語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2022年04月03日(日)

門番の掃き掃除

ボクの宿主は26歳。
コンビニで働く山本さんです。

朝一番の仕事は、店先の掃き掃除。
いつもキレイにして、お客さんを迎えているけれど…。

おばちゃん「あれ? どうしたの〜、今日は元気ないじゃない」

おとなりの和菓子屋のおばちゃんも気づいたみたい。

山本さん「実は、本店に異動になって、商品開発をすることになったんですけど…、自信ないんですよ〜」

あれれ、随分、弱気だね〜。
やる前からそんな調子で、ボク、心配だなぁ〜。

ねぇねぇ、おばちゃんからも発破かけてよ!

おばちゃん「大丈夫! 大丈夫!
あのね、桜餅ってあるでしょ。
あれは江戸時代に、お寺の門番をしていた人が、門前に落ちた桜の葉の掃除をしていて思いついたアイディアなのよ」

山本さん「へー、そうなんですね〜」

おばちゃん「それが大ヒットして、何百年も売れてるんだからさぁ〜」

山本さん「そっかー。どんな人でも、やってやれないことはないってことかぁ〜」

さすが、おばちゃん!
和菓子屋さんらしい、いいアドバイスだね〜。

おばちゃん「つまり“掃除をすればアイディアが思いつく”ってことでさ、ホラ、うちの店先も掃除させてあげるから、元気だして!」

あは! おばちゃん、どさくさに紛れて、ちゃっかりしてる〜!
でも、どうやら、山本さんの背中は押せたみたいだよ。

山本さん「いらっしゃいませ〜」

ボクら乳酸菌は、新年度もみんなの背中を押し続けるよ。
新しい環境でも、頑張ろうね!

じゃあ、また日曜のお昼に!