Yuming Chord
松任谷由実
2015.08.21.O.A
♪Onair Digest♪
お盆にはふるさとへ帰省してエネルギーをチャージしてきました!・・・なんていう方も、いらっしゃるかもしれません。
夏から秋にかけてこの時期は、全国各地でその土地ならではの、お楽しみがありますよね。
なつかしい顔が集まって、飲んだり食べたり、踊ったり。
“この日のために、生きてます!”なんていう人も、きっと、いるはず。
今日のコードは「祭り」です。


■今週のChordは“祭り”

m1 Freedom
Pharrell Williams

お祭り大好き、ニッポン人!
日本では、10万とも30万ともいわれる数のお祭りが開催されているといいます。まさに、一年中、どこかしらでお祭りが催されている…といっても過言ではないかもしれません。
お祭りは日常とは違う、特別な「ハレ」の日。昔は現代に比べたら、「ケ」の日との落差がもっとあったはずですから、いにしえの人たちは今よりもっと、祭りを待ち焦がれていたに違いありません。
「お祭り」と聞くと血が騒いだり、わけもなくテンションが上がったりするのは、もはやDNAレベルでのこと。どうすることもできません!私も「お祭り」と聞けばわくわくします。
お祭りの楽しみ、といえば夜店ですよね。
お祭り評論家の山本哲也さんの分類によると、「消えモノ」と呼ばれる食べ物系、王道のやきそば、お好み焼き、たこ焼き、綿菓子、りんご飴、チョコバナナ、ベビーカステラ・・・。
「賭けモノ」と呼ばれる金魚すくいや射的、スマートボールなどが定番ですよね。
日本では四季の移ろいとともに、一年中、多彩なお祭りが催されています。
特に、稲作文化にかかわるお祭りが多いのが特徴で、春は一年の無事を祈り、豊作を祈願するもの。
夏は、稲が無事に育つようにと願った「虫除け」や、「台風封じ」。
秋は収穫を祝い、感謝するお祭りが基本です。
夏から秋にかけては疫病を封じるためのお祭りや、先祖の霊を供養するお祭りもありますよね。

「三大祭り」というのもいろいろあります。
たとえば祇園祭、天神祭、ねぶた祭が「三大夏祭り」。
そのほか「三大七夕祭り」とか「三大喧嘩祭り」「三大裸祭り」などなど・・・。


m2 Let's Get Loud
Jennifer Lopez

多彩なお祭りが催されている日本。
私も先日、石川県観光ブランドプロデューサーとして、石川県・七尾市で開催されたお祭り、石崎奉燈祭(いっさきほうとうまつり)を観に行ってきました。こちらは、七尾市三大祭のひとつと言われています。
このお祭りは昔気質が残る、活気にあふれた漁師町で、海の男達が年に一度、熱き血潮をたぎらせる!といわれる勇壮なお祭りです。
京都の祇園祭の流れをくむ疫病よけのお祭りで、かつては祇園系の山車を出していたそうですが、明治22年から「キリコ」と呼ばれる巨大な灯篭を使うようになったそうです。
この「キリコ」というのが本当に圧倒的!
100人くらいで高さ10数メートル、重さ2トンほどの大奉燈をかつぐんですが、笛や太鼓の音にあわせて「サッカサイ、サカサッサイ、イヤサカサー」と、威勢のいい掛け声をあげながら進んでいきます。
そして、キリコの乱舞競演は深夜まで続くそうです。なんでも、大暴れすればするほど神様が喜ぶ、といわれているらしいです。
キリコ祭り、というのは能登一円で催されているお祭りなんですが、今年4月には「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」のひとつとして、この石崎奉燈祭が日本遺産に指定されたそうです。
そういえば、お祭といえば男たちがもっとも男らしく見える機会・・・、恋も芽生えたりしますよね。ちなみに、昔から祭りは男女の出会いの場、艶めいた要素もありました。
このお祭りは力強くて幻想的な、正統派のお祭りでしたけど、「奇祭」と呼ばれる、不思議な趣のあるお祭りもいろいろありますよね。みうらじゅんさんいうところの「とんまつり」です。
たとえば、お祭りには参加したことがないですが、青森は新郷村で行われる有名な奇祭「キリスト祭り」。
イエス・キリストの墓のまわりで、ヘブライ語の歌といわれる盆踊り、「ナニャドヤラ」を踊ります。
不思議なリズムと振り付けは、なかなかサイケだとか。
祭りは「ハレ」で非日常、「ケ」が日常。
「ケ」の暮らしが病気や死、憂鬱な気分などで順調にいかなくなることが「けがれ」。「気」が「枯れる」ということなんだそうです。
そこで、禊やお払いで「ケガレ」を落として、ハレの日を過ごして、枯れた気を回復する。祭りは、その役割を担っていたんですね。
そういう意味では、コンサートも「お祭り」といえるかもしれません。


m3 インカの花嫁
松任谷 由実

「祭りのあと」ということばもありますが、まさに、お祭りが終わると寂しさにおそわれるもの。
でも、その虚脱感がまた、心地よかったりするんですよね。
徳島の有名なお祭りといえば阿波踊り。「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損々!」の掛け声でおなじみです。
でも、お祭りはまさに“参加してこそなんぼ”かもしれません。お祭りに出会ったら思い切り楽しんで、枯れてしまった気を取り戻してくださいね。



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