語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2013年12月22日(日)

小さなサンタのプレゼント

ボクの宿ぬしは、19歳の男性です。
彼、学生の傍ら、ミュージシャンを目指して…。
駅前の広場で、ギター1本。
でも、立ち止まる人もいなくて…。

乾いた空気に、歌声だけが、よく通るね…。
…と、目の前を通りかかった、一組の親子が…。
息子:「買ってよぉ〜! あのトナカイさん、買ってよぉぉ〜!!」
あ〜あ、駄々こねちゃって…。そうだ!ここは…
宿主:「ねえ、ボク、お兄ちゃんからのプレゼント、いくよ。」

♪〜彼が「赤鼻のトナカイ」を歌う。
あ!見て見て!男の子が泣き止んで…。
気がつけば、パパとママも、いっしょに手拍子。
と…

母親:「あの、ありがとうございます!佳介、ほら、お礼!」
男の子:「お兄ちゃん!ありがとう!」
すると…、ああ!見て!
周りに、ちらほらと人だかりが…。
ねえ!これ、チャンスじゃない?

小さなサンタの、プレゼント。
いつか、大きなステージでのライブを夢見て…。
今日のこと、忘れずにいようね。
ボクら小さな乳酸菌も、おなかのなかで、キミの歌声に癒やされているよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に。