Yuming Chord
松任谷由実
2015.08.28.O.A
♪Onair Digest♪
8月最後の金曜日、いかがお過ごしですか?ここ数年、毎年同じことを繰り返し言ってる気がしますけど、本当に、今年の夏は暑かったですね〜!
暑い間は、ひとまず今を生きるのに精一杯です。でも、秋の気配を感じてほんの少し余裕ができると、ふと、心の奥底をのぞいてしみじみ、したくなる。秋が連れてくるのはそんな、ものさびしさ・・・。
今日のコードは「秋を連れてくるメランコリック・サウンド」。


■今週のChordは“秋を連れてくるメランコリック・サウンド”

m1 High & Dry
Radiohead

イギリスのロックバンド、レディオヘッドの2ndアルバム『The Bends』からの1曲。トム・ヨークの声はまさに、メランコリックな響きです。
意味深な歌詞と繰り返される願い。僕を放っておかないで、見捨てたりしないで・・・。美しいメロディにヘビーな歌詞がのっています。
メランコリックとは、「もの思いに沈むさま」「憂鬱な」という意味の形容詞。
夏休みが終わって憂鬱な大人たちと、夏休み終了直前の今、宿題が残っていて憂鬱な子どもたち。
そして、夏の間に燃え上がった恋に、ふと、かげりがさしてくるのも今ごろの時期・・・。秋、という季節にぴったりな感情といえば、やっぱりメランコリック、ですよね。
実りの秋の豊かさの、ほんの手前のエアーポケット。寂しさはつのるけれど、案外、贅沢なひとときなのかもしれないですね。


m2 You're So Vain
Carly Simon






m3 Hello, my friend
松任谷 由実

残暑が厳しい秋の始まりは、音楽やことばで涼を感じたいもの。たとえば、口にしてみるだけで体感温度が下がる秋のことばがたくさんあります。
「一葉(ひとは)の秋」・・・風もないのにはらりと散る一枚の葉。静かによこたわるその姿に、昔の人は秋を感じました。
「水澄む」・・・川や湖をのぞくと、くっきり底まで見える様子。夏の間に繁殖していた水草や藻が落ち着くから、といわれています。
「色なき風」・・・俳句の世界では秋の風は、無色透明ですべてをさらすような、もの悲しい風のことをさすそうです。
イメージしてみるだけで、なんだか残暑がやわらぐ秋のことばですよね。

m4 I Can Change
Brandon Flowers

アメリカのロックバンド「ザ・キラーズ」のボーカリスト、ブランドン・フラワーズ。今年6月リリース、5年ぶりになるソロアルバム『THE DESIRED EFFECT』からの1曲です。
この曲にはペット・ショップ・ボーイズから二―ル・テナントが、ザ・キラーズからDrのロニー・ヴァヌッチィ、Vo・Gのダニエル・ハイムがゲスト参加。UKのシンセ・ポップ・グループ、ブロンスキ・ビートの84年の大ヒット曲、「スモールタウン・ボーイ」をサンプリングして話題になりました。
日本には、「秋」に「思う」と書いて「秋思(しゅうし)」ということばもあるそうです。
暑さに気をとられていた夏が過ぎれば、そっと自分の内面を見つめる時期がやってくる・・・ということでしょうか。
その結果、新しいことを始めてみたくなったり、後回しにしていたことをしよう!と思ったりすることがあります。

m5 Tonight, Tonight
The Smashing Pumpkins

ボーカルのビリー・コーガンの歌詞には、複雑な家庭環境に育った彼の過去が色濃く反映されている・・・と言われていますが、この曲はメランコリックな感情を歌いつつ、最後に希望が伝わってきます。
「ぼくらの生活は永遠に変わり続ける ずっと同じでいることなんてありえない。変わっていくほど、感覚は鈍くなる・・・」と言いつつも、「人生は変えられる。ぼくらはみんなそれぞれ違う。今夜、こんなに輝いてる」と、最後は歌っています。
季節の変わり目は、体調をくずしがち。
今日お届けしたサウンドは、贅沢な寂しさとか、甘さをともなった悲しみがテーマ。本気でメランコリックな気分になってしまわないよう、くれぐれもご自愛くださいね〜。
メランコリックな気分は、ちょうど今みたいに季節がうつろうとき特有のもの。季節も、人の心も、うつろってゆく・・・、それが、すごく寂しくなってしまうことがあるんですよね。
だからこそ、その「うつろい」を曲にとどめておきたいな、と常々思ったりしています。そんな私流のメランコリック・サウンド、これからもお届けしていきますね。



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