Yuming Chord
松任谷由実
2015.09.18.O.A
♪Onair Digest♪
野山も街も色づく秋、四季のある日本で暮らしている幸せをしみじみ、感じます。
やっぱり、自然の美しさにはかなわない。
そんなときに、きりっと身に着けたいカラーがあります。
今日のコードは・・・「BLACK&WHITE」。


■今週のChordは“BLACK&WHITE”

m1 Suit & Tie feat. JAY Z
Justin Timberlake

何ものにも染まらない黒、そしてすべての色に染まる白。
色の要素である「彩度」、色鮮やかさのことをさしますが、黒も白も「彩度ゼロ」、いわゆる「無彩色」と言われます。
無彩色と聴くと、美大出身の私としては、水墨画を思い出したりします。
白と黒が印象的な絵画といえば、ピカソ。『ゲルニカ』は最も有名なモノクロの一枚。ゲルニカ空襲を知ったピカソが、パリ万国博覧会のスペイン館で展示される予定の壁画を製作中だったところ、急きょテーマを変更して作成したとか。反戦や抵抗をテーマに描かれたといわれています。
今年の初夏に、南仏のヴァロリスにある国立ピカソ美術館にも行きました。
洞穴のような礼拝堂を包み込むようにして描かれていた『戦争と平和』、これも戦争は「黒」、平和は「白」が基調になっていました。
モノクロの映画というのも黒と白の世界。
私が子供の頃にテレビの「奥様洋画劇場」では、白黒映画が毎日のように放映されていました。もちろん、映画館にも観に行きました。


m2 Perfect
Fairground Attraction

白と黒を身につけるのは、ほかのカラーとは違って特別なときが多かったりもします。
そもそも、白は結婚式のドレスや白無垢に、黒は冠婚葬祭に使う色。まさに、人生の節目で身に着けることが多いですよね。
白と黒の組み合わせも、洗練されたイメージを演出できますよね。「白×黒」のギンガムチェック、「白地に黒」のボーダー、「白黒水玉」などなど・・・。
ちなみに、心理学的に白を身に着けたいときは気持ちをリセットしたいとき。
白は生まれ変わりの色とも言われているそうです。たとえば結婚式のときに白を着るのは「家を出て、一度死んで生まれ変わる」から。つまりは、人が亡くなるときに着る白装束と同じ意味を持っているんだそうです。さらに、黒は外からの影響を受けないよう身を守りたいときや、説得力を身につけたいときに着る人が多いとか。
「BLACK&WHITE」というコードから連想するのは、白黒ツートンの動物。
実はその色にはこんな理由があるようなんです・・・
たとえば、パンダの場合は単独行動する性質があるため、仲間から識別しやすいように白黒になった、という説があります。さらに、目の周りの黒模様は目を大きく見せて他の動物を威嚇したり、雪深い山奥では雪の反射光よけに。
そして、耳や手足が黒いのは冷えやすい末端部分なので、太陽熱を吸収しやすくするため・・・、などという説もあるそうです。
シマウマの場合は群れていると巨大な縞模様に見えるので、肉食動物たちからすると狙う個体を特定しずらくなるんだとか。
ほかにもペンギン、犬だったらダルメシアン…、白黒ツートン動物は人気も多いですね。
モノクロ映画やモノクロ写真の話をしましたが、私のアルバム・CDジャケットもモノクロのものがあります。
『MISSLIM』(1974年)、『KATHMANDU』(1995年)、シングルなら『あの日にかえりたい』(1975年)『Hello,my friend』(1994年)『PARTNERSHIP』(2000年)などなど・・・。


m3 あの日にかえりたい
松任谷(荒井)由実

企業の色彩コンサルティングなどを手がける芳原信さんの本、『色彩の教科書』によると、これまで大ヒットした商品に必ずといっていいほど使われる4色、というのがあるそうです。
それは赤と青、そして白と黒なんだそうです。理由は、人間が古来からこの 4色から生死に関わる情報を得ていたから。
そのために人間はこの4色を無視することができない、というんです。
黒と白、を使った慣用句といえば「白黒はっきりつける」。
早急に白黒はっきりつけたがる人は、成熟していない証拠、なんていわれたりもしますが・・・。
白黒はっきりつけたい人は、裏返せばまじめで責任感の強い証拠。でも、そのことでストレスを感じたり生きにくかったりすることも多いとか。
時と場合によっては、白黒の決断をゆるゆる先延ばしにすることも大切です!



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