Yuming Chord
松任谷由実
2016.04.15.O.A
♪Onair Digest♪
新年度を迎えて2週間、新人のみなさんにもそろそろ、まわりが見えてくる頃かもしれません。
どんな場所に置かれても、どんな立場だとしても、そこで充実した日々を過ごすために最も大切なこと、それは、“人間関係をきっちり結ぶこと”。
人はひとりでは生きていけないし、何事も成し遂げることは・・・きっとできないはず。
そこで、今日のコードは「Collaboration」です。


■今週のChordは“Collaboration”

m1 ミュージック
Golden Circle Feat. 寺岡呼人, 松任谷由実 & ゆず

今や、“コラボレーション”という言葉はいろいろなジャンルで使われていますが、あらためて意味を調べてみると・・・、「異なる分野の人や団体が協力して制作すること。また、制作したもののこと」とあります。
言い換えとしては「共同制作」「共同事業」「共同研究」「合作」、などなど。
コラボレーション、とあえて言わなくても、人が人とともに何かを創りだすという作業は、人が共同体で暮らすようになってから当たり前のように行われていたことではあるんですよね。
そして、私たちもふだん、いろいろな人やモノとコラボレーションしています。
たとえば、”今日、何を着て出かけようかな?”と考えることだって、私という素材と手持ちのワードローブとのコラボ、ですよね。
あとは、料理も素材と素材のコラボレーションですよね。冷蔵庫に残っているものを使って適当に・・・というコラボができたら一人前です。
創作現場でのコラボレーションは、これまでにいろいろな方と共同作業をしてきました。そもそも、私の曲はすべてプロデューサー・松任谷正隆と私、松任谷由実のコラボです。現在、アルバム創作活動中なので、まさにコラボ中です。
他のアーティストとのコラボは、自分の楽曲制作とはまったく違う作業ですよね。
ステージでもさまざまなコラボに挑戦してきました。
夢の中に居るようだったプロコル・ハルムと・・・。そして、まさかの共演、ロシアのボリショイサーカスの人たち!
他のアーティストに楽曲を制作することもあります。最も近々のコラボといえば、鈴木雅之さんに曲を提供させていただきました。
はじめての出会い・・・それは1979年、鈴木さんがシャネルズのアマチュア時代。私のバックバンドとして参加してくれたとき・・・時は流れて37年。
ソロデビュー30周年を迎えた鈴木さんへ向けて、私が楽曲をつくりました。タイトルは「Melancholia」。
この春スタートする“大人の土ドラ”枠、「火の粉』の主題歌です。
まさに、マーチン × Yumingのコラボで彼の“ニュールック”をお届けしようと・・・。

すでにドラマは始まっていますので、チェックしてみてください。
また、こちらは5月4日に配信リリース予定となっています。


m2 Melancholia
鈴木 雅之

コラボレーションの方法論はいろいろあると思いますが。たとえば、元・博報堂制作部長の高橋宣行さんの本『今どきの、発想読本 「コラボ」で革新』には、「コラボ発想」のモットーが4つあげられています。
1.オープンであること
閉じこもっていないか、枠組みの中にいないか、居心地のいところに座っていないか。違った環境を求めて外にでること!
2.異質を愛すること
分かり合える、計算できるヒト、モノ、コトでなく、つねに異質を!
好奇心を持ち、刺激を受け、変わることを面白がろう、と高橋さんは説きます。
3.組み合わせを楽しむこと
情報は組み合わせて初めて価値を生む。意外性のある組み合わせほど感動を生みます。
4.革新につなげること
グレードアップ、ではなく“革新”へ。本質から変える覚悟が問われます。
そのほかにもこんな言葉が・・・
「発想は筋肉。アイディアは天性の才能だけでなく鍛えられるもので、サボるとあっという間に筋肉は落ちる」
「論理だけでは人は動かない。最後は人の感情で動く」
「人間観察の深さが、発想の根っこ」
ここ数年のYumingは、“開放”、まさに自分を“Open”している気がします。
この本にも偶然、「ありえないコラボで騒然」というケースとして、Yuming×「N.Yバーニーズ ショーウインドウの中のショー」の例が取り上げられていました。(2013年のクリスマスシーズン)
アルバム『POP CLASSICO』のときは、アートワークを森本千絵さんとコラボして世界観を統一。その一方で、限定発売のファッションアイテムを注目のブランドとコラボして発売しました。
森永邦彦さんが立ち上げたブランド「ANREALAGE」です。
「A REAL(日常)」「UNREAL(非日常)」「AGE(時代)」というワードを組み合わせたブランド名は、森永さんの信念にもとづくもの。
色が変わる洋服、サイズが自在に変わる洋服、季節に関わらず快適な温度を保つ服など、日常のあらゆる境界線を越境することがひとつの哲学となっているブランドです。
かつて制作してもらった服は、まさに、そんな哲学にもとづいたもの!
POP CLASSICOのヴィジュアルをとりいれたプリント生地で、各アルファベットをモチーフにデザインしてもらった斬新なスタイルのコート、ドレス、スカート、パンツなどなどが限定発売されました。
そんなご縁もあって先月末、伊勢丹新宿店本館2階のセンターパーク/TOKYO解放区のステージで、森永さんとトークショーをご一緒しました。新素材とのコラボや縫製のアイディアは本当に刺激的です。
攻めるコラボ、というよりも私の場合はお話をいただいて“のってみる”コラボ。
ホームではなく、アウェーでコラボすること。進化し続けるためには、そんな刺激や負荷が欠かせない気がします。


m3 青い影〜A Whiter Shade Of Pale
Procol Harum feat.Yuming

コラボレーションの基本にあるのは、その分野に関わらず、“お互いによりよくなろう”とか、“みんなが幸せになれるように”・・・そんな想いですよね。
かの有名なアメリカの経営学者・社会学者のピーター・ドラッガーは、「イノベーションの9割が外部の知恵と共同作業の産物だ」と語っていたとか。
自分の領域から外へ出て、異質なモノと出会うことでしか、人は変われないんですね。
私は、自分に“飽きること”のないように、これからも常に外へ外へ、ひらいていこうと思います。
この世界はどんどん変わってゆくけれど、どんな時代でも自然の営みや人の心情は普遍的なものですよね。
私には、そこを切り取ってゆきたい・・・という、ぶれない想いがあります。
その想いを、どう表現していくということを、信頼できる人たちと共有しながら音楽にしたり、ステージにしていきます。
Yuming Brandは、老舗の暖簾を守るために、常にモダンでいなければね!




過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM