Yuming Chord
松任谷由実
2014.08.15.O.A
♪Onair Digest♪
ホームサイズのアイスクリームを抱えて、ひとりで食べる。それは、落ち込んだ自分をなぐさめる最良の方法。濃厚でコクがあって、舌触りがなめらかな極上のアイスを奮発して、誰にも気兼ねすることなく、スプーンで直接すくって食べる。
私をとことん甘やかしてくれるおおらかなやさしさに、なんだかちょっと泣けてくる。やっぱりアイスクリームは、一番の親友!最後の一口を食べ終わる頃、私はすっかり元気を取り戻す。


■今週のChordは“アイスクリーム”

m1 Ice Ice Baby
Vanilla Ice

とにかく、私は大のアイスクリームマニア。許されるものなら、毎日食べたいくらい好きです!いろいろなスイーツが並んでいたとして、もしそこにアイスがあったなら、つい選んでしまいますね。
たとえば、お気に入りの創作フレンチのお店があるんですけど、ここのデザートに出てくるアイスが絶品!もちろん牧場とか遊園地とか、観光地では必ずソフトクリーム売り場に寄りますね。松任谷家の冷凍庫に常備されているアイスといえば、森永のピノはお気に入りの一品です。
アイスクリームを私たちに残してくれた先人に感謝しつつ、その歴史をひもといていくと...マルコ・ポーロがヨーロッパに広めた説や、カトリーヌ・ド・メディシスがフランスに持ち込んだ説など色々ある中で、今のアイスクリームの原型が誕生したのは、16世紀半ば、冷凍技術が発展したイタリアでのこと。アントニオ・ラティーニという人が、凍らせた甘い乳製品「ミルク・ソルベット」を作りました。
もうひとり、イタリア出身の菓子職人、フランソワ・プロコープがフランスへ渡ってパリでカフェを出店。ホイップクリームを凍らせた「グラス・ア・ラ・シャンティ」をカフェで出すようになりますが、これもアイスの原型と言われています。
やがてイギリスやアメリカへも広まっていきますが、アメリカ人の主婦が1846年に手回し式のアイスクリームフリーザーを発明。職人の時代から大量生産の時代へ突入しました。
世界中の人々の情熱と知恵を結集した結果、誰もが手軽にアイスを楽しめるようになったんですね!
海外へ行っても、アイス屋さんを見つけたらつい入ってしまいますが、印象に残っているのがフランスはパリ、シテ島の有名店「ペルティオン」のアイス。イタリアでは、やっぱり「ローマの休日」気分を味わいたくて、ジェラートのお店へ。こうして話しているだけで、また食べたくなってきました。


m2 Sunshine Day
Matt Bianco

日本で最初にアイスクリームが作られたのは、横浜でのこと。横浜の開港を機にアメリカへ渡った使節団のメンバー、町田房蔵が、アメリカで味わったアイスに感動し、帰国後の1869年、「あいすくりん」を作って販売します。ところがこれ、一人前で現在の価格にしたら8000円!広く浸透はしませんでした。
レストランでしか食べられなかった贅沢品の時代を経て、大正時代の半ばくらいから一般家庭でも食べられるようになっていったとか。昭和10年代には自転車にアイスボックスを積んで売り歩くアイスクリーム売りがいたり、28年には紙カップ入りのアイスの生産が始まって、さらに手軽に食べられるようになったそうです。
日本のアイスも独特の進化を遂げましたよね。和のアイスがまた格別の美味しさです。たとえば、福井市勝見で私が見つけた、『餅の田中屋』さんのアイス!創業150年、アイスは80年以上、昔ながらの製法でアイスを作っています。昔ながらの特製アイスは大・小二種類あって、ミルク、抹茶、コーヒー、イチゴ、ブルーベリー、あずきがあります。
大阪で仕事があるとよく差し入れでいただくアイスが「ゼー六」アイス。大正2年創業で、昨年、創業100年を迎えた老舗です!昭和初期に登場して以来、愛され続けているアイスクリームは絶品です。こちらも、もなかアイスがお気に入り!
最近のアイスクリーム業界の傾向といえば、他の食品と同じくやっぱり「ヘルシー」。低カロリー・低脂肪のアイスや、乳製品アレルギーの人のための大豆ベースのアイスもあるとか。安全な素材、ケミカルな添加物や着色料・香料をなるべく使わない、しかも見た目もかわいくてもちろん美味しい!・・・ということで今、注目を集めているのが、メキシコ発、「PALETAS」のアイス、なんですって。
メニューを見ると、「ジャパン・シトラス」とか「キウイヨーグルト」「ストロベリービターチョコ」など、聞いているだけで美味しそうです。「トマト&バジリコ」とか「ズンダ」とか、アルコールを使った「サングリア」などなど、種類も豊富。
思わず目移りしそうですね〜。鎌倉、吉祥寺、桜木町に店舗がありますが、きっと行列ができているんじゃないかな。
        そんな贅沢なアイスはもちろん、ホームランバーでもガリガリくんでも、夏のアイスは至福の味わい。やっぱりアイスのない人生なんて、考えられないな!


m3 昔の彼に会うのなら
松任谷 由実

今日参考にしたローラ・ワイス著の『アイスクリームの歴史物語』という本によれば、"アイスクリームを食べると脳の快楽信号を発する部分が刺激されて、幸福感が生まれる"といわれているそうです。人の心を動かす力があるアイスクリーム・・・、なんだかわかる気がしますよね。
ここでもうひとつ、アイスクリームトリビアを。日本国内の都道府県庁所在都市の中で、一年間で一番アイスクリームを消費したところはどこでしょう?2012年の統計データを見てみると・・・、なんと!石川県金沢市なんだそうです。一年間にアイスクリームに使う金額が、1世帯およそ10080円。一番少ないのは意外にも、沖縄県那覇市。1世帯およそ5547円となっています。
もしかすると暑すぎてアイスというよりかき氷を食べているのかも?東京は8027円ということですが、きっと私はこれ以上、食べてるだろうな・・・。アイスクリームの誘惑には、やっぱり勝てません!
私が座長をつとめる舞台「Yuming sings...『あなたがいたから私がいた』」10月8日から31日まで、帝国劇場での上演が決定しています。チケットはすでに一般販売中です。
公演スケジュールやチケットの購入方法など、くわしくは帝国劇場のホームページ、または私のオフィシャルホームページをごらんください。みなさんにお会いできるのを、楽しみにしています!




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