Yuming Chord
松任谷由実
2015.10.09.O.A
♪Onair Digest♪
朝晩が冷え込んでくるこの時期は、澄み切った秋空のむこうからうれしい便りがやってきます。
山も里も街も、一年で一番、彩り豊かな装いを迎える季節、ゆっくりと味わうことにしましょうか。
今日のコードは「紅葉狩り」です。


■今週のChordは“紅葉狩り”

m1 Everybody's Changing
Keane

紅葉は、朝の最低気温が一桁台、8〜9度を下回るようになると始まるといわれていて、そこから25日前後で見ごろになるというのがひとつの目安です。
私が住む東京都内にも紅葉スポットはいろいろありますが、調べてみると11月中旬から下旬が見ごろという予想ですね。
実家が八王子なので、身近な紅葉スポットといえば高尾山。
そこから少し足を伸ばせば皇室の御陵・武蔵野陵(むさしののみささぎ)があります。
立教女学院、多摩美大など、キャンパスも紅葉が美しかったりしますね。
都会でも紅葉している木々にふと気がついて、思いがけない形で紅葉狩りを楽しめることがあります。
たとえば、青山通りから聖徳記念絵画館に向かって続くいちょう並木。146本のいちょうが幻想的なトンネルを作り出しています。
こんな紅葉の楽しみもあります。銀座にある会員制の和食屋さんで、カウンターのむこうの大皿に、もみじが飾られていて感動したことがあります。
もみじの天ぷらなんていうのも食べたことがありますよ。大阪・箕面名物のお菓子で、もみじの葉を水洗いして、樽で塩漬けにすること1年。塩抜きをして衣をつけて揚げたものです。


m2 Autumn Leaves
Chris Brown

今、見ごろを迎えている、または迎えつつある有名な紅葉狩りスポットは、北海道の阿寒湖や大雪山、東北では青森の十和田湖や奥入瀬渓流、秋田の八幡平(はちまんたい)、そして長野の上高地や乗鞍(のりくら)、奥日光あたりでしょうか。
紅葉前線は、平均すると10日におよそ500メートルの速度で山からふもとに降りてきます。
そして、北から南へは1日およそ20キロの速度で進むとか。
ゆっくりゆっくり、木々は赤や黄色に染まっていくんですね。
「そうだ 京都、行こう」と思わずつぶやいてみたくなる秋・・・、古都の紅葉は、しみじみとした風情があります。京都はもちろん、鎌倉や金沢もね。
京都の紅葉は、例年は11月中旬以降、12月あたりまでが見ごろになります。
京都の紅葉は山々や河川といった自然はもちろんのこと、神社仏閣や歴史ある建造物や庭園との調和や景観を、京の町のすべての人々が守ってきたからこその、美しさだといわれています。

地球のおよそ3割ほどが森林といわれる中で、紅葉を迎える落葉樹林がまとまっているのは、東アジアの沿岸部と北米大陸の東部、ヨーロッパの一部のみ。
日本は国土のおよそ7割が森、しかも、美しい紅葉の条件にぴったり当てはまる気候なので、世界的にみても紅葉が楽しめる国ですが、海外の場合は、雄大な紅葉の風景に出会えたりします。
紅葉狩り、というのはもちろん秋の季語。そのほか、紅葉まわりの季語がほかにもあります。
紅葉を眺めるために乗る舟は「紅葉舟」。
紅葉を眺めながら一服するお茶屋さんは「紅葉茶屋」
そして、「紅葉酒」は紅葉をながめて飲むお酒、ではなく、紅葉を焚いて温めたお酒のことだそうです。
または、紅葉の葉を浮かべて飲むお酒のことをさすこともあるとか。いずれにせよ、風情あふれる言葉ですよね。
もうひとつ、季語にもなっている、秋をつかさどる女神が奈良の竜田山に住む「竜田姫」。
彼女は、錦色の着物を着ていて、その袖を振って山々を染めてゆきます。紅葉の美しさは、女神の采配にかかっていたんですね。
その一方で、信州の戸隠山には鬼女、紅葉伝説があります。
彼女は、手下とともに美しい女に化けて紅葉の下で宴を催しては人をおびきよせて襲ったとか。平維信に退治されるという物語ですが、能や歌舞伎の作品としても有名で、私も観たことがあります。


m3 Autumn Park
松任谷由実

厳しい夏を越えて、このあとはまた、厳しい寒さがやってくる。
紅葉狩りは、ちょっとしたご褒美みたいなものかもしれません。
お花見の季節は「マイ桜」を観に行くんですけれど、今年は「マイもみじ」とか「マイかえで」を見つけてみようかな。
それこそ、気候によって、毎年違う表情を見せてくれそうですよね。
そして、紅葉の時期に色を変える木々の中で、緑色を保ち続けるのが「松」。
実は「色変へぬ松」というのは、まわりの紅葉を前提とした秋の季語なんだそうです。
松の緑もまた、錦秋を彩る大切な色なんですね。



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