語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2020年10月04日(日)

負うた子に教えられ

ボクの宿主は46歳。
タクシードライバーの修平さんです。

今日は息子の健斗くんを乗せて、休日ドライブです。

パパさん:「よし! じゃあ、今日は、健斗にタクシードライバーの心得を教えてあげよう!」

健斗くん:「えー、安全運転だけじゃないんだ」

パパさん:「そりゃそうさ。パパが気をつけていることは、空気を入れ替える、空気を読む、空気になる。この3空だ!」

あは! 3密ならぬ、3空ね。

パパさん:「お客さんを降ろしたら、まず窓を開けて空気を入れ替えるだろ〜、
それから、お客さんの空気を読んで、話しかけたり、沈黙したり。」

健斗くん:「ふーん。それで? 空気になるっていうのは?」

パパさん:「あぁ、これがもっとも修行が必要なんだけど、ラブラブのカップルが乗って来たら、存在を消して空気になるんだ」

パ、パパさん。
10歳の健斗くんに、そのニュアンスはわからないんじゃないかな〜?

ところが…。

健斗くん:「あぁ、それなら、僕、得意かも。
パパとママがケンカしている時は、いつも存在を消してるもん」

パパさん:「えぇ!!」

あは! パパさん、知らないうちに健斗くんに気を使わせていたみたいだよ。
パパが教えるつもりが、健斗くんに教えられちゃった!
これからは気をつけなくちゃね!

ボクら乳酸菌も、腸内細菌同士のケンカには気をつけて、おなかの調子を整えているよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に!