語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2021年05月23日(日)

押したり引いたり

ボクの宿主は29歳、新婚のユージさんです。

奥さん「なんで、カメ?
ペットなら、ハムスターだってインコだっていいんじゃない?」

新居に越して、1ヶ月。
ペットを飼うことにしたんだけど、奥さんのミキちゃんと意見が合わないんだよね。

生まれ育った環境が違うから、しかたない…。

ユージさん「このマンションだってミキの実家の近くにしたんだし、柔軟剤もミキの好きな香りで文句は言わないからさ、ペットだけは、ボクの好きな生き物を飼わせてくれよ〜」

あは! ユージさん、必死だね〜。

奥さん「もう、カメのどこがそんなにいいわけ?」

ユージさん「どこって…」

さぁ、ユージさん、奥さんを説得するチャンスだよ!

ユージさん「だって、ミキに似てるじゃん」

奥さん「はぁ? 私の顔がカメみたいだってこと?」

ユージさん「いや、ちがうちがう! そうじゃなくて(汗)
カメって、スローテンポだけど、コツコツ努力するイメージがあるでしょ。
童話の『ウサギとカメ』の影響でさ。
そういうところ、ミキにもあるじゃない。
そこがさ、たまらなく好きなんだよ。ボクとしては。」

奥さん「えー、なに、それ〜
まぁ、そこまで言うなら考えてみても…」

あは! ユージさん、お見事! 奥さんを説得できそうだね。

夫婦円満の秘訣は、押したり引いたりのバランス。
お互い譲り合って、ふたりの生活を作り上げていってほしいな。

ボクら乳酸菌も、絶妙なバランスでおなかを整えているからね。

じゃあ、また、日曜のお昼に!