Yuming Chord
松任谷由実
2019.12.13.O.A
♪Onair Digest♪
先日、「VOGUE JAPAN」のウーマン・オブ・アワ・タイムのひとりに選んでいただいお話をこの番組でもしましたが、現在はVOGUE JAPANのYouTubeチャンネル、「VOGUE VIDEO」にて「Yuming's FASHION Adventure」というコンテンツを公開中です。
そこで今日は「Yuming Chord」でもファッションのお話を・・・・・・今日のコードは「Yuming's Artworks Collection コスチューム編〜トレンチコートからジャケットまで」。


■今週のChordは“Yuming's Artworks Collection コスチューム編〜トレンチコートからジャケットまで”

m1 未来は霧の中に
松任谷 由実

1979年7月にリリースしたアルバム『OLIVE』からの1曲。
14歳でデビューしてから今に至るまで、音楽を続けてこられた原動力のひとつは、ファッション!
そう断言してもいいくらいの私にとって、アートワークやコスチュームにも力が入っています。

オリジナルアルバムやCDのジャケット、私にとってはアルバムの内容を構成するひとつで、そこにもメッセージがあったりします。オープニングでお送りしたアルバム『OLIVE』のジャケットは、まさに私自身がスタイリングをして、雑誌のカバーモデル風の写真を撮影しました。

81年リリースのアルバム『昨晩お会いしましょう』のジャケット。『OLIVE』が79年・夏のリリースだったんですが、このアルバムは81年11月のリリースですね。
余談ですが、この間にフルアルバム3枚と、4曲入りの1枚を作っています。我ながらスゴイ・・・・・・。

アートワークはロンドンを拠点に活動していたデザイン集団の「ヒプノシス」でした。
1970年代を中心に、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンなどなどのカバーアートを手がけた彼らは、アルバムジャケットに芸術性を授けたといわれています。
で、その『昨晩お会いしましょう』のジャケットで着ているのがトレンチコートです。
トレンチとは「塹壕」という意味で、兵士たちが身を守るために隠れる場所のこと。イギリスの軍隊で、寒冷地での戦いに対応するため、防水性にすぐれたミリタリーコートとして使われていたモノが、ファッションアイテムになったんですよね。
「ガンフラップ」という、水の侵入を防ぐための布が右肩から胸にかけてついています。


m2 守ってあげたい
松任谷 由実






m3 最後の嘘
松任谷 由実

「最後の嘘」は、96年10月にリリースされたんですが、常盤貴子さん主演のドラマ「ひとり暮らし」の主題歌として作ったものでした。その後、アルバム『Cowgirl Dreamin'』にはアルバムミックスとして収録しました。
このアルバムのジャケットで着ているのが、「LBD」こと、リトル・ブラック・ドレスです。

その名のとおり、黒一色のミニマムなドレスで、おもに喪服として着られていたんですが、シンプルなデザインで上質なものを、欧米では祖母から母へ、母から娘へ・・・・・・と、代々受け継ぐ1着ともいわれます。
で、このリトル・ブラック・ドレス、あのガブリエル・シャネルがモードの洋装として1920年代に発表して、以降、フォーマルはもちろん、ビジネスシーンやおしゃれ着としても着まわすことができる定番モノとして大流行。
また、1961年の映画『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘップバーンが着たことでも、有名になりました。
ちなみに、彼女が着たのはジバンシーのモノでした。

日本では、2010年頃、ファッション業界の人々たちがミニのブラックドレスを着始めて、しばらくしてファストファッションのショップでもたくさん出回るようになって・・・そうなってくると、本来のリトル・ブラック・ドレスがもつパワーが失われていくわけですが、私は、それより10年以上前にセレクトしていたんですよ〜。

とはいえ、このジャケットで着たドレスは、残念ながらジバンシーなどのハイエンドなモノではなく、バナナ・リパブリックのものでした。日本に進出してきたのが2005年、なので、私が行ったのはL.A.のお店。サファリファッションに目覚めた頃で、好きなショップのひとつだったんだけど、そこで色々なスタイルのブラックドレスを調達しました。

そんなわけで、リトル・ブラック・ドレスが大流行した今から10年ほど前は、制服状態になっちゃったんだけど、今ならあえて、色んなMIXと楽しめそうですよね。
ちなみに、もし今、買うのであれば、一生モノを買いましょう!
黒一色のドレスこそ、質のいいモノを選ぶべき。
それなら当然、フォーマルの席でも、着崩して遊びに行くときも対応可能なので、かえって安くつくと思いますよ!

続いては2000年代のジャケットを振り返ってみたら、私自身が出てこないものが多く・・・その中で、2009年リリースのアルバム『そしてもう一度夢見るだろう』をピックアップしました。
このジャケットで私が着ているのは、クラシカルなツイードのセットアップです。80年にリリースしたアルバム『時のないホテル』でも、イタリア製のツイードのセットアップを着ているんですが、ツイード、好きなんですよね。

ツイードは、イギリスやスコットランドが発祥の毛織物。
太くて短い羊の毛を使った糸で織られていて、表面は粗っぽい手触りなんですが、空気をたくさん含む糸なので、軽くて暖かいのが特徴です。セットアップで着る場合のツイードは、やっぱりクラシカルに着たくなるかも・・・。

ちなみに今、「VOGUE VIDEO」のYouTubeチャンネルにあがっているのは、『時のないホテル』のジャケットで着ていたツイードセットアップ。
スタイリストの山王丸久美子さんにMake Over、新たなMIXをしてもらった様子が見られるんですけど、あのリメイクは斬新でした。ぜひ、チェックしてみてくださいね。

でも、大切に着て、大切にしまってあった服は、時を経て袖を通しても、それだけの価値があったな・・・って、改めて感じる力を持っていますよね。そういうモノを選びとるためにも、常に感性を磨き続けなくちゃなって思います! あくまでも、楽しみながらね!


m4 夜空でつながっている
松任谷 由実

今日は、「Yuming's Artworks Collection コスチューム編」というコードでお届けしました。
アルバムジャケットを見ながら自分のコスチューム遍歴を改めて振り返ってみると、私の音楽活動は、ファッションやアートワークにも支えられてきたんだな、と思いました。

そして、ファッションといえば『VOGUE JAPAN』1月号に、私のインタビューが掲載されています。
VOGUE JAPAN「Women of Our Time」の受賞を記念したもので、ゴージャスなコスチュームで撮影したフォトセッションとともにぜひ、ご覧ください!
また、YouTubeチャンネル「VOGUE VIDEO」では「Yuming's FASHION Adventure」というシリーズも順次アップされています。
思い入れのあるアイテムをスタイリストのみなさんにリメイクしてもらう様子、コーディネートの参考になるかもしれません。

そして、ステージではいつも、大胆なコスチュームに挑戦しています。
ただいま発売中の最新LIVE映像作品、『TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years』では、懐かしいステージ衣装を再現したりしているので、チェックしてみてくださいね。
また、これを記念して、これまでに映像作品化されたコンサートツアーからの映像を、私のオフィシャルYouTubeチャンネルにて公開しています。 ぜひ、こちらも楽しんでくださいね。

そのほか、私のオフィシャルホームページTwitterInstagramにも近況をアップしているので、そちらもあわせて、チェックしてくださいね。




過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM