Yuming Chord
松任谷由実
2015.01.16.O.A
♪Onair Digest♪
今日は書道家で絵描きでもある、はなてるさんをお迎えして、「文字」というコードで語っていただきます。
はなてるさんは大阪芸術大学の芸術学部専攻科を卒業ののち、書・画・印などを織り交ぜたスタイルで作家活動を展開。イラストやロゴデザイン、ライブペインティングをはじめ、書道教室や親子ワークショップ、絵本制作など多方面で活躍中です。
今回、「Yuming Chord」から出版される文字練習帳『書くユーミン』で、お手本の文字を書いていただくことになりました。この文字練習帳はユーミンの曲の歌詞を書きながら、美しい文字をマスターするというもの。
ということで、今日のコードは「文字」です。


■今週のChordは“文字”

m1 春よ、来い
松任谷由実

春よ、来い / 松任谷由実

ユーミン:はなてるさんは、私の歌詞を書いてみて、特に感じた事とか発見したことはありますか?

はなてる:小さい頃から生活の中にユーミンの曲はあって、改めて書く事で、より深く自分の中に言葉が入って来て、映画のワンシーンの中に いるような、そういう感覚を持たせてもらいました。

ユーミン:どういうきっかけで文字を書く事に目覚めたんですか?

はなてる:小さい頃、近所の書道教室に通っていました。そこの先生に、書道界の会長の先生に指導してもらうようすすめていただいたんです。そこから表現する楽しみ、自分が何を書きたいのか、意志を持って文字を書くという事を学んだ気がします。

ユーミン:はなてるさんを見初めて、この道に進んだ方がいいと、すすめてくれたんでしょうね。文字を書くのはお好きだったんでしょうね。

はなてる:絵を描くことは華やぐような気持ち。字を書くのは心が静まり整っていって、そこから自分が少しずつ開いていく様な感覚があって、それが楽しくて通っていました。

ユーミン:そういった、精神的な面を表すという事で解放していく作業ですよね。
はなてる:書道のモノトーンの世界と、カラフルな世界の選り分けみたいなものが楽しくて表現してきた気がしますね。白黒だからこそ感じる、強烈な色彩というのも感じます。それは表現するようになって、感じました。


m2 シャンソン
松任谷由実

ユーミン:この曲は、文字練習帳『書くユーミン』に収められていますが、はなてるさんはどんな想いをこめて書いて下さいましたか?

はなてる:ユーミンの歌詞がとても深くて、すごく色彩感覚が鋭い感じがしたので、それをどうしたら線に表現出来るんだろうと思いました。逆に控えめにする事で、詩の良さが引き立つんじゃないかと思って、抑えめにシンプルに書いてみました。

ユーミン:自分でも、"蒼い闇と、補色の灯しびのオレンジ"というのを、強烈に思い浮かべながら作った歌だなと改めて思いました。はなてるさんの文字が惚れ惚れするくらい、横書きで美しいですね。

はなてる:横書きは難しいんですよね(笑)。字形というのは、下に降りていくんですね。日本語を横に書くというのはすごく難しくて、アルファベットは横に流れていくのが自然なんですけど、下に降りていくものを、美しく横に繋げるというのは難しいんですよ。

ユーミン:自分を抑えめにと仰っていましたが、その気持ちが抑止力となって、文字に力強さがあるんですよね。

はなてる:余計な事をしない方が、シンプルに物事って伝わると、この仕事をして感じました。いらないものをすべて取って、その上で詩とメロディの美しさを感じでいただける形にしたいなと、そういう想いを込めて作りました。

ユーミン:儚いから強いとか、本当は繊細なんだけれどずっと続いていくような。私自身が思いを馳せた、ジャック・プレヴェールの時代性、空気感。この文字にしていだいて、それが現われているようで感動しました。

m3 雪月花
松任谷由実

ユーミン:文字練習帳『書くユーミン』の選曲をするにあたって、私自身も"これを美しい字で見たい"と、一番に思った曲が「雪月花」なんですよ。作者として、この曲は書いていて入り込まれるんじゃないかと思いました。

はなてる:胸がいっぱいになる様な思いがありますね。最初は練習していただくのに、ふさわしい字を書くのに必死だったんですけど、曲の力と詩の純度の高さを自分で受け取って、震える様な涙が出てくるような気持ちでした。雪が溶けて、溢れ出て、光を浴びる様な、そういう印象がありました。

ユーミン:「雪」「月」「花」は、それぞれが浮かべる雪だったり、花だったり、月ですよね。はなてるさんが想う「雪」「月」「花」それぞれどんなイメージでしょうか?

はなてる:「雪」は、カーテンのように重なる様な、見えなくなって景色が埋まっていく様な切ないイメージ。「月」は変化していくものなので、変化と共に自分も同じ様に変わっていく、そしてまた戻る、寄り添える様なものです。「花」はうつむいた時、気持ちがふせった時に、元気を与えてくれる様なイメージで、支えられているものですね。

ユーミン:言葉数は少なくていらっしゃるんだけど、その背後に奥行きがあるというか、それが文字にもすごく現われてるなと感じますね。


本日ご紹介してきた文字練習帳『書くユーミン』。はなてるさんが私の曲の歌詞を美しく書いてくださいました。それをお手本にして、文字を書く楽しみを味わってください。
『書くユーミン』の帯にもあるんですけど、作詞をしているとDNAが言葉を持ってくるような感覚があるんですね。それと同じようなことを、この一冊で体感してもらえるんじゃないかなと思います。ふだん何気なく書いているひらがなひとつ、漢字ひとつに新しい発見があるはずです!
文字を書く時間って、実はとっても豊かなひとときですよね。今年は、手紙でも、手遊びでもいいから、なんとなく文字に親しんでみようかなと思いました。もうすぐ苗場の山ごもりも始まるし、『書くユーミン』、持っていくことにします!
そして!文字練習帳『書くユーミン』は、TOKYO FMの「Shops. Love」より購入出来ます!
引き続き、来週もはなてるさんをゲストにお迎え致します。



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