Yuming Chord
松任谷由実
2013.10.18.O.A
秋は､何かとお出かけの機会も増えますよね｡その前に必ず向かい合って､今日の自分を確かめるもの､ほとんどの女性にとっては､なくてはならない必需品！ということで､今日のChordは｢鏡｣です｡
■今週のChordは “鏡”
今だけを きみだけを
松任谷 由実
11月23日ﾘﾘｰｽのﾆｭｰｱﾙﾊﾞﾑ『POP CLASSICO』から､ﾄﾞﾗﾏ｢ﾀﾞﾝﾀﾞﾘﾝ｣の主題歌です｡
現実と幻想を映し出す人類最大の発明品､とも言われいる｢鏡｣｡ﾏｰｸ･ﾍﾟﾝﾀﾞｰｸﾞﾗｽﾄの本『鏡の歴史』には､“私たちは､この光を反射する表面を､真実を明らかにするためと､真実を隠すための両方に使い､宗教､美術､魔法､科学といった様々な分野で利用してきた”とあります｡
私が｢鏡｣に対してもつｲﾒｰｼﾞはやっぱり･･･魔術かな｡｢魔法の鏡｣という曲もかいたことがありますしね｡鏡のもつﾊﾟﾜｰは､古代から色々な説があったようです｡たとえば鏡を死者とともに埋葬する風習は世界各地にあって､｢死者の魂を守る｣｢来世へ旅立つときに髪の乱れを直せるように｣etc｡そんな意味がこめられていたんですって｡十八世紀には､贅沢な品であり､風紀を乱すから､と禁止してしまった国もあったとか｡反対に､自分自身を観察して身を正すため､教育者であり､美しさを生み出すもの､という考えもあったそうです｡人に見られる仕事柄､私は｢鏡｣に向かっている時間は長いですけれど､私にとって｢鏡｣は､自分を客観視するもの､｢Yuminｇ｣に変身するために欠かせないもの｡
Man In The Mirror
Michael Jackson
今日のｺｰﾄﾞからの選曲｡1987年ﾘﾘｰｽの名盤『BAD』からの1曲｡ｻｲﾀﾞｰ･ｷﾞｬﾚｯﾄとｸﾞﾚﾝﾊﾞﾗｰﾄﾞの共作！
日本でも古代から鏡は貴重品｡三種の神器といえば､草薙剣､八尺瓊勾玉､そして八咫鏡です｡先日の伊勢神宮の式年遷宮でも､絹におおわれた御神体のひとつが｢鏡｣､と言われていました｡｢刀は武士の魂､鏡は女の魂｣なんて古い言葉もあるそうです｡
いずれにせよ､鏡には力がある､とされてきた日本｡色々な民間伝承もありますよね｡鏡は女の魂､といえば､昔はどの家にも鏡台がありましたね｡普段は布がかけられている鏡台｡荒井家にもありました･･･｡鏡の魔法を使っている場所､といえばお店の試着室｡たまに､やせて見える鏡､ありますよね｡｢ｼｪｲﾌﾟｱｯﾌﾟﾐﾗｰ｣などと呼ばれているこの鏡､裏側の金具を調節してﾌﾗｯﾄな鏡を少しだけ凸面鏡にして細く映す仕組みなんだそうです｡これは､自分を都合よく見せてくれる鏡｡その対極に､｢ﾄｩﾙｰﾐﾗｰ｣｢ﾘﾊﾞｰｻﾙﾐﾗｰ｣と呼ばれる鏡もあります｡これは､いつも反転した姿しか見られない鏡を左右正しく見せてくれる鏡｡これを見ると｢自分の顔じゃない！｣｢自分がこんな顔なんて外を歩けない！｣と､悲鳴をあげる人もいるんだそうです｡私は､現実を正しく映して厳しく自分を律する鏡を持ち続けなくちゃ､ と常々思っています！
魔法の鏡
荒井 由実
今日のｺｰﾄﾞから私の曲を｡
ここでお知らせです！いよいよ11月20日に､2年7ヶ月ぶりのｵﾘｼﾞﾅﾙｱﾙﾊﾞﾑを ﾘﾘｰｽします｡ﾀｲﾄﾙは『POP CLASSICO』｡まさに､現実と夢､その両方を映し出す｢鏡｣のように､｢ﾚﾄﾛとﾌｭｰﾁｬｰ｣｢うたかたと永遠｣｢有限と無限｣･･･対極にあるものたちが織り成す､松任谷由実の新たな世界を封じ込めました｡
さらに､ｱﾙﾊﾞﾑ発売当日から全国ﾂｱｰもｽﾀｰﾄ｡よこすか芸術劇場を皮切りに2014年7月まで､全国35都市全64公演の予定です｡そのﾂｱｰの詳細を含めて､『POP CLASSICO』特設ｻｲﾄを開設中！ぜひ､ｱｸｾｽしてみてくださいね｡
最新ｱﾙﾊﾞﾑ『POP CLASSICO』のｼﾞｬｹｯﾄを含めたｱｰﾄﾜｰｸの撮影で､まる三日間､鏡の前で七変化､いや､十一変化した私｡それはそれは大変でしたけど､『POP CLASSICO』特設ｻｲﾄで､そのﾋﾞｼﾞｭｱﾙが見られますので､よかったらﾁｪｯｸしてみてください！森本千絵さん渾身のｱｰﾄです！見飽きないですよ〜！また来週も､この時間にお会いしましょう｡ いよいよ『POP CLASSICO』から新曲をｵﾝｴｱする予定ですのでお楽しみに｡
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