2014/01/31 O.A

立春は目の前、でも、今が一番寒い季節ですよね。心も身体も冷えきってしまったら…温かい珈琲が飲みたくなります。それも、ちょっとレトロで味わい深いあの、場所で!ということで今日のコードは「喫茶店」♪

■今週のChordは “喫茶店”

TEA FOR TWO / カウント・ベイシー&エラ・フィッツジェラルド
喫茶店はジャズが似合いますよね。邦題は「2人でお茶を」。
そう、カフェじゃなくて「喫茶店」。蔦が絡んだ入口をくぐればマスターがロースターを回しつつ黙々と豆を焙煎している…そんなイメージの「喫茶店」ってオープンな雰囲気があまりないので、最初に足を踏み入れるときはちょっとした緊張感が漂いますよね。
喫茶店の歴史をちょっとひもといてみると…日本初の本格的なコーヒーを出す喫茶店は上野の「可否茶館(かひさかん)」でした。残念ながら1888年・明治21年の開店から4年後にお店は経営がたちゆかずに閉鎖。今はお店の跡地に記念碑が建っています。その後様々な形態のお店が登場し、普及も進んでいわゆる「喫茶店」の全盛時代が続いたといわれています。
私がよく喫茶店に行くようになったのは、やっぱり学生時代。神田駿河台の「ミロンガ」。昭和28年にタンゴが聴ける喫茶店として創業。現在「ミロンガ・ヌォーバ」と名前を変えて、ビールも味わえるお店になっています。ちなみに、“純喫茶保存協会”の会長によれば、大正から昭和初期にかけて喫茶店が普及する中、女性がアルコールを給仕するお店が現れて、こちらを「特殊喫茶」と呼ぶようになります。そことの区別をはかるため、純粋にコーヒーや紅茶を提供するだけのお店を「純喫茶」と呼ぶようになりました。「純喫茶」と名前がついたお店は、当然、歴史のあるお店が多いわけですね。日常からのタイムスリップを楽しめる「純喫茶」、ぜひ、勇気を出して重い扉を開けてみてください。

Unison / Jamie Cullum
昨年リリースされたアルバム『momentum』から、今日のコード「喫茶店」にちなんだ選曲です。
永遠の喫茶店定番メニューというものもありますね。トーストにゆで卵とコーヒーの「モーニングセット」、スパゲティナポリタン、フルーツパフェ、クリームソーダ、チーズケーキ…。
東京だけじゃなくて、全国各地に名店があります。旅先で歩き疲れてちょっとひといき…、偶然入った喫茶店が心に残ったりします。たとえば名古屋。独特の喫茶店文化がありますよね。私がおすすめしたいのは名古屋のチェーン店「コンパル」!昭和22年の創業以来、変らないブレンドコーヒーは、「濃厚な深みのある味わいとまるみのあるコク」が特徴だそうです。そして、昭和35年から本格派のサンドイッチをメニューに加えて、中でもエビフライサンドは人気の一品!もちろん小倉トーストもあります!私は名古屋駅地下にある店舗に立ち寄ります。
名古屋でもうひとつ、忘れちゃいけないのが「コメダ珈琲」。どえりゃーでかいクロワッサン生地のパンケーキにソフトクリームがてんこもりの「シロノワール」など、名物がたくさんあります。朝11時までに珈琲を頼めば卵とトーストがついてくるとか、ドリンクにはサービスで豆菓子がついてくるとか、洗練されすぎていないからすっぴんでも入りやすいとか、さまざまな工夫で人気を集めて、いまや全国各地で展開中です。
喫茶店はマニュアル化されていないサービスがうれしかったりしますよね。家と学校、仕事場の間にある寄り道・道草の場所。行きつけの喫茶店があれば、何かあったときにも、きっと大丈夫!そう思えるような一軒を、見つけましょう。

まちぶせ / 松任谷 由実
今日のコードから私の曲を。
喫茶店もいいけど、ホテルのラウンジもまた居空間。丁寧に淹れてもらったコーヒーをぼーっとしながら飲むだけで、心も身体もゆるみますよね〜。そんな体験も、ぜひどうぞ!
今年も「SURF&SNOW in Naeba」がいよいよスタートします。34回目を迎える今年は2月6日を皮切りに全8公演の予定です。当日券のご用意も若干ありますので、くわしくは私のオフィシャルサイトを見てみてください。苗場でお会いしましょう!
今日は「喫茶店」というコードでお話してきました。喫茶店のマスターはみな、コーヒーの奥深さにはまってしまって…とか、人が集まる場を作りたかった、といった理由でお店を始めているそうです。喫茶店ではできれば、スマホや携帯の電源をオフにして過ごしたいですよね。今日の午後や今週末は勇気を出して、日ごろから気になっていたツタのからまる喫茶店にぜひ入ってみてください!思いがけず豊かな空間がきっと、広がっていると思いますよ。