読み活
2015.04.14
「ごはんの本を愛してやまない、関口靖彦です。」
先週にひきつづき、この趣味の世界へ!本とコミックの情報誌、ダ・ヴィンチ編集長の関口靖彦さん!
本好きの人って、実は困ることがあるようです。
Q.本が好きで、困ることってありますか?
「そうですね。本人も困るんですけど、端的に言うと、周りの人の方がも困る感じで。最近出た、「本で床は抜けるのか」という凄いタイトルの本。これは本当に本を持て余した著者が色々な人のところに、本どうしてますか?というのをきいて歩くというノンフィクション作品。すると、そこに出てくる家族が凄い困っているという話が続出して。後、引っ越しの業者さんや不動産屋さんも、読書家が来ると大変困るそうです。実際に床が抜けるまでいかなくても、木造の古いマンションだと結構床がへこむ位は割といくんです。さらに困るというのは、本が好きな人同士で付き合ったり結婚する人も多くて、そうすると本が2倍溜まるんですよ。我が家も編集夫婦なので、それぞれ本を買ってきて。またそこでダブったり(笑)」
確かに本って集まるとすごい重さに!引っ越しの時とか驚愕しますよね!笑
さて、続いて、食べ物が出てくる本の話。
Q.関口さんが食べてみたいなと思う、本に出てくる料理はなんですか?
「ちょっと怖いタイトルなんですけど、「鰌地獄と龍虎鳳」という南條竹則さんという方の本。この「鰌地獄」というものが、昔から有名な、有名な料理ではあるんですが・・・。お鍋にドジョウとお豆腐を入れて、火をかけると、ドジョウが熱がって豆腐に潜り込んで、大変美味しいドジョウ詰めの豆腐が出来上がるという料理。これが、色々な本に出てくるんですけど、実際には出来ないらしいんです。なので、食べてみたいんですけど、食べた人がいないという幻の料理なんです。」
確かに、食べれないって聞くと、ますます食べたくなりますね〜。
Q.他におすすめの食べ物が出てくる本は?
「本当に色々あるんですが、久住昌之さんという「孤独のグルメ」という、ドラマ化もされた漫画の原作を書かれていた方。久住さんはエッセイ集もたくさん出されているんですけど、「昼のセント酒」という本があって。セント酒というのは、「真っ昼間の銭湯上がりの生ビール」みたいな事。飲む人にはたまらないと思うんですけど。言われると凄く良いもの。多くの方が経験があること。それが本のタイトルや文章として切り口がまとめられていると、今迄もやもやとしていた、自分も経験していたのに特別それが素晴らしいと気づいていなかったものに凄く良いラベルをつけてもらったような再発見ができると。
「これからは俺も意識を持って昼のセント酒を楽しもう」と思えるような、新しい視点が自分の食べる楽しみに加わるというのは、自分の中に無い視点を他の作家さんから学ぶという。本を読む楽しみ自体、そういうことだと思うんですけれど、自分が経験したことのない感情や、経験しているけど名前がない、もやもやしていることに言葉を与えてくれるというのが、やはり本の最大の喜びで、ごはんについてもそれが色々あるなと思います。」
昼のセント酒。確かに、改めて言われてみると、最高の幸せかもしれないですね。
★「泥鰌地獄と龍虎鳳」はこちら!
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今月のダ・ヴィンチはNARUTO特集!三浦春馬さんの表紙が目印です!

