語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2020年05月03日(日)

菖蒲湯の湯加減

ボクの宿主は、73歳、
孫のケイゴくんが気がかりな次郎さんです。

ケイゴくんはサッカー少年。
でも…、試合に勝ったことがなくて、自信をなくしているみたい。

ケイゴくん:「どうして、いつも負けちゃうんだろう?」

同級生から「弱小チーム!」って、からかわれるんだって。
かける言葉が見つからないね。

ところが…。

次郎さん:「お! もうすぐ端午の節句か」

突然、名案を思いついた次郎さん。
今夜は、ケイゴくんを誘ってお風呂に入ることに。

ケイゴくん:「えッ!! お風呂の中に長ネギが入ってるぅ〜」

次郎さん:「長ネギじゃないよ! 菖蒲っていう薬草だよ。
昔から菖蒲湯に入ると、邪気が払えるって言われていてね」

ケイゴくん:「じゃき…?」

次郎さん:「そう。ケイゴの場合は“また負けちゃうかも”っていう弱気が邪気なのかなぁ〜。
それに、菖蒲湯は“菖蒲”だけに、“勝負強くなる”ってさ」

でた! オヤジギャグ!
でも、昔からの風習、ケイゴくんにも信じてもらいたいね!
どう、ケイゴくん?

ケイゴくん:「よくわかんないけど、菖蒲湯ってポカポカだね〜」

あは! 次郎さんのあったかい気持ちは、届いたみたい。

次郎さん:「ほんと、いい湯加減だ〜」

ボクら乳酸菌は、小さくたって強いのさ!
弱小じゃなくて、細くて強い、細強チームなんだ!
じゃあ、また、日曜のお昼に!