語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2012年03月25日(日)

引っ越しの日

ボクの宿ぬしは、22歳の女性です。
彼女、この春から、新社会人。
今日は、お父さんの手を借りて、東京へ引っ越しです。

レンタカーのトラックに荷物を積んで、いよいよ出発!
お父さんの助手席…、久しぶりだね。
ねぇ、お父さんの腕、なんか、昔より細くなった…?
でも、ここまで育ててくれて、「ありがと。」だね。

そんなこと考えてたら、お父さんがポツリ…。
「たまには写真くらいよこすんだぞ…。ほ、ほら、ケータイで…。」
お父さん、昔のアルバムも、ロクに見ないじゃんね…。
「この写真じゃあ、ちょっと古いからな…」
え?…あ、これ、ねぇ、小さい頃の…。
サイフにこんなの入れてたんだ!?
お父さんの太い腕につかまって…、すっごい笑ってる。
「たまには帰るんだぞ。うん、彼氏とでもいいから…」
ありがと。 お父さんに負けないくらいの彼氏、連れて行こうね!

ちなみに、お父さん、ボクら乳酸菌は、おなかのなかから、彼女を見守りますからね。
じゃあ、また、日曜のお昼に。