Yuming Chord
松任谷由実
2016.03.18.O.A
♪Onair Digest♪
心おどる春・・・と言いたいところですが、花粉症気味の私は、ほんの少し憂鬱でもあるこの時期。
晴れて暖かな日は、花粉を恐れてつい、家で過ごそうかな・・・と思ってしまいます。
時間をもてあましたら、手間をかけることを楽しんでみる。
たとえば、“ピッ!”とリモコンで・・・というのではなく、手順を追って、気持ちを集中して音楽を聴く。
そこで、今日のコードは「レコード」です。


■今週のChordは“レコード”

m1 Sunshine Of Your Love
Cream

きたる3月20日は、「LPレコードの日」なんだそうです。ご存知でしたか?
1951年・昭和26年に日本で最初のレコード会社、日本コロムビアが、LPレコードを「長時間レコード」という名前でこの日に発売したことから制定されました。
それまでの主流はSPレコードでしたが、片面およそ5分しか録音できず、材料の粒子が粗くて雑音も多く、擦り切れたり衝撃に弱かったりと、欠点がいろいろあったとか。
そんな中、発売された国産初のLPレコードは、「ブルノー・ワルター指揮=ベートーベン交響曲第9番」。
輸入発売ということになりますが、価格は2300円だったそうです。
ちなみに、日本コロムビアはその後、1982年・昭和57年に、世界に先駆けてCDソフトとCDプレーヤーを日本で発売した会社でもあります。
そのときの作品もベートーベンの曲で、1枚3800円だったそうです。

話はレコードからそれますが、ソノシートは塩化ビニールなどを素材とした、 薄くやわらかいレコード盤。1958年にフランスの出版社がソノシートつき雑誌 「ソノラマ・音の出る雑誌」という形態で販売したのが始まりです。
日本も1959年・昭和34年にソノシートつきの『歌う雑誌KODAMA』『朝日ソノラマ』が相次いで創刊され、その後子ども向けの雑誌の付録にも。表面にアーティストの写真などを印刷する「ピクチャー盤」もありました。
レコードが奏でる音の魅力は、感じる人それぞれの意見があります。
マニアの方々は「LPには魔物が住んでいて、これに取り憑かれると“もっといい音で聴けるはず・・・”と、見果てぬ夢を見続けてしまう」と、あれこれオーディオアイテムを揃えてしまうんだとか。
そして何より、その音を楽しむための「手間」、これがまた魅力を高めているような気もします。


m2 Quite Rightly So
Procol Harum

19世紀末から約半世紀にわたって、レコードには天然樹脂であるシェラックが用いられていました。
この樹脂はタイやインドに生息するカイガラムシと呼ばれる虫の分泌物が主成分だったとか。
その後、塩化ビニルを使って作られるようになったLPレコードですが、日本初として発売されたそのレコードは、国立科学博物館の未来技術遺産に登録されたそうです。
なお、「レコードの日」というのが日本レコード協会によって11月3日に制定されていますが、いまや、アナログレコードブームとも言われていますよね。
ブームの要因はいろいろあると思いますが・・・、ジャケットの魅力も大きいですよね。
アートディレクターのストーム・トーガソンは、「30cm×30cmの世界中で見られて持ち運びできるギャラリーだ」と語っていました。
私はレコードを作る立場でもあるわけですが、メディアの形態にかかわらず、音楽に対する姿勢はあの頃と変わらないかな。


m3 私を忘れる頃
松任谷 由実

先ほどもレコード・ジャケットの話をしましたけど、レコードのみならず、ジャケットにもたくさんの想いをこめて作ってるんですよ。
そして今も、秋のリリースに向けて創作活動中です!みなさんのお手元に届ける日を夢みて、がんばります!





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