Yuming Chord
松任谷由実
2016.11.25.O.A
38枚目のｵﾘｼﾞﾅﾙｱﾙﾊﾞﾑ『宇宙図書館』のﾊﾞｰｽﾃﾞｲが11月2日｡
無事､11月18日からはﾂｱｰも始まりました！今日までに3公演､無事､歩みを進めております｡
そしてﾂｱｰ2日目となる11月19日は松任谷正隆さんのお誕生日｡巨大な四角いｹｰｷにｷｬﾝﾄﾞﾙを並べてお祝いしていただきました！
ｹｰｷにｷｬﾝﾄﾞﾙ､そして､ｸﾘｽﾏｽを控えたこの時期の街には､ｷｬﾝﾄﾞﾙみたいなｲﾙﾐﾈｰｼｮﾝがｷﾗｷﾗしています｡そこで､今日のｺｰﾄﾞは｢ｷｬﾝﾄﾞﾙ｣です｡
■今週のChordは“ｷｬﾝﾄﾞﾙ”
君（と僕の）BIRTHDAY
松任谷 由実
現在､ｺﾝｻｰﾄﾂｱｰ『宇宙図書館 2016-2017』がｽﾀｰﾄしたばかりの私｡
ﾂｱｰに出かけるときの備品のひとつが､ｷｬﾝﾄﾞﾙだったりします｡
ｷｬﾝﾄﾞﾙをともすのは､ｽﾃｰｼﾞを終えたばかりのひととき｡ｽﾃｰｼﾞ上の｢Yuming｣をｽｲｯﾁｵﾌ､するための装置のひとつといえるかもしれません｡
ｷｬﾝﾄﾞﾙの炎のゆらぎは､ご存知の方も多いと思いますが｢1／fゆらぎ｣のひとつなんですよね｡
簡単にいうと｢規則正しさ｣と｢不規則さ｣が混ざっているﾘｽﾞﾑで､私たち人間が最も心地よいと感じるﾘｽﾞﾑなんだそうです｡
この｢1/fゆらぎ｣は､宇宙はもちろん､地球上のあらゆる自然現象においてみられるもので､そよぐ風の感触や小川のせせらぎの音､木漏れ日の光や打ち寄せる波､木の年輪や木目からも得られるんですって｡
そんな理論もふまえつつ､私も､ふだんからｷｬﾝﾄﾞﾙをともします｡
たとえば食事中とか､季節のいいときに外でちょっと飲んだりするときとか･･･｡
煌々とした明るさの中にずっと居ると疲れてしまうけど､ｷｬﾝﾄﾞﾙの明かりだけの“ほの暗さ”なら､秋冬の長い夜も､ﾘﾗｯｸｽして楽しめるし､敬虔な気持ちになったりもしますよね｡
ちょうど一年と少し前､ﾊﾟﾘで同時多発ﾃﾛが起こったときのこと｡市民は連帯している､ﾃﾛなんかに屈しない！という意思を表明するために､｢光を､ひとつの窓に1本のﾛｳｿｸを｣というﾒｯｾｰｼﾞがSNSを通じて広がったそうです｡
ｷｬﾝﾄﾞﾙの炎が灯っている間､人は祈ったり考えたりする時間を与えられます･･･｡
Candle In The Wind
Elton John
｢火｣は文明と深く結びついたものであり､いにしえの人々はその輝きに太陽や月と同じ神聖さを感じていました｡
だからこそ､ｷｬﾝﾄﾞﾙ･ろうそくは信仰心と切り離せないｱｲﾃﾑでもあります｡
たとえば教会にｷｬﾝﾄﾞﾙは欠かせないｱｲﾃﾑ｡いよいよ次の日曜日の27日､この日はｲｴｽ･ｷﾘｽﾄの生誕からさかのぼって4週前になるんですが､毎週1本ずつ､ｷｬﾝﾄﾞﾙに灯りをともしていく｢ｱﾄﾞｳﾞｪﾝﾄ｣のｼｰｽﾞﾝです｡
4本目のｷｬﾝﾄﾞﾙに灯りがともったら､ｲｴｽ様の誕生日､ｸﾘｽﾏｽがやってきます｡
｢1／fゆらぎ｣がｷｬﾝﾄﾞﾙの炎から感じられる､という話もしましたけど､ｷｬﾝﾄﾞﾙｾﾗﾋﾟｰというのもあるそうです｡方法はただ､ろうそくの火を見つめるだけ｡精神が安定して､熟睡へ導いてくれるそうですが､くれぐれも寝る前の火の元にはご注意くださいね｡ｱﾛﾏｷｬﾝﾄﾞﾙを使えば､効果も倍増しそうです｡
私の場合､ｷｬﾝﾄﾞﾙは､いただくことがほとんどなんですが､専門店をのぞいてみたりすることも｡
和ろうそくのお店で印象に残っているのが能登の七尾にある一本杉商店街の｢高澤ろうそく店｣｡
明治25年創業､石川県で唯一の和ろうそく店です｡
芯は和紙､ろうは植物性由来･･･たとえばﾊｾﾞの実や大豆､米ぬか､蜂蜜などを使っていて､煤が出にくく､最後まできれいに燃え尽きて､においや汚れが気にならないのが特徴です｡
ｷｬﾝﾄﾞﾙが日常生活に根付いているのが､暗く長い冬を過ごす北欧など｡
たとえばﾃﾞﾝﾏｰｸでは｢Hygge（ﾋｭｯｹﾞ）｣と呼ばれる時間のすごし方があるそうです｡
日本語に直訳する言葉がないので説明的になってしまいますが､これは､親しい人との楽しいふれあいの時間から生まれる､温かくて心地よい幸せな空間のこと｡
この｢ﾋｭｯｹﾞ｣なひとときに欠かせないのがｷｬﾝﾄﾞﾙで､炎のゆらぎを前に食卓をかこんで､みんなでゆったりとした時間を分かちあうそうです｡
また､ｽｳｪｰﾃﾞﾝでは｢FIKA（ﾌｨｰｶ）｣と呼ばれる言葉があって､お茶をする､おしゃべりを楽しむ､くつろぐという意味｡こちらにはｷｬﾝﾄﾞﾙとｺｰﾋｰが欠かせないｱｲﾃﾑだそうです｡
ｼｬﾝｿﾝ
松任谷 由実
ｷｬﾝﾄﾞﾙは人が灯すもの｡だから､そこに必ず､人間の営みがあります｡
ｻﾝ＝ﾃｸﾞｼﾞｭﾍﾟﾘは､『人間の土地』という本で､最初の夜間飛行で見た風景をこう記しています｡
｢あのともしびの一つ一つは､見わたすかぎり一面の闇の大海原の中にも､なお人間の心という奇跡が存在することを示していた｣
人の手で灯されるｷｬﾝﾄﾞﾙには､想いが宿っていますよね｡
そんな不思議な力を持つｷｬﾝﾄﾞﾙを､ﾂｱｰの荷物につめこんで､現在､合計42都市80本､私史上最長･最多のｺﾝｻｰﾄﾂｱｰを敢行中です！すでに3公演を終えて､残り77公演！
このあとも､みなさんの住む街へ出かけていきますね！
｢三菱UFJ二ｺｽPresents 松任谷由実ｺﾝｻｰﾄﾂｱｰ 宇宙図書館2016-2017｣｡
ﾂｱｰの詳細やﾁｹｯﾄ販売などの情報は､私のｵﾌｨｼｬﾙｻｲﾄやTwitter､Facebookをﾁｪｯｸしてくださいね｡
みなさんにお会いできるのを楽しみにしています｡
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