ボクの宿ぬしは、19歳の男性です。
彼、学生の傍ら、ミュージシャンを目指して…。
駅前の広場で、ギター1本。
でも、立ち止まる人もいなくて…。
乾いた空気に、歌声だけが、よく通るね…。
…と、目の前を通りかかった、一組の親子が…。
息子:「買ってよぉ〜! あのトナカイさん、買ってよぉぉ〜!!」
あ〜あ、駄々こねちゃって…。そうだ!ここは…
宿主:「ねえ、ボク、お兄ちゃんからのプレゼント、いくよ。」
♪〜彼が「赤鼻のトナカイ」を歌う。
あ!見て見て!男の子が泣き止んで…。
気がつけば、パパとママも、いっしょに手拍子。
と…
母親:「あの、ありがとうございます!佳介、ほら、お礼!」
男の子:「お兄ちゃん!ありがとう!」
すると…、ああ!見て!
周りに、ちらほらと人だかりが…。
ねえ!これ、チャンスじゃない?
小さなサンタの、プレゼント。
いつか、大きなステージでのライブを夢見て…。
今日のこと、忘れずにいようね。
ボクら小さな乳酸菌も、おなかのなかで、キミの歌声に癒やされているよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。