもらいます」

希ちゃん「へ〜、桜染めかぁ〜。
お菓子もこの時期は、桜をよく使うもんね〜。
でも、このあたりは、まだ桜が咲いていないみたいだけど…」

心の中で、そう思っていると…。

職人さん「今日の主役は、こちら、桜の小枝です!
桜染めには、花ではなく小枝を使うんです」

希ちゃん「え〜、そうなのぉ?」

職人さん「これを煮出していくと、キレイな桜色が現れるんですよ。
桜は美しく咲くために、冬の間、少しずつ、枝の中に色をたくわえているんです」

へ〜、知らなかったね、希ちゃん。

希ちゃん「パティシエとして花を咲かせるには、私も技術をたくわえないと、ってことかなぁ」

あは!
希ちゃんの頭の中は、いつだって夢のことでいっぱいなんだね。
ボク、感心しちゃうよ。

番組は来週で最終回だけど、ボクら乳酸菌は、夢に向かって頑張る希ちゃんを応援しているよ。
もちろん、これからもずっとね。

じゃあ、また、日曜のお昼に!
 
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