Yuming Chord
松任谷由実
2014.09.12.O.A
風とともに走る｡風のとなりで笑う｡風に抱かれて恋をする｡金色に輝く秋風が､新しい世界の扉を開いてゆく｡
今年は猛暑や大雨が続いて､本当に大変な夏でした｡だからこそ､秋の訪れは私たちをほっとさせてくれます｡季節が変わったことを私たちに教えてくれたのは．．そう､今日のｺｰﾄﾞは｢風｣です｡
■今週のChordは“風”
Color Of The Wind
Vanessa Williams
新しい季節の訪れを教えてくれるだけでなく、そっと背中を押してくれたり、ふっと気分を変えてくれる。人生の風向きを変えることもあれば、気になる人の消息をそっと届けてくれることもある。
そもそも「風」という漢字がもつ意味を調べると色々な意味があります。空気の流れとしての「風」（風車、風鈴）。おもむきや味わい（風景、風物）。社会全体にわたるもの、その土地の習わしやしきたり（風俗、風潮）。うわさ（風評）。それとなく言う（風刺）．．．などなど。目に見えないけど絶大な影響力があるものが「風」なのかな。
「風」という漢字に色々な意味があるため、慣用句やことわざもたくさんありますよね。
「花鳥風月」．．．自然の美しい景色。自然の風物を題材とした詩歌や絵画などをたしなむ風流のこともさします。風流とはそもそも上品な趣のあること、みやびなこと、です。
「風林火山」．．．戦国武将・武田信玄が旗印にしたことで有名な言葉で、戦いにおける4つの心構えをのべています。風のように素早く動き、林のように静かに構え、火のような激しい勢いで敵を侵略し、山のようにどっしりと構えて動かない、という意味。転じて、時機や情勢などに応じた動き方をするべし、という教え。
風を使った慣用句としては・・・
「風をきる」・・・勢いよく進むこと。
「風の便り」・・・どこからともなく伝わってきた噂。
「○○風を吹かせる」・・・自分はお前たちとちがって特別だ、偉いんだ、という様子。
「柳に風」・・・柳が風になびくように逆らわないものは災いを受けない、さらりとかわして巧みにやりすごすことのたとえ。英語では“No reply is best”。
いずれにしても、「風」は動き、をあらわすことば。停滞することなく動き続けていたい、私もいつもそう思っているから、「風」という言葉にひかれるんでしょうね。
Ride Like The Wind
Christopher Cross
高橋順子さんの本『風の名前』には､色々な風の名前が紹介されています｡
｢恵風（けいふう）｣･･･恵の風､と書いて草木に恵みを与える南風｡
｢恋風（こいかぜ）｣･･･恋の風､と書いて恋のせつなさが染みるような風｡
｢香風（こうふう）｣･･･香りに風､と書いて花などに吹き寄せて香りを運ぶ風｡
なかなか風流な名前がついているんですね｡風の吹く風景に出会ったら自分で勝手に名前をつけてしまいたいくらいですが､印象に残っているものを思い出してみると､断崖絶壁に強風！といえばｱｲﾙﾗﾝﾄﾞの｢ﾓﾊｰの断崖｣｡厳しいけれど美しい風の風景です｡
ｱｲﾙﾗﾝﾄﾞの西部ｸﾚｱ県にある大西洋にのぞむ断崖で､高さはなんと120ｍ！年間100万人ほどが訪れる人気の観光ｽﾎﾟｯﾄだそうです｡
風車もまた､風が創りだす風景のひとつ｡ｷﾞﾘｼｱのｸﾚﾀ島の山をﾛﾊﾞに乗ってあがっていくと､風車が回る谷を見下ろせます｡LAからﾈﾊﾞﾀﾞ砂漠を抜けてゆくと､砂漠地帯に何千もの大風車群が出現します｡砂色の大地に青い空､そして真っ白な風車たち､なかなか壮大な景色でした｡
国内で体験したものすごい風といえば､最近ではﾂｱｰ先の青森でのこと｡この番組でもそのときの模様を少しだけｵﾝｴｱしましたけど､ものすご〜い風でした！日本には､｢風｣のつく地名もたくさんあるようです｡峠や谷､岬や島など､風が強い場所に多いみたいですね｡
残されたもの
松任谷 由実
｢順風満帆｣風にのって悠々と生きてゆければ､それに越したことはないですよね｡でも､逆風こそが人を成長させるもの｡
｢明日は明日の風が吹く｣という言葉もあるように､風向きはいつか変わります｡"今年の夏はいいことなかったな"というあなたも､秋こそは追い風が吹きますように｡
秋は､私にもいい風が吹くといいなと思いながら､ただいま､もうすぐ始まる帝国劇場での舞台稽古に励んでおります！私が座長をつとめる舞台､｢Yuming sings...『あなたがいたから私がいた』｣｡10月8日から31日まで､帝国劇場での上演が決定しています｡
いよいよ稽古も佳境に入って､疾風怒濤の日々を過ごしています｡みなさんにお会いできるのを､楽しみにしています！
過去のO.Aはｺﾁﾗ！
＞番組TOPページ
番組へお便りはｺﾁﾗ！
Message to Yuming
Yumin最新情報！
Information
TOKYOFM TOPﾍﾟｰｼﾞ
(c) TOKYO FM