ボクの宿ぬしは、48歳の男性です。
彼、奥さんと花火大会。
昔は、毎年のように娘の珠代ちゃんを連れてきたけど、今は、ふたり。
河川敷までの道も、すっかり景色が変わって…。
昔の面影は、あまりないね。
会場に近づくと、夜店がちらほら。
と、奥さんが…
奥さん:「ねえねえ、あの綿菓子屋さん!」
ああ!昔、よく立ち寄った綿菓子屋さん。
屋台のおじさん:「らっしゃい!らっしゃい!」
あのおじさん、ぜんぜん変わってないね。
ねえ、ちょっと寄ってみない?
屋台のおじさん:「お!いつものご夫婦!」
うわぁ、憶えていてくれたの?
屋台のおじさん:「そうだ、ほら見て、これ!」
ああ!それは…。
昔、オマケしてくれたおじさんに珠代ちゃんがあげた、オモチャの腕輪!
屋台のおじさん:「今じゃ、これがないと、なんとなく調子が出なくてね!」
時は流れて、珠代ちゃんも、大学生。
親子三人、手を引いて歩いたのは、花火のようなひとときだったけど…。
ここに来る度に、思い出せるね。
ボクらも、変わらず、おなかに元気を打ち上げていくよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。