語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2015年01月18日(日)

思い出のベビーカー

ボクの宿ぬしは、39歳の女性です。
彼女、町内会のリサイクルバザーに。
敷物を広げて、売り物を並べて…。
今回の目玉商品は、ベビーカー。

二人の娘たちも7歳と5歳になって、いつの間にか使わなくなっていたけれど…。
ぽかぽか陽気の日には、公園に行ったり、旅行先でも大活躍。
夏、夕立にあって、急いで押して帰った日もあったね。
いろんな思い出が詰まっていて…。
いざ手放すとなると、ちょっと、寂しいかも。

そんなことを思っていると…。
お母さん:「すみません。」
と、声を掛けてきたのは、小さな赤ちゃんを抱えたお母さんと、お父さん。
お母さん:「このベビーカー、見せてもらってもいいですか。」
畳んであったベビーカーを丁寧に開いて、ご夫婦で品定め。

お父さん:「こどもを乗せてみても、大丈夫ですか?」
…と、お父さん。
「どうぞ」
お母さん:「ようちゃん、乗り心地、どうかなぁ?」
…ああ、赤ちゃん、あんなに笑って!
ご夫婦も、嬉しそう。

なんだか、昔の娘たちを見ているみたい。
ねえ、ベビーカーも、この家族となら、幸せに働けるかもね。
ボクらも、みんなのおなかで働くことが幸せ。
健康のために、張り切っていくよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に。