Yuming Chord
松任谷由実
2015.12.04.O.A
♪Onair Digest♪
週明けの月曜日は旧暦でいうところの「大雪」。いよいよ本格的な冬がやってきました。
一日中、外出の予定がある日なんかは、防寒対策が必須です。
しっかりからだを温めてくれるアイテムといえば、これ!
今日のコードは「カシミヤ」です。


■今週のChordは“カシミヤ”

m1 Pink Cashmere
Prince

軽くて保温性と保湿性にすぐれていて、肌ざわりがなめらかで品があって、そんなカシミヤは、繊維の宝石とも呼ばれる高級品。確かにお安くはないけれど、それだけに“モトがとれる”アイテムです。
カシミヤとは、四季の寒暖の差が激しい内陸部の高地や山岳地方で飼育されている、「カシミヤ山羊」の産毛のこと。やわらかくて繊細な毛です。インドとパキスタンにまたがるカシミール地方をはじめ、中国やイランなどで産出されますが、いずれも冬の気温が氷点下、約30度程度にまで下がる極寒の場所!
厳しい寒さから身を護るために、通常の粗い毛の下に生える細い産毛がカシミヤ繊維になります。複雑に絡み合う細い毛は空気をたくさん抱きこんで温かい、というわけですね。
はるかローマ帝国の時代から、一部の特権階級しか身にまとうことのできない高級繊維。今ももちろん、高級ではありますが、最近はアパレルメーカーさん、がんばってますよね!
実は、今日のコードを「カシミヤ」にしたのは、つい最近、ユニクロのカシミヤ製品を買って、とっても重宝しているからなんです。しかもデザインも優秀!私が目をつけたのは、ユニクロとルメールのコラボレーションアイテム。
デザイナーのクリストフ・ルメールはラコステのアーティスティックディレクターや、エルメスのウィメンズアーティスティックディレクターを歴任した話題の人。
今回のユニクロとのコラボコレクションは、ニットやアウターが中心で、洗練されていてエレガント、それでいてリラックス感もあって着心地がいい!
ユニクロが敷居を下げてくれたカシミヤイテムですが、小物なら気軽に楽しめますよね。手袋や靴下、マフラーやストールなど、私も愛用しています。


m2 Hello
Adele

カシミヤはその昔、インドの北部高原地帯・カシミール地方に由来します。首都スリナガールで生息していた山羊の毛を製品化して、シルクロードを通じてローマへ運ばれ、時の貴族たちに珍重されたことから「カシミヤ」の名がついたと言われています。とはいえ、ヨーロッパの商人がこの高価な織物の存在に気づいたのは意外と遅くて、19世紀になってから。
今では、ヨーロッパの主要都市へ行けばカシミヤ専門店が見つかります。
私も、カシミヤは海外で買うことが多かったですね。
たとえばパリのセレクトショップ「エミスフェール」のカーディガン。
日本へも上陸して、80年代後半のバブル期には、「クリスマスプレゼントにほしい商品」べスト3に、エミスフェールのカシミヤセーターがランクインしていたこともありました。
その中のひとつ、シルエットがBigで良家の子女風のものだったので、スタイリストさんにリメイクしてもらったりして今も愛用しています。
ミラノのモンテナポレオーネ通り(東京で言うなら銀座通り)はモードの中心。そこにはカシミヤ専門店がありました。
カシミヤ専門店をリサーチすると・・・
「マーロ」・・・1972年フィレンツェ創業。最高クラスの毛を使った、密度の高いニット技術が特徴。厚みがあってやわらかさに定評のある、モンゴル高原の山羊を使っています。
「フェデーリ」・・・1934年北イタリアのモンツァに誕生。当時の最新技術を誇る機械を使い、“MADE IN ITALYを”世界に紹介してきた先駆的ニットブランド。
「ロロピアーナ」・・・1812年にウールの服地商として創業。カシミヤはもちろん、スーパーファインメリノウール、ビキューナなど素材への深いこだわりがある。
ロンドンでもカシミヤアイテムを買いました。
「エリック・ボンパール」・・・1985年フランス発のカシミアブランド。フラッグシップショップはパリのシャンゼリゼ通りにあり、キングズストリートに支店があります。最高品質のモンゴルカシミアを使って肌触り抜群。
「エヌ・ピール」・・・世界一古いアーケードと名高い「バーリントン・アーケード」にお店を構える、カシミヤ製品をメインに扱う老舗。創業は1930年代。映画の中でジェームス・ボンドが着ていたり、マリリン・モンローやダイアナ妃も愛用していたとか。

かつて、『時のないホテル』のアルバムジャケットの中で、ロイヤルブルーのカシミヤのワンピースを着ているんですが、これは「エヌ・ピール」で購入したもの。
実は、カシミヤは繊細なだけに保管やお手入れが大変だったりもします。繊維がやわらかいおかげで虫食いの被害にもあいやすいんだとか。
大切にお手入れをしながら、身体も心も、温めてもらいましょうね。


m3 ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ
松任谷 由実

カシミヤ製品は高いとも思いますけど、1頭のカシミヤ山羊からたった125グラムしかとれないんですよね。
で、カシミヤ製品を作るときに使われる繊維の量を山羊の数に換算してみると、マフラーで1頭、婦人用セーターで2頭、紳士用セーターで3頭、婦人ワンピースで7頭、オーバーコートで24頭分、なんだそうです。
カシミヤアイテムは、それなりのお値段になるのは仕方ないかも。
山羊たちに感謝しつつ、大切にしなくちゃいけないですね。
これからもっと寒くなっていきます。カシミヤをはじめ、温かくしてお過ごしくださいね。




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