語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2021年11月21日(日)

ともに白髪の生えるまで

ボクの宿主は28歳。
本日お誕生日のカエデさんです。

おしゃれして、タクミさんと待ち合わせ。
付き合って3年。今日あたり、プロポーズされちゃうかも。

カエデさん「海の見える公園かな? 夜景の素敵なレストランだったりして!」

今日はどこに連れて行ってくれるんだろうね。

あ、タクミさん、登場!

タクミさん「じゃぁ、行こうか!」

そう言って、到着したのは、動物園。

久しぶりの動物園は楽しいけれど…。

カエデさん「プロポーズには程遠い場所だなぁ〜」

そう思いながら、ニホンザルを眺めるカエデさん。

すると…。

カエデさん「あ、うちの両親みたい。
うちって、お母さんの白髪をお父さんが切ってあげてるんだけど、その様子がさぁ〜、まるで毛づくろいみたいなんだよね〜」

タクミさん「へー、そうなんだぁ〜。いいご両親じゃ〜ん。
ボクたちも、そんな風に歳を重ねられたらいいよね〜」

カエデさん「うん。……ん? それって…、もしかして…」

タクミさん「あ、うん。
“ともに白髪の生えるまで”よろしくってことなんだけど…」

カエデさん「えぇー、プロポーズぅ〜?」

あは! ロマンチックな場所じゃなかったけれど、正真正銘、プロポーズみたい!
よかったね、カエデさん。

カエデさん「こちらこそ、よろしくお願いします」

ボクら乳酸菌も、一生をともにするパートナー。
歳を重ねても、おなかの中から見守っているよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に!