語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2014年11月16日(日)

酉の市のおじさん

ボクの宿ぬしは、40歳の男性です。
彼、奥さんとふたりで、居酒屋を始めて、3年。
商売繁盛を願って、今年も、酉の市へ。

訪れたのは、いつもの熊手屋のおじさん。
熊手屋のおじさん:「お!今年も来たね!ご両人!」
すると、奥さん…。
奥さん:「ねえ、今年は、ちょっと大きいやつにしようよ!」
少し大きめの熊手を選んで、値段交渉。

奥さん:「う〜ん、1万3千円!」
熊手屋のおじさん:「1万7千円!」
奥さん:「1万5千円!」
熊手屋のおじさん:「うー…ん、まけたまけた!よし!1万5千円!」
…でも、値切った分は、熊手屋さんへのご祝儀に。
これぞ、熊手の粋な買い方。
と…。
熊手屋のおじさん:「粋だねぇ!奥さん!…それじゃあ、家内安全、商売繁盛を願って!イヨォー!!」

帰りがけ、「ウチの居酒屋にもどうぞ」と、お店の名刺を渡すと…。
熊手屋のおじさん:「こちらのご夫婦、この近くで居酒屋やってま〜す!皆さん!お店の名刺、もらってやってくださ〜い!」
ああ!いきなり宣伝!
ねえ、おじさんこそ、福を掻き込む、熊手だね。

ボクらも、おなかのなかに、健康という福を掻き込むよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。