Yuming Chord
松任谷由実
2015.09.11.O.A
♪Onair Digest♪
猛暑の夏をなんとかやり過ごした季節の変わり目は、緊張の糸がふっ、とゆるんで、はじめて気づくことがあります。
あれ?もしかして私、疲れてるかも・・・?
暑かった夏をがんばってきた自分に、ここらで上質なごほうびをプレゼント。
そんなあなたに、おすすめしたい場所があります。
今日のコードは・・・「BAR」です。


■今週のChordは“BAR”

m1 TUXEDO JUNCTION
Manhattan Transfer

太古の昔から、人々は夜になると洞窟へ集まって、焚き火をしながら肉を焼き、お酒を飲み、闇夜の恐怖をまぎらわしていた・・・。文筆家の海野弘さんは『酒場の文化史』という本の中で、そんな仮説をたてつつ、こう、ひもといています。
「ほの暗くて、狭くて、すっぽりと包みこまれるような」洞窟こそが、酒場の原型である・・・。
まさに、今日のコード「BAR」とは、そんな場所かもしれません。
ダイニングBARやスポーツBAR、プールBARにゲイBARなどなど、「BAR」にも色々ありますが、今日のコードはいわゆる「オーセンティックBAR」のこと。バーカウンターがあって、信頼のおける腕利きのバーテンダーがいて、ジャズか何かが静かに流れてる・・・そんな正統派のBARについてのお話です。
まずは、あらためて私にとってのBARってどういう場所なのか考えてみると、自分を取り戻す、リセットする場所。大人になった場所。人生を半分預ける場所・・・。
何度も通いたくなるBARとは?ツボを抑えた絶妙な接客っぷりのバーテンダーがいる、あたたかみのあるトーンの低い照明、BGMはジャズのピアノ、お酒が主役とはいえ、気の利いたおつまみがある・・・など。
BARは大人が集う場所。一期一会の素敵な出会いも楽しめますよね。
オーセンティックBARは敷居が高くて入りにくいという声も、よく聞きます。確かに、重厚な扉のBARは、気軽な入店を許さない雰囲気をかもし出していますよね。


m2 So What
Miles Davis

「BAR」という言葉の語源は諸説ありますが、最も一般的なのは19世紀アメリカの西部開拓時代にさかのぼります。血気さかんな移民たちが新天地を求めた前線に出来たのは、簡易居酒屋。
そこではビールやウイスキーを樽から量り売りしていましたが、荒くれ男たちは酔っぱらうと、自分で樽に近づいて勝手にお酒を飲もうとします。困った店主が樽の前に客席との仕切りを作って近づけないように置いたのが「木」、つまりBAR。
そこからBARという名前が使われるようになり、世界中へ広まっていったそうです。
お気に入り、いきつけのBARは正直、誰にも教えたくない「聖域」ともいえる場所。
思い出深いBARといえば・・・
西麻布のとあるBAR・・・シガーバーでもある。ある大物実業家と関わりが深い方がバーテンダーを務めています。
青山のとあるBAR・・・ここへは作家の村上龍さんに連れて行ってもらいました。そもそも1号店のオープンは神宮前。1972年、カウンター9席のバーで、作家をはじめデザイナーやアーティストが集うバーとして有名でした。

デビューしてしばらくたってから、アルファ・レコードの人たちと出かけたBAR。ここでは初めての二日酔いを経験。レコード会社の女性のおうちへ・・・。
目覚めると仕事へ出てしまったその女性のメモ「冷蔵庫に巨峰があるよ」。二日酔いのからだに巨峰のおいしさが染みました・・・。
その日の気分や体調によって変わりますが、「BAR」で飲むなら、私はカクテルかな。
家で作って飲めそうなものではなくて、あえてプロであるバーテンダーがつくる自慢の一杯、飲みたいものですよね。


m3 恋の苦さとため息と
松任谷 由実

久々に、本当においしいカクテルを飲みに行きたくなりました。
カクテルの名前がまた洒落ていたりして、その一杯を飲みながら、いろいろな物語をイメージしたくなります。
たとえばブランデー、ホワイト・ラム、ホワイト・キュラソーにレモンジュースで作るのが「BETWEEN THE SHEETS」。
ブランデーとカルーアで作るのは「DIRTY MOTHER」。
スタウトまたは黒ビールとシャンパンで作るのは「BLACK VELVET」などなど。
BARの基本は、多分、お酒を飲むところ。でも、BARで提供されるのは「お酒+Something」だといわれています。スパイスやハーブ、フルーツや野菜、シロップをくわえて・・・、そしてさらに、スペシャルな何かをプラスしてもらう。
それが音楽なのか、バーテンダーとの会話なのか、求めるものが何か、というのをヒントに、お気に入りのBARを探すのがコツですよね。
BARさえあれば、現実世界で何があっても、生きていけそうな気がします!
久々にまた、行ってみようかな。

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