語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2016年10月23日(日)

カマンベールチーズと怪獣

ボクの宿ぬしは、32歳の美術教師。
5歳になるユヅルくんの、パパさんでもあります。
秋晴れの今日は、ふたりで初めて美術館に。
芸術の秋だねぇ。
パパさんは、ユヅルくんにも、たくさん絵を見せて、美術を好きになってもらいたいんだよね。

宿主:「この、時計がグニャとしているのはね、カマンベールチーズが溶けているのを見て、発想したんだって!スゴイだろ〜」
ユヅル:「う〜ん…、べつに」
あぁ〜あ。ユヅルくん。
絵には全然、興味がないみたい。
パパさん、がっかり…。

ところが、帰りの電車の中。
窓から外を眺めていると…。

ユヅル:「パパ!見て!怪獣、怪獣がいるよ!」
宿主:「えっ!怪獣?!」 
すると、そこには、建設中の高層ビル。
あは!ユヅルくんには、あのビルとクレーンが怪獣に見えるんだ!
宿主:「へー、ユヅルの想像力も、なかなかのもんだな〜」
うふ。パパさん、とっても嬉しそう。
ユヅルくんが美術を好きになる日も、
そう遠い話じゃないかも。
このまま、のびのびと育って欲しいね。

ボクら乳酸菌は、その健やかな成長を応援するよ。
想像してみて。おなかの中で、ボクら乳酸菌が活躍しているところを。

じゃあ、また、日曜のお昼に!