Yuming Chord
松任谷由実
2017.05.05.O.A
♪Onair Digest♪
ゴールデンウィーク真っ最中!みなさんはいかがお過ごしですか?
私も「宇宙図書館ツアー」をいったんお休みして、自分メンテナンスを中心に、のんびりモードの連休を楽しんでいます。
そんな中、今日は5月5日の子どもの日。
未来ある子どもたちの幸せについて考える1日、ということなんですが・・・私らしく、ちょっとひねってこんなコードでお送りしたいと思います。
今日のコードは「enfant terrible〜恐るべき 子どもたち」。


■今週のChordは“enfant terrible〜恐るべき 子どもたち”

m1 Candy Girl
New Edition

「enfant terrible(アンファン・テリブル)」とは、フランス語。
恐るべき子どもたち、という訳になりますが、ここに含まれている意味としては“手におえない子”、“大人が期待するような年相応の言動からはずれた子”、“大人を困らせる子”・・・・・・そんなニュアンスが含まれた言葉です。
簡単に言えば“大人びた子”、“早熟な子”でしょうか。
ジャン・コクトーが1929年、40歳の頃に執筆した小説のタイトルが、『Les Enfant Terrible』。
ジャン=ピエール・メルヴィルがコクトーに自ら頼みこんで1950年に映画化しました。コクトー自身は映画の語り手としても携わっています。
姉と弟、夢想に生きていた2人だけの世界に、ある美少年が侵入してきて、破局へとつながっていく物語。現実世界のすべてから離脱して、永遠の子どもでいたかった2人の悲劇を描いています。
かくいう私は、自分で言うのもおこがましいんですが、早熟な天才少女あらわる!と、デビュー当時、話題にしていただきました。まさに「enfant terrible」だったと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、中学生の頃から飯倉のキャンティで、大人の世界に触れるようになります。
ちなみにシンガーソングライターとしては18歳のデビューですが、作曲家としては14歳でデビューしています。そして、あれから50年近く、今もこうして曲作りをしてツアーに行けることにあらためて感謝したくなりますね!
「enfant terrible」・・・・・・恐るべき早熟な子どもの場合、脚光を浴びてからの人生が長い!
私が敬愛しつつも反面教師にしているのが、フランソワーズ・サガンです。
18歳で発表した『悲しみよ こんにちは』が世界的ベストセラーになったフランスの作家で、成功してからは薬物やアルコール、浪費にギャンブル、奔放な恋愛に溺れて、ゴシップまみれになってしまったサガン。
そんな彼女の姿を見て感じるんです。行くところまで行ったら帰ってこられないし、破滅したら表現も終わる。
だから私は遠くまで行っても絶対に帰ってきて、力を蓄えて、また遠くへ行きたい。恐るべき子どもが大人になったらどんな新たな創作をするのか、お見せしていきます!


m2 I Don't Know My Name
Grace VanderWaal

13歳のシンガー・ソングライター、Grace VanderWaal。
昨年6月にアメリカNBCテレビの人気オーディション番組、「アメリカズ・ゴット・タレント(第11シーズン)」の予選に出演した彼女。
12歳にして、オリジナル曲“I don't know my name”を自身のウクレレ伴奏で歌い、全世界中を瞬く間に虜にします。
早熟な天才・・・といって、まず思い浮かぶのはモーツァルト。楽器、声楽、宗教曲など、あらゆるジャンルの作曲を手がけ、名曲を数多く生み出すヒットメーカーだった彼が、最初に作曲をしたのは5歳の頃だったそうです。
さらに、ピアノ前身といわれるクラヴィアで即興演奏を披露して、6歳で演奏旅行に出かけています。
クラシック畑には若き天才が他にもたくさん!
「カルメン」でおなじみのビゼーは9歳でパリ音楽院に入学して、在学中に多くの賞を受賞。
リストは9歳でピアニストデビュー、超絶技巧のピアニストとして「ピアノの魔術師」と呼ばれました。
メンデルスゾーンは17歳でシェイクスピアの戯曲を題材にした、「夏の夜の夢」を作曲。かの有名な結婚行進曲はこの中の1曲です。
何百年ものときを経て、色あせない曲を作ったのは、こんなにも若い人たち!
作曲や演奏をするときに、必ずしも人生経験は関係ない、ということなのか・・・?
それとも、過ごした時間の長さではなく、過ごした時間の深さ、ってことなのか・・・?
音楽・芸能の分野には早熟の天才が多く生まれる気がしますよね。
ぱっと思い出すのが・・・ジュディ・ガーランドは7歳で2人の姉とともにガム・シスターズとしてデビュー。
13歳でMGMと契約、17歳で『オズの魔法使い』で大ブレイクしました。薬物中毒、離婚、自殺未遂・・・と波乱万丈の生涯でした。
ジョディ・フォスターは子役だった兄の仕事場でスカウトされて、3歳でコマーシャルデビュー、テレビドラマを中心に活躍したのち、10歳で映画デビュー。『タクシー・ドライバー』の娼婦役は13歳の頃でした。
ドリュー・バリモアは生後11ヶ月からコマーシャルに出演、4歳で映画デビュー。7歳で『E.T.』に出演して一躍注目を浴びるものの、ティーンの時代はBad Girlとしてドラッグ、アルコールにも悩まされる。でも、90年代から華麗なる復活!
自身の製作会社を立ち上げて『チャーリーズ・エンジェル』シリーズなどをヒットさせる。
『ホーム・アローン』に10歳で出演して、ギネスブック認定の「世界一有名な子役」になったマコーレー・カルキン。彼が稼いだお金を争う裁判を両親が起こしたり、お決まりの薬物問題を起こしたり、壮絶人生を送りましたね。
『ハリー・ポッター』シリーズの子役たちも人生いろいろ。当時11歳だったハリー役のダニエル・ラドクリフは、その後18歳でアルコール依存症になったり、死亡説まで流れました。
同じく11歳だったハーマイオニー役のエマ・ワトソンは女優として着実に成長。アイビーリーグの名門校を卒業し、国際的な社会貢献活動もする才媛です。
最近ではディズニーアニメの『美女と野獣』実写版で注目を集めています!
早熟な天才にしては珍しく、道を踏み外すことなくまとも、といえそうです。
ミュージシャンで思いつく「enfant terrible」は・・・ジャクソン5に5歳で参加したマイケル・ジャクソン!
でも、ご存知のとおり彼もまた、数奇な運命を生きた人でした・・・・・・。
11歳でモータウンレーベルと契約を結んだのはスティーヴィー・ワンダー。13歳でアルバムデビューを果たしました。
ジャスティン・ビーバーは15歳でデビュー。こちらもお騒がせ。
19歳デビューの歌姫たちといえばアデルやエイミー・ワインハウス・・・。

もちろん、日本にもたくさん!早熟な天才は居ます。
たとえば、今年生誕80年を迎える美空ひばりさんは、9歳で初舞台。
その年、NHKの「のど自慢素人音楽祭」に出場するも、鐘が鳴らなかったといいますが、その理由は「歌がうますぎて審査員の反感を買ったから」だったとか。
私が日本のエンターテインメント界での「早熟な天才」!と実感したのは・・・私と同じ誕生日の宇田多ヒカルさん。
1998年12月にリリースされたデビューシングル「Automatic」はいきなりのダブルミリオンセールス、当時15歳のことでした。
子役のみなさんも「enfant terrible」。本当に演技が上手!
私の印象に残っているのは・・・会ったことがあるのは井上真央さん、芦田愛菜さんには曲を提供しました。
「恐るべき 子どもたち」は、この世界にいると脅威でもあるけど、どんな世界を見せてくれるのか楽しみでもあります。
私もまだまだ、同じ土俵で勝負できるよう、精進していきます!


m3 ひこうき雲
荒井 由実

そして、私の子ども、とも言える歌をお届けしている「宇宙図書館ツアー」。
ゴールデン・ウィーク中のお休みをはさんで、来週水曜日からふたた、スタートします。
福島、栃木、そして東京国際フォーラムでライブです!
今後のツアースケジュールやチケット発売の詳細は、私のオフィシャルサイトオフィシャルTwiteerFacebokなどをチェックして下さい!



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