2014/09/05 O.A


満ちてゆく惑星、気まぐれな彗星。星雲は、新たな星が生まれるきざし。人工衛星も、静かに地球を見守っている。
たとえば広い宇宙には、地球の夜の輝きに、願いをかけている誰かがいるかもしれない。見えない星が、私をいつも見つめてる。都会の夜空だって、本当はとてもにぎやかなのだ。 

■今週のChordは “天体観測”

A-Sky-Full-of-Stars / Coldplay

「天体観測」というと大げさですが、私も子どもの頃から星空を見上げるのが好きでした。昨今の「天体観測」ブームの火付け役は4年前のはやぶさの帰還がきっかけだとか。その後、2012年5月の金環日食は記憶に新しい一大天体ショーでした。ご近所どうし、はじめて顔をあわせて一緒に日食を楽しんだ、なんて人もいましたよね。
天体観測を気軽に楽しむ「宙ガール」なんていう言葉もできて、ブームはまだまだ続いているようですが私も宇宙とか天体の動きには興味があります。
火星の地下には氷が発見されたりしていて、太古の時代に水があった、またかつて温暖だった、四季の変化もあるということで、生命体が存在するのか?存在したのか?とも言われています。2030年代には各国が火星に有人探査機を送り込むことを宣言しているので、火星人の住居跡とかが見つかったりするかも?火星は人類が移り住む天体の第一候補にもなっているらしいです。夢はふくらみますよね。
あとは、たまに星だと思っていたら人工衛星だった、なんてこともあります。人工衛星は破片も含めると地球のまわりを9000個近く周っているんだとか。流れ星やUFOと間違われたりもするみたいです。
天体観測の一番人気といえば流れ星。ふだんでも暗い夜空を見上げていると、1時間に10個くらいは見られるそうなんですが、これは「散在流星」と呼ばれる、気ままな流れ星。ちなみに流星とは、宇宙空間に浮かぶ小さな“ちり”が地球の大気に飛び込んできて、摩擦で温度が上がって蒸発した「ガス」が光を発しているもの。その正体がわかるとロマンに欠けますけど、流れ星に思いがけず出会えたら、やっぱりテンションはあがりますよね。

Waiting For A Star To Fall / Boy Meets Girl

秋というのは一年中を通じて見える星の数が少し寂しい時期なんだそうです。でも、目立つ星がいくつかあるようで、頭上高くで光る4つの星“ペガススの大四辺形”。
それと、秋の空で唯一の一等星が、南の空の低い位置に輝くフォーマルハウト。みなみのうお座の一部で、フォーマルハウトとは「魚の口」という意味だそうです。ぜひ、探してみてくださいね。
毎年決まった時期に空の1点から放射状にたくさん流れる星が「流星群」。これはイベントとして楽しめます。中でも毎年たくさんの流星に出会える“三大流星群”は、1月の「四分儀座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」、そして12月の「ふたご座流星群」。どれも1時間に100個くらいは見えるそうです。
今年の夏の「ペルセウス流星群」は8月12日の日暮れから13日未明にかけて、見えた方はいましたか?
私が思い出すのは98のしし座流星群を湘南の海辺で観たことかな。しし座流星群は33年ごとに雨のように星が降る「流星雨」が出現するんですけど、最近だと1998年から2001年の間が大出現の年。私もまさにその98年に流星雨を浴びました!11月の半ば過ぎくらいだったかな。
私も曲を書いたことのあるジャコビニ流星群は10月8日から9日にかけて見えるもので、正式には10月りゅう座流星群といいます。今年は10月9日の朝に見えるはずですが、満月の月明かりが重なって見えにくいかも知れません。
私たちに身近な天体といえば月ですよね。9月8日の月曜日、この日の月は十五夜、つまり「中秋の名月」です。いわゆるお月見を楽しむ日ですよね。満月の1日前でほんの少し欠けた月になるそうですが、ゆっくり月を眺められたらいいですね。
その一ヶ月後、10月8日は皆既月食の日。宵の東の空に注目です!東京でいえば、月食の始まりが午後6時14〜5分。月が完全に地球の影にかくれる「皆既」の状態になるのが午後7時24分から6分、およそ1時間ほど、赤銅色のあやしい月が観測できるそうです。
「天体観測」と構えることなく、折々に夜空を見上げてみる。そしてその先に広がる宇宙へ想いをはせてみたら、心も広〜くなるかもしれません。

サファイアの9月の夕方 / 松任谷 由実

秋から冬にかけては天体観測にぴったりの時期。流星群に出会うチャンスが続きます。
まず、来月10月21日・22日には「オリオン座流星群」が見られます。24日が新月なので、夜空も暗くてよく見えそうですよ。11月には「しし座流星群」も見えるといわれています。
ピークは11月18日の午前7時頃ということなので、早起きするといいのかな。そして12月14日には「ふたご座流星群」が見えます。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
都会に住んでいるとなかなか星も見えないんですが、旅に出るとびっくりするぐらい満天の星が見られますよね。モンゴル、アフリカあたりはものすごい星の数でした。でも、たとえベランダから見上げる小さな空でも、たったひとつ輝く星が見つけられたら、それだけで幸せな気分になれますよね。そんな時間を、大切に。