語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2021年03月07日(日)

遠くの親戚 育む絆

ボクの宿主は33歳。
10年前、東日本大震災で被災したアツシさんです。

今でも思い出してしまう、あの頃のこと。

アツシさん「はぁ〜、あったかいもの、食べたいなぁ〜」

被災してひと月がたっても、ガスの復旧がすすまず、不安で寒くて心細い日々。

かあちゃん「ほんと、お風呂にも入りたいね〜」

かあちゃんも疲れがたまっているみたいで、ボク、とっても心配だったんだぁ〜。

でも、そんなアツシさんたちを救ったのは…。

かあちゃん「あら、福岡のお姉さん。はい。えぇ、はい、はい。なんとか。ええ、何度もありがとうございます」

アツシさん「はーい!」

アツシさん「えっ! マジ?! かあちゃん、かあちゃん!
大阪のおじさんから、カセットコンロとガスボンベが届いた!」

かあちゃん「えーッ! もう5年近く会ってないのに〜?」

アツシさん「これでいつでもカップラーメン食えるよ〜」

全国にいる親戚から、安否を気遣う連絡とあったか〜い届け物。
あの時は、泣けてきちゃったね〜。

あれから10年たった今では、疎遠だった親戚とも頻繁に連絡をとりあって、ますます絆を深めているアツシさん!

ボクら乳酸菌も、負けていられないなぁ〜。
絆って、日々の積み重ねでもっと強くなるんだ!

じゃあ、また、日曜のお昼に。