語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2014年04月06日(日)

小さな花

ボクの宿ぬしは、20歳の女性です。
女優を目指し、日々、小さな舞台でがんばる、彼女。
でも、まだまだ脇役ばかりで、今日の稽古も、いっぱいダメ出しされちゃった…。

マネージャーの佐藤さんと、とぼとぼ帰っていると…。
沿道には、綺麗な桜並木。
宿主:「あーあ、桜みたいになれたらなぁ…」
なかなか「華」になれない、彼女。
すこし歩いて、公園のベンチに座っても…。

宿主:「わたしなんて、この花みたいなもんかも…。」
足もとには、白くて小さな、シロツメクサ。
ちょっとちょっと!瞳ちゃん、元気を出して!
…すると、佐藤さん。

佐藤さん:「うん、瞳ちゃんに、ピッタリかも。」
ええ!佐藤さん…。
そこ、もうちょっと、フォローしてよ!
と…。

佐藤さん:「シロツメクサの葉っぱって、クローバーだろ?」
宿主:「ああ、クローバー…」
佐藤さん:「四葉のクローバーみたいなもんだよ。」
え?四葉のクローバー?
佐藤さん:「瞳ちゃんは、まだ見つけてもらえないだけ。見つけてもらえれば、もっと、人を喜ばせられる。」

いつか、演技で人を喜ばせる、女優さんに。
ボクら小さな乳酸菌も、おなかという舞台で、健康を見守っていくよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。