Yuming Chord
松任谷由実
2019.05.10.O.A
♪Onair Digest♪
大型連休もあけて、ようやく通常モードにカラダが慣れてきたかな?といった頃でしょうか。
私も、連休中は遠くへ移動せずとも、なんとなく、旅気分を味わっていた気がします。
でも、視点を変えれば見慣れた風景もまた、旅先みたいなもの。
たとえば、私が暮らす東京もこんな呼び方をすると、ちょっと違って見えてきそうです。
そんな今日のコードは「水の都」です。


■今週のChordは“水の都”

m1 Cruising For Bruising
Basia

東京は今、来年に控えた東京オリンピック・パラリンピックを見据えての開発が進んでいます。
計画のひとつに、「水の都」東京としての観光資源の見直しがあるんだそうです。
例えば、ウォーターフロント地区の再開発とか、川や運河を使った船便を充実させたりとか。
でも、さかのぼってみれば、東京を「水の都」として発展させたのは、徳川家康をはじめ、江戸・徳川家の功績、といわれています。
川や運河、堀を築いて水上交通を整えて商業を発展させたり、100万都市にまでなった人口を支えるために、飲料水を確保したり。そのおかげで、改めて意識してみれば、東京はまさに「水の都」だな、と思えます。

多摩川も、私にとっては特別な川かな。
江戸時代の多摩川は軍事上及び技術上の理由から、橋よりも舟による「渡し」が主流で、かつて39箇所の「渡し」もありました。

オリンピック・パラリンピック開催に向けて水上交通を充実させている・・・なんて話もしましたが、私も、東京の水上交通、乗ったことがあります。
TOKYO FMのある半蔵門から見える、かつての江戸城を守るお濠。今は新緑の季節。
東京スカイツリーも、水の都にそびえたつ感じがします。見下ろせば墨田川。
世田谷も水辺の風景が多いです! 等々力渓谷とか・・・・・・そして、霧がかかっている!
やっぱり、水が身近にあると心が落ち着くというか、浄化されるというか、いいものですよね!


m2 Neon River
Keane

海外にも、「水の都」と名高い都市がたくさんありますよね。
まず、最初に名前が挙がるのがイタリアの古都ヴェネツィアじゃないかと思います。
150以上の運河があり、400もの橋が架けられていて、移動は水上バスやゴンドラ、水上タクシーを使っているラグーナに浮かぶ島です。
特に気軽に乗れるのが「トラゲット」と呼ばれる、乗り合いの渡しゴンドラ。
心配されているのがベネツィアの水没。昨年10月には、嵐と高潮が原因で、約75%が水没したという報道があり、サン・マルコ広場は閉鎖。観光客のため、高床式の歩道が設置されたとか。水位は観測史上4番目に高い1.5メートルです。

「世界で最も美しい首都」と呼ばれているのがスウェーデンのストックホルム。
旧市街の石畳の小道を散策したり、運河にかかる美しい橋を渡ったり。14の島で構成されていて、そのうちの30%が運河です。

オランダの首都、アムステルダムも運河の街。13世紀にアムステル川の河口に築かれたダムが街の始まりで、16世紀ごろから世界を代表する貿易都市として発展しました。
17世紀に東インド会社が置かれた・・・なんて、世界史で昔勉強しましたね〜。160本以上の運河と1500以上の橋がかかっています。

ロシアのサンクトペテルブルクも、街自体が世界遺産に登録されている観光都市でもあります。運河をめぐるクルーズツアーでは、血の上の救世主教会やエルミタージュ美術館など、普段と違う目線で街並みを見ることができます。

アジアにある「水の都」といえば・・・蘇州(中国・江蘇省)上海からバスでおよそ3時間、中国東部、揚子江(ようすこう)の下流域にある町で、古くから水路が発達して、水郷として知られてきました。「東洋のヴェネチア」とも呼ばれています。
ちなみに蘇州は今から4000年前、古代中国「夏(か)」の時代から文字で記録が残っているといいます。かつては「呉」の都で、中華文明の発祥地のひとつとされています。

「蘇州」と名付けられたのは、遣隋使でおなじみ「隋」の時代、紀元前589年になります。
その、隋の皇帝はここに南と北を貫く大運河を築いたことで、蘇州は沿岸の四大都会のひとつになったといいます。

行ったことはないけれど、タイのバンコク。
地下鉄やバスの代わりにボートが交通手段として使われていますが、バンコクらしいのは川を行き交う水上マーケットのボート。ボートの上で調理しながら食べ物を売ったりもしています。まさに、地元の人たちの生活に密着していて、活気にあふれているとか。

世界各地で見て、体験してきた「水の記憶」が、私の血肉となって、曲になったり歌詞になったり・・・やっぱり、令和の時代も、旅は続けたいですね。


m3 水の影
松任谷 由実

「水の都」東京の魅力や、これまで出かけてきた旅先でのお話をお届けしました。
やっぱり、水の多い場所はマイナスイオンがたくさん!気持ちいいです。よどみなく流れていれば、「気」もいいと思います。これから気候もよくなるので、川散歩をしに出かけようと思います。

さて!昨年の秋にスタートした「タイムマシーンツアー」も、今週末の長野2公演と、来週の武道館2公演を残すのみ、となりました。
令和の始まりをみなさんと一緒に寿ぎつつ、時空を超えた旅を楽しみたいと思います!

そのほか、今後の予定や近況は、私のオフィシャルサイトや、FacebookTwitterInstagramを、チェックしてくださいね。




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