Yuming Chord
松任谷由実
2018.09.07.O.A
♪Onair Digest♪
気づけば9月も1週間!ちいさい秋があちらこちらで見つかる今日このごろです。
秋の訪れを教えてくれるのは、雲の群れ、空の色、そして風の涼しさ、旬の食卓・・・・・・と、いろいろありますが、まさに、小さきものたちが、秋の訪れを知らせてくれることもあります。


■今週のChordは“insect〜昆虫”

m1 Dragonfly
A-Ha

地球上の生物の70%から80%が昆虫といわれていて、昆虫の種類は推定400万種以上。
そこから、地球は「昆虫の惑星」と呼ばれるようになったとか。しかも、昆虫が地球に誕生したのは、およそ3億7900万年も前のこと。昆虫最古の化石は「羽根」のついていないトビムシ目、リニエラの一種だといわれています。
ちなみに、恐竜がほろびて哺乳類の繁栄が始まったのがおよそ6500万年前、「ヒト(ホモ・サピエンス)」が出現したのはおよそ20万年前のことですから、昆虫に比べれば新参者。
昆虫は地球上で暮らす生き物の大先輩!ということで、敬意を表さないといけないですね。
なのに、昆虫が苦手、という人が多いのも現実。かくいう私は…案外、平気なんですけどね。

何しろ、私の自宅がある世田谷は自然がいっぱい、昆虫もたくさんいます。今年の夏は猛暑でしたが、元気だったのは昆虫だけ、といえるかもしれないですね。
今年、よく見かけたのはカナブン。日中も活発に活動して、夜は灯火めがけて集まってきますよね。

よく自宅のバルコニーに遊びにくるのはカマキリやバッタ。手のひらに乗せた様子をツイッターにもアップしました。
トンボも早くから飛んでましたよね。今年はとくに多い気がするんですけど…、ものすごい速さですーっと通りすぎていきます。

そういえば今、上野の国立科学博物館の特別展「昆虫」も大盛況みたいですね。
オフィシャルサポーターの香川照之さんの昆虫愛もスゴイですが、そもそも日本人は昆虫好き。
『枕草子』にも「虫は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。きりぎりす・・・。」などと記されていますし、江戸時代の後期には「虫売り」が鈴虫を売り歩いて江戸っ子に人気があったそうです。

蛍狩り、なんていう風流な遊びもあります。
金沢近辺で蛍を見ることが出来るのは6月中旬から7月の上旬くらい。日没後2時間ほど、夜8時前後から9時半くらいまでが見頃で、ゲンジボタルやヘイケボタルが見られるようです。
ゲンジは犀川、浅野川、森下川、伏見川などの上中流地域、ヘイケは山間部や郊外の水田などで見ることができるようです。また、兼六園では蛍鑑賞会もやっているそうです。
私、実は海外でも蛍を見たことがあるんです。しかもなんと、アマゾン川で!


m2 Fireflies
Owl City


劣悪な自然環境のもとでも驚くべき適応能力を発揮して、賢く生き延びてきた昆虫たち。
その生態や智恵を研究して、人間に役立てることはできないか、ということで、巨大な資源として、昆虫が注目を集めているといいます。
でも、日本人はもともと、昆虫素材をものづくりに使ったり、文学に登場させたり、食用にしたり・・・と、親しくつきあってきましたよね。

たとえば法隆寺の「玉虫厨子(たまむしのずし)」。
「厨子」とは、仏像をはじめ仏画や経典などを安置する屋根つきの入れ物ですが、その装飾に使われたのがタマムシの翅(はね)です。翅の構造に光が屈折干渉して七色に輝いて見えるんですが、使われたのは推定4500匹以上の「ヤマトタマムシ」だったそうです。

食用、といえばイナゴやザザムシ、蜂の子が郷土料理として食べられていますが、世界的に見て人口が増え続けている今は、たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含んだ昆虫を食べよう!という動きが活発になってきているそうですよ。
昆虫料理研究家が推薦する昆虫はというと・・・・・・マグロのトロの味に似ているという「カミキリムシ」の幼虫や、ナッツの香りとシコシコした食感が味わえる「アブラゼミ」の幼虫など。

「インセクト・テクノロジー」、昆虫産業というのも数年前からさかんになってきて、昆虫の生態や特殊な才能を活かした健康食品や薬、デザインやテクノロジーが開発されていて、私たち人間の生活に役立てられています。
敵からすばやく逃げるために、翅を開く、そしてしまうために折りたたむ…カブトムシやクワガタ、ハネカクシといった昆虫の能力は、開くのもたたむのもすばやく簡単にできる技術のヒントを与えてくれました。
その技術は、宇宙ステーションに搭載される太陽光発電パネルに使われたり、折りたたみの地図に使われたりしています。

「生きている宝石」と呼ばれるモルフォチョウ。その翅の構造を研究して、美しいブルーを再現した構造発光繊維“モルフォテックス”。染料を用いていないので、色あせることがなく、衣服や車のシートに使われています。
産業、というほどのものではないけれど、ファッション業界でも昆虫モチーフが流行しましたよね。
GUCCIが蜂や蝶、かぶと虫をデザインに取り入れていて・・・どっちが先なんだろう!?と思ったことがあるんですけど、名古屋の大洲商店街で私が購入した、蜂のアップリケがついた羽織りもの。
あれ、GUCCIより先をいってたんじゃないでしょうか???

ちなみに蜂モチーフはナポレオンも愛していたといわれています。
19世紀後期にはフランスやイギリスでも昆虫モチーフブームがまきおこったこともあるそうですが、で、蜂は女王を中心にして大きな巣を作るので、繁栄、拡大の象徴とされていたようですよ。
小さな身体で生きのびていくために、シンプルだけど確実な智恵と工夫を身につけている昆虫たち。
私たちもそんなふうに生きてゆきたいものです!


m3 9月の蝉しぐれ
松任谷 由実

地球上の生き物としては大先輩の昆虫たち。まだまだ、教えてもらうべきことがたくさんありそうです。
さて、4億年、という昆虫の歴史にはかないませんが、私もミュージシャンとしてはおかげさまで長い年月を重ねてきました。
今月22日からは、デビューから45年間の軌跡をたどるアリーナツアーがスタートします。
「Ghana presents 松任谷由実 Time machine tour Traveling through 45years」、全国14会場30公演、伝説のステージがよみがえる奇跡の夜をお届けします。

そのほか、今後のスケジュールや最新情報はオフィシャルサイトや、FacebookTwitterInstagramを、チェックしてくださいね。



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