Yuming Chord
松任谷由実
2016.02.19.O.A
♪Onair Digest♪
まだ寒い日は続いていますが、今日は二十四節気の“雨水”。水がぬるみ、草木は芽吹き、人もまた、春からの新生活に備え始める季節です。
学生デビュー、社会人デビュー、昇進すれば課長、部長デビュー!デビューを前にした人は、エネルギーにあふれています。
私も「SURF & SNOW in Naeba」を終えて、気分も新たに次のステージへ。
そこで、今日のコードは「衝撃のデビュー」です。


■今週のChordは“衝撃のデビュー!”

m1 ひこうき雲
荒井 由実

今日のコードは「衝撃のデビュー」、別名“栴檀は双葉より芳し”。
大成する者は、幼いときから人並み外れてすぐれていることのたとえですね。
それまでに誰もやっていなかった“新しさ”や、その瞬間を象徴する“時代性”など、衝撃の種類にもいろいろありますが、初期衝動にあふれるデビュー作は、とてつもないパワーで聴く人にインパクトを与えます。
私に最も衝撃を与え、かつ、影響を与えたのは、何と言ってもプロコルハルム、ブリティッシュロックのバンドです。
デビューアルバムが衝撃的だったミュージシャンといわれて思いつくままあげると・・・
ビリー・ジョエル、THE POLICE、SADE、マライア・キャリー、アラニスモリセット、シェリル・クロウ、OASIS、ブラー、ジャミロクワイ、アリシア・キーズ、ヴァネッサ・カールトン、ノラ・ジョーンズ・・・と、あげたら キリがありませんが、まずチョイスするのはリッキー・リー・ジョーンズ!
波乱に富んだ放浪生活を過ごした思春期を経て、19歳頃からロスのクラブで歌い始めて、1979年、25歳で『浪漫(Rickie Lee Jones)』をリリースしてデビューしました。
そういう経歴が、そのまま手触りになって作品に出ているような、衝撃のリアリティーがありましたね。
リトルフィートのローウェル・ジョージが見出した女性シンガーですね。
デビューアルバムから、全米1位になったのが「Chuck E.'s In Love(恋するチャック)」です。


m2 Chuck E.'s In Love(恋するチャック)
Rickie Lee Jones




m3 Chasing Pavements
Adele

まさに、ここ数年における“衝撃度ナンバー1”と、いっても過言ではないアデル、19歳でのデビューアルバム『19』からの楽曲です。
グラミーでは、最優秀新人賞を獲得しています。
彼女の魅力の一つは、何と言っても包容力のある声。
ディープな、憂いのある、リアリティーのある・・・とても、当時19歳とは思えないですよね。
母国・イギリスのメディアは彼女のデビュー当時、その声を「トラフィック・ストッパー(立ち止まらずにいられない)」と絶賛したそうです。


m4 Automatic
宇多田ヒカル

当時15歳の宇多田ヒカルさん、1998年のデビューシングル。やっぱり衝撃的でしたね。
「なんて悲しい、いい声なんだろう」っていうのと、バイリンガルなのに、全日本人がわかる英語、しかも新鮮なワードを使って。
のせ方も新しかったし、ヒップホップをポップスに完全に融合させて、しかも日本の音楽界史上最高の大激震でしたね。
今年の春から再始動されるそうで、とても楽しみです。


m5 Saving All My Love For You
Whitney Houston

この曲、初めて聴いたときに、なんて洗練されているんだろうと思いました。
洗練されている音楽は他にもあるかもしれないけど、黒人の女性ボーカルで、ここまで水で水を洗うというか・・・、こんな高みにいくんだなと思ったんですね。
「衝撃のデビュー」いろんな人の名前、姿が浮かぶけど、ものすごくスケールが大きかったなと思いました。
他にもたくさんの「衝撃のデビュー」が思い浮かぶんですけど、女性が出てくると余計に衝撃が強いですよね。
振り返ってみると、やっぱり声の魅力が作品世界に一番つながるので、それが私にとっては衝撃かなと思ったような選曲になりました。
デビューするその瞬間のインパクトっていうのは、よくも悪くも、変わらない“イメージ”になっていきますよね。それに縛られることなく、次へいけてはじめて本当の「プロ」になってゆく・・・。
デビューのインパクトが大きければ、そのあと、同じだけの負荷がマイナスにかかってくるけど、それを超えていくと衝撃のデビューではなかった人よりも、遠くにいけることは確かな気がします。

前衛芸術家、岡本太郎氏の名言をひとつ

「自分が何をやりたいか、何を伝えたいかが分かっていたら、技術は後からついてくる」

デビュー作にして完成している人には当てはまらない言葉かもしれないけれど、つまりは、こういうことですね。
なにごともやってみなけりゃ始まらない、ってことですね。
この春はぜひ、先延ばしにしていたことに挑戦してみましょうか!
ちなみに、新しいアルバムをリリースする瞬間は、まさに毎回がデビューの気分。
私はこれから、本格的に創作活動に入ってゆくわけですが・・・、もうないかもしれないと思う伸び代を、必死に見つけて、みなさんにアルバムをお届けできる日を夢みて、がんばります!


過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM